【イップスからの復活】1試合6エラーした男が県内1の守備職人になるまで
ぼくは高校時代、軟式野球部に所属していました。
部員数が少ないこともあり1年生の時からベンチ入りし、3年生が引退するとすぐセンターのレギュラーに。
順風満帆な高校野球生活を送っていました。
そんな野球生活も束の間。春の大会で1試合6エラーという、とんでもない失敗を記録してしまいます。
そこからイップスになり、しばらくまともにボールを投げられない状態に...
しかし、ちょっとしたきっかけでイップスが解決し、あれよあれよと県内1の守備職人にまで上り詰めました。
今回はイップスから復活したぼくの話をお伝えしていきます。
野球だけでなく、何かに悩みを抱えているあなたへヒントを与えられるような内容になっています。
器用さが招いた地獄の6エラー
はじめはセンターでレギュラーになったのですが、チーム事情でサードへコンバート(ポジション変更のこと)。
自分でいうのもおこがましいですが、ぼくはそこそこ器用なので難なくサードをこなせていたのです。
練習でもこれといったミスもせず、試合でもそこそこいい守備をしていたと思います。「パッと捕ってピュッと投げる」感覚でやっていました。
しかし、この「感覚でこなせていた」というのが大きな大きな落とし穴に。
いよいよ春の大会。ぼくは2番サードで出場しました。
1回裏、ぼくのもとに打球が飛んできます。
なんでもないイージーなサードゴロだったので、いつも通り「パッと捕ってピュッと投げる」感じで処理しようとすると、お手本のようなミスをしました。ボールを取り損ねて後ろへそらしてしまいます。
ここから感覚が狂ってしまいます。
まず打球が飛んできても捕れない。捕れたとしても大暴投。
感覚に頼っていたせいで、修正もできない。
結局ぼくはその試合で7回打球が飛んできて、6回エラーするというビックリ記録を生み出したのです。
それ以降は基礎練習から徹底的にやり直しましたが改善は見られません。
打球が捕れない、捕れたとしてもまともな送球ができないという完全なイップスに陥りました。
解決のきっかけをくれたこと
まともに守備ができないまま、数カ月が経過。レギュラーも白紙になり、どうしようかと試行錯誤していました。
しかしある日、練習を見に来ていた2つ上の先輩から以下の助言をいただき、イップスが解決。
「お前センターに戻れば?環境変えてみるのは大事やぞ」
この言葉で、脳内のモヤモヤがすっきりと晴れていくような感じがしました。
ぼくは「サード」という環境で上手になる必要があると考えていましたが、「サード」にこだわる必要はないと気づいたのです。
改めて考えると6エラーした時とはチーム事情も変わり、ぼくがサードにいる必要はなくなっていました。自分のことにいっぱいいっぱいでそこまで頭が回っていなかったのでしょう。
助言をいただいた次の日、ぼくは監督に直訴して本職であるセンターに再コンバートさせてもらったのです。
すると、劇的な変化が見られました。
とんでもなく向上した守備力
センターにコンバートしてみると、かつて守っていた時よりも格段に動きが良くなっています。
理由は簡単で、サードでの経験が活きているということ。
サードとセンターでは求められる能力は異なりますが、守備の基本は同じ「捕って、投げて、アウトにする・得点を防ぐ」です。
基本的に内野手は外野手よりも確実で正確なプレーを求められます。
外野手は少々雑でも広い範囲をカバーする必要があります。
ぼくは内野を経験し、イップスに陥ったことで確実性をあげるための基礎練習を繰り返しました。
基礎練習が功を奏し、確実で正確なプレーを外野守備で発揮できていたのです。
確実に打球を見極め、広範囲を走り回り、正確な送球でピンチの芽を摘むという理想的な外野守備ができていました。
イップスになっていた捕球と送球もなんなく解決。
おそらくサードという環境で、守備をすることがイップスの原因になっていたため、環境をセンターに変えることでイップスの原因がなくなったのだと思います。
コンバートしたことでイップスがなくなっただけでなく、監督から直々に「お前のセンターは県で1番ちゃうか」とお墨付きをいただくほどの守備ができるようになりました。
まとめ|解決にはいろんな道がある
サードからセンターに環境を変えただけで、これほどに成功をおさめられたのは、自分にとってうれしい誤算でした。
苦しんだ環境で得たものは、次の環境で活きるというのも良い発見です。
ぼくはイップスを乗り越えたわけではないですが、イップスを解決はできたと言ってよいでしょう。
「道はひとつではない、環境を変えてみろ」ということに気づかせてくれた先輩には感謝しかありません。
今、野球に限らず何かしら悩みを抱えているなら、少しだけ環境を変えてみませんか?もちろん変えられる範囲で構いません。
少しだけ環境を変えてみると、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。