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【MLBトレード】バーランダーのHOU入り

 HOUがNYMからジャスティン・バーランダー(残り1年半+1年条件付きプレーヤーオプション)を獲得しました。NYMはドリュー・ギルバート(残り6年)、ライアン・クリフォード(残り6年)を獲得。


〇ファーストインプレッション

 HOUがフロントスターターを確保しました。今季は先発に怪我人も多く、プレーオフを見据えると賢明な動きでしょう。NYMは再度金でプロスペクトを買うムーブ。先々が楽しみです。

〇HOUサイド

 ルイス・ガルシアのTJ、ホセ・ウルキディの長期離脱と先発ローテのコアが序盤から欠ける状況下、ハンター・ブラウン、ブランドン・ビーラックが検討するものの、ジリ貧の様相を見せていました。フランバー・バルデスやクリスチャン・ハビアーも前年のような支配力が無く、プレーオフ進出後を見据えると、不安な陣容でした。

 バーランダーは今季はやや衰えを見せているものの、依然としてイニング消化能力は高く、球速自体は落ちていません。2017年のように移籍後に一気にパフォーマンスを戻す可能性も十分にあるでしょう。2025年に140イニングス投げさせれば自動的に3年目35Mのプレーヤーオプションが付与され、行使の公算が大きいので実質的には2年半の契約と言えそうです。

 なお、バーランダーの残り年俸は23年と24年が合わせて約57.5M。25年のオプションが行使されると35Mの合計約92.5Mです。NYMの負担は35M+2025年のオプションが行使された場合に17.5Mの合計52.5Mです。HOUの負担は約40Mとなります。バーランダーの2年半を40Mというのは市場対比で見れば安いものの、代わりに傘下1位と4位のプロスペクトを差し出しているので妥当な見返りと言えるでしょう。

〇NYMサイド

 シャーザー放出とほぼ同じストラクチャーでバーランダーを放出しました。シャーザー獲得の記事でも取り上げましたが、資金マネジメントが巧いと思います。これで2025年にロックされるペイロールは120M程度になるので改めて大型補強ができるでしょう。しかも今回の一連の売りトレードで多くのプロスペクトを獲得し、一気にファームが強化されました。

 ギルバートはMLB公式で全体68位に位置するプロスペクトです。目立ったツールはないながらもバランスが取れていて、三振率も低く、ハードコンタクトもできるようです。A+で好成績を残し、AAではやや躓きましたが、直近はスタッツを上げています。1年目に大けがで試合に出られなかったこと、まだ2年目であることを踏まえると、打撃は順調だと思います。センターとしては平均的な守備なようなので最低でもコーナーでレギュラーを守れるレベルは見込めるでしょう。

 クリフォードは2022年11巡目ながら126万ドルと同年のHOUドラフトで2番目に高いボーナスを得た高卒選手です。2年目の今季はAで好成績を残すと早々にA+に昇格し、こちらでも順調な成績を残しています。打席のアプローチに加え、平均打球速度も高く、20歳でA+でOPS.900というのは驚異的です。打撃だけで見ればギルバートよりも将来性を感じます。しかし、守備は外野のコーナーも厳しいようです。ただ、DH専に近いにしても打撃だけで食べていけるだけの選手に成長する可能性はまあまあ高いと思います。

〇総評

 HOUはジリ貧気味の先発ローテの立て直しを果たすことができました。バーランダーに2年半で40Mであれば、コスパ的にもリスクは小さいでしょう。NYMは2025年頃に再度勝負するうえでの土台をしっかり作り上げました。コストカットとプレミアムなプロスペクトの獲得ができたという点ではシャーザー放出と同じです。NYMの将来が益々楽しみになってきました。

※画像はMLB公式

 

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