レディースはとてもいいチーム

強さを見せつけた

ベトナム・ホーチミンで行われていたAFC Women's Champions League(AWCL)。
日本代表として参戦している我らが三菱重工浦和レッズレディース（以下長いので「レディース」と省略）は、タイトな日程、さらに独特の気候の中、見事３戦全勝でグループステージ首位通過を決めました。
初戦のオディサFC戦のスコアがバグ状態（17-0）なので、得失点差は全く参考になりませんが、３戦とも無失点で終えたのが素晴らしい。
国のFIFAランキングはかなり下のチームばかりでしたが、ほとんどチャンスらしいチャンスを与えることなく、しっかりと守り切ったところが評価に値すると思います。
それでいて、ボールを保持してテンポよくパスをつなぎ、得点を取り切った攻撃も素晴らしかった。
見ていて楽しいサッカーを披露していたと思います。

メンバー起用の深謀遠慮

この３連戦、中２日というかなりハードな日程でした。
楠瀬監督はメンバー選考にはかなり気を使ったはずです。
では、この３戦のスタメンを見ていきましょう。

①オディサFC戦

②台中ブルーホエールWFC戦

③ホーチミンシティ戦

まず目を引くのが、３戦ともゴールキーパーを変えてきたという点です。
現在は池田選手が主戦で、福田選手がたまに出る程度（池田選手がケガしていた時は、福田選手が主戦だった）でした。
伊能選手については、私は試合で見たことがありませんでした（２０２２年にWEリーグデビューしています）。
現在の序列順に起用した感じではありますが、この３試合は徐々に相手のレベルが上がっていくような感じだったので、ほとんど試合に出ていない伊能選手を３戦目に起用した楠瀬監督の采配は素晴らしかったと思います。
伊能選手もコーナーキックのハイボールの目測を見誤った時がありましたが、それ以外は大変安定した内容だったと思います。

次に、不動のメンバーの存在です。
３戦とも先発で出場したのが、塩越選手、伊藤選手、柴田選手、遠藤選手の４名。
この選手たちは現在のレディースの主力中の主力ということで、まずはスタメンで使っていつ休ませるかという調整だったと思います。
実際、塩越選手、伊藤選手は1・2戦目で途中交代していますし、逆に２戦目までフル出場中だった柴田選手と遠藤選手を３戦目の６０分という比較的早い段階で交代させました（５０分に追加点を取ったというのが大きいかもしれない）。
日本に帰ればリーグ戦が待っていますし、主力級の選手が多く離脱している現状を踏まえると、何があっても対応できる選手層を持つことは非常に大事だなと。
不動メンバーの次を育てるという意味でも、良い３連戦になったと思います。

また、ポリバレントな選手が多いのも特徴です。
最たる例は伊藤選手で、中盤ならどこでもそつなくやっている感じですね。
１戦目はボランチ、２戦目以降は右WGで先発し、試合中にメンバー交代に応じて様々なポジションでプレーしていました。
昨シーズンまでは左WGが主戦で、その印象がかなり強い（水谷選手、栗島選手とのコンビネーションが光ってた）のですが、水谷選手の負傷や清家選手の移籍などで、右WGも試してみようという感じでしょうか。
同じポジションには藤崎選手というニューヒロインがいるのですが、伊藤選手を右、藤崎選手を左にすることで、藤崎選手の良さが活きるような気がしました。
他にも、栗島選手やFW登録の西尾選手がSBを務めたり、角田選手も中盤ならどこでもプレーしています。
思い返せば、安藤選手はCBでプレーしていましたし、高橋選手はFWでプレーすることもありました。
特化型の選手ももちろん必要ですが、ポジションに融通の利く選手もまた重宝されると思います。

２０日のスタメンは？

これでAWCLはひとまず区切りで、来週からは再びリーグ戦が再開されます。
気になるスタメン予想ですが、もう答えは出ていると思います。
ずばりこちら。

３戦目のホーチミンシティ戦のスタメンですね（GKが伊能選手→池田選手）。
今期の懸案の一つが左SBだったのですが、岡村選手がしっかりフィットしていたと思います。
２戦目の秋本選手も、ユース所属とはいえ、良いプレーを見せていたと思います。
水谷選手が復帰するまでは、この２人で乗り切れるのではないかと思います。
逆にベンチメンバーは激戦です。
今期はトップチーム登録が２３人と少ない中で、安藤選手、猶本選手、水谷選手、高橋選手、菅澤選手と５人もの選手が長期離脱中。
菅澤選手は復帰間近らしいですが、無理はさせないでしょう。
ユース所属の選手を含め、誰にでもチャンスはあると思いますし、逆にこのメンバーで戦い抜けるだけのポテンシャルを秘めていると思います。
２０日のリーグ戦が楽しみですね。
まずは、気をつけて帰ってきてください。