牛飼いが地雷を発見
カンボジア西部にあるバッタンバン州。
タイと国境を接し、かつてはプノンペンとバンコクを結ぶ交通の要衝でした。
1970年代から90年代始めまで続いた、カンボジアの内戦時代。
バッタンバン州はポルポト派が勢力を握っていた地域で、ベトナム政府の支援を受けたヘン・サムリン政権軍と激しい戦闘が続いていた場所でもあります。
カンボジアには、内戦期に埋められた地雷や不発弾が今も多数残っており、毎年、多くの犠牲者が出ています。2021年も、11人が亡くなり、33人が負傷しました。カンボジアには、政府機関として「カンボジア地雷対策・被害者支援庁(Cambodian Mine Action and Victim Assistance Authority、CMAA)」が存在し、現在も国内外のNGOと連携し、地雷除去活動を進めています。
こういう状況ですから、時折、このようなニュースも流れます。
6月9日、バッタンバン州のプレークチック村で、69歳の牛飼いが地雷をひとつ発見しました。
たまたまその地雷に番号が書かれていたので、おそらく他にも埋められているのではないかと周囲を探したところ、合計47個もの地雷を発見。回収したうえで警察に届け出ました。その様子が報道されているのが、下の写真。
なんといいますか…。この緊張感のなさ。
あまりにも不注意に扱い過ぎて、爆発するのではないかとハラハラしてしまう写真です。まぁ、現地ではそれだけ、地雷が身近だということなのでしょう。
警察はCMAAに通報する一方、さらに地雷が埋まっていないか、周辺を調査するそうです。犠牲者が出る前に、見つかってよかった。
カンボジア内戦の地雷といえば…。
女優アンジェリーナ・ジョリーが監督を務め、2017年9月にNetflixで配信された「最初に父が殺された(First they killed my father)」の1シーンを思い出します。下がそのYouTube映像のリンクですが、遺体の描写などが生々しいので、閲覧される際にはご注意ください(もちろん、ほんものの遺体ではありません)。
https://www.youtube.com/watch?v=BGDbsAOqQwU
カンボジアの地雷、不発弾除去には、日本のODAから支援があり、日系NGOも活躍しています。
牛飼いのおじいさんが驚くような発見が、早くなくなって欲しいと願わざるを得ません。