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【風水】沖縄の魔物『マジムン』と中国風水
風水鑑定士の清水 真樹(しみず まさき)です。
風水の形殺と化殺について調べていたら、沖縄の民間伝承にたどり着いたので記事にしてみました。
形殺とは
住宅周囲のあらゆる物や気の流れが住人に悪い影響を及ぼすことを、風水用語で『形殺(けいさつ)』と呼びます。
化殺とは
一方、物を置いたり配置を変えることで、形殺の悪影響を抑制、軽減することを風水用語で『化殺(かさつ)』と呼びます。形殺を違う状態へ変化させる、ということですね。
形殺『槍殺(やりさつ)』と、魔物『マジムン』
化殺する手段の一つに『泰山石敢當(たいざんせきかんとう)』と刻まれた石を置く方法があります。
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こんな感じで。
Y字路や丁字路の突き当たりに家があると、まっすぐ向かってくる気が直接家に入り健康運に悪影響を及ぼすと風水では考えられています。これを『槍殺(やりさつ)』と呼んでいます。そして泰山石敢當は、槍殺を化殺するときに使います。
この泰山石敢當は風水の技法ですが、沖縄県、鹿児島県奄美群島でも石敢當(せきがんとう)の名でよく見られるそうです(石敢當を見に沖縄へ行きたいです…)。
石敢當は上の図で書いたような道に置いてあることが多く、化殺を目的として設置されているのだと私は思いました。そこでWikipedia先生で泰山石敢當について調べたら、以下の記述がありました。
沖縄県ではその存在意義や効果が未だに根強く信じられており、当地では丁字路や三叉路が多いことから、現在でも沖縄県の各地で新しく作られた大小様々の石敢當を見ることができる。これらの地域では、市中を徘徊する魔物「マジムン」は直進する性質を持つため、丁字路や三叉路などの突き当たりにぶつかると向かいの家に入ってきてしまうと信じられている。そのため、丁字路や三叉路などの突き当たりに石敢當を設け、魔物の侵入を防ぐ魔よけとする。魔物は石敢當に当たると砕け散るとされる。
直進路からまっすぐ気が向かってくる風水の形殺は、琉球の地で魔物『マジムン』に言い換えられていました。そして泰山石敢當による化殺は、マジムンの退治方法に姿を変えていたのです。
沖縄といえば『琉球風水』を思い浮かべますが、日本式風水の『家相(かそう)』と同じく、琉球風水も元は中国の風水がベースなのだと思います。風水の悪影響から子孫を守るため、形殺を魔物にたとえて今日まで語り継いできたのかも知れません。
民間伝承と、風水のつながりを調べるのも楽しい。そう思ったできごとです。
本日もお読みいただきありがとうございました。
清水 真樹