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タイでより厳格な行動規制

バンコク都とその周辺5県、そして南部4県の合計10都県(タイは77都県)を対象に、昨日(7月12日)から、タイでより厳しい行動規制が始まりました。

主要なポイントは、「夜間外出禁止」ということ。21時から翌朝4時まで、エッセンシャルワーカー以外の外出が禁止されます。違反者は現行犯逮捕もあり得るそうなので、政府はかなり真剣。この行動規制に伴い、コンビニを含む一般店舗も、営業が朝4時から20時までに制限されました。バス、鉄道などの公共交通機関も、21時から翌朝4時までは運行休止です。

夜間に焦点があたった行動規制ですが、昼間の活動に関係する規制もあります。

まず、この行動規制が実施されているエリアからの、不要不急の越境は取り締まりの対象となります。幹線道路に検問所を設け、他県に移動する理由を1台1台確認するそうです。理由によっては、それ以上先に進ませず、強制的にUターン。実際問題、どこまでそれが徹底できるかわかりませんが、少なくても政府の意気込みはそういうことです。

日中であっても、医療機関(ワクチン接種会場も含む)、スーパー、薬局、銀行・金融関係、飲食店(持ち帰りのみ)、ロジスティクス、電気・水道保全などのエッセンシャルワーカー以外の営業は禁止。官公庁、床屋、持ち帰り屋台は営業が認められていますが、スパ、美容クリニック、マッサージは営業禁止です。衣服、靴、ブランドショップなどの営業ができないため、臨時休業を選択した大型ショッピングセンターもあります。ロックダウンとまではいえませんが、商業活動が大きく制約されたは事実です。この対策が、少なくても7月25日まで続きます。

こうした行動規制の強化は、特に冒頭の10都県で、感染拡大が収まる兆しをみせていないことが背景にあります。昨日のタイ政府Covid-19対策本部(CCSA)の発表では、感染検査による新規陽性が 8,656人、死者が80人となりました(累計死者数は2,679人)。退院した人は 3,687人ですから、ベッドはますます足らなくなる一方です(すでに自宅療養者が急増中)。

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つい半年ほど前までは、タイはコロナ対策の優等生と言われていたのですが。

それに安座し、ワクチン確保の重要性や、タイで主流になりつつあるデルタ型変異株への対応が後手になってしまったことが悔やまれます。

ワクチンといえば、タイ保健省はシノバック社製ワクチンのデルタ型変異株に対する効力に疑義がある、ということで、1回目にシノバック社製ワクチンの接種を受けた人たちに対し、2回目はアストラゼネカ社製ワクチンを接種することを決定しました。すでにシノバック社製ワクチンを2回接種済の医療従事者に対しても、アストラゼネカ社ワクチンのブースター接種(3回目の接種)を行うとしています。但し、アストラゼネカ社製ワクチンの十分な確保に目途が立たないため、ブースター接種の開始時期については不明です。

保健省の発表では、シノバック社製ワクチンを2回接種した医療従事者67万7,000人あまりのうち、4月から現在までに、600人以上が新型コロナウイルスに感染。うち、2人が亡くなっているそうです。67万人のうちの600人が感染したことは、さほど懸念されることか?という指摘もありましょうけれど、タイ国民の中にある中国製ワクチンに対する不信感が、かなり根強いということでしょう。

では、他のワクチンはインド変異株に対して有効なのか。これも大切な疑問です。これについては、大阪大学医学部の忽那賢志先生の記事で詳しく説明されています。

日本では、8月にワクチン供給量が減少するということで、たいへんな政府批判が行われているようですが。

タイではいつ、接種を受けられるのかまったく予測が立ちません。特にタイ在住外国人に関しては。民間病院が有償(2回接種で約1万円)にてモデルナワクチン接種を始めると予約受付を開始していますが、実際に接種を受けられるのは年末か、年明けになるのではないかという観測も。接種を受けたいのに、接種時期の目途すら立たない不安に悩まされている者からすれば、日本はまだ、政府の施策に恵まれているように感じます。

ま、日本をみても仕方ない。

私はタイで、大多数のタイの人びとと共に、ワクチン接種を受けられるタイミングを待つことといたしましょう。なに、感染力が強くなったデルタ株であっても、それ以上にこちらが感染対策を徹底していけば大丈夫でしょう。感染者数は多いように感じますが、それでも、ウイルスに感染する確率は、タイで蚊にくわれる確立よりもずっと、ずっと低いのですから。


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