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【神決定戦TOP16】バードレジェンズ調整録【1・2・3バード】
パイオニアで「バード・レジェンズ」を初めて使った約1年と少し前、こんなに簡単に勝てるデッキが存在するのかと感動したのを覚えています。
最初の記事の当時は探検と吸血鬼の環境でしたが、握り始めた当初の環境はラクドスミッドレンジとイゼットフェニックスの2強で、エンチャントを簡単に対処できない彼らに対して2ターン目に《バード・クラス/Bard Class》を出して殴るだけで勝利。カードがなくなったら、レベル3にして、デッキの中のカードをあらかた0マナで唱えてフィニッシュ。
《思考囲い/Thoughtseize》や《呪文貫き/Spell Pierce》を撃たれたら負け。
この世にこんなにプレイングが簡単なデッキもないと思いました。
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しかし、他のすべてのデッキと同じように、バードレジェンズも6割うまく使えるプレイングまで行くのは簡単でも、9割使えている状態までもっていくのは意外と難しいことも判明しました。対戦相手にとって対処すべき最大の脅威となっているカードは明白で、サイド後撃たれる《思考囲い/Thoughtseize》や《邪悪を打ち砕く/Destroy Evil》に対する対策を《バード・クラス/Bard Class》と一緒に引いてこなければなりませんし、毎回《バード・クラス/Bard Class》を引くまでマリガンし続けるわけにもいかないので、基本的にはささやかな効果を持った小さな伝説たちの力で戦う必要があります。
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チャンピオンズ・カップ・ファイナルまでバードレジェンズを持ち込んで気づいた最大の弱点は、1ゲーム、1マッチを圧勝することは容易でも、長いスイスラウンドを勝ち切るのはとても難しいデッキだという事実です。
デッキの全体枚数の半分以上に「伝説」パーマネントを入れたいバード・レジェンズには、デッキを安定させるためのパーツやアドバンテージリソースが慢性的に不足しています。
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いかにイゼット・フェニックスやラクドス・ミッドレンジに有利とはいえ、バード・レジェンズ側は《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》や《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》、《宝船の巡航/Treasure Cruise》のような継続的にカードが増えていくリソースを持っていません。
ロングゲームで手札を補充して優位を確定させていく戦い方を苦手としていて、ちょっと有利なうちに一刻も早く押し切らないと、もう選択肢が限られているのがばれてしまいます。「最近出てきた新しいデッキ」とされるデッキにも、たいていこうしたデッキを回すカードが入っていて、それらこそが長いラウンドでデッキを回しきる原動力となっています。
なおかつ《バード・クラス/Bard Class》というカードは、戦場に一枚しか出せないというデメリット持ちの伝説のカードが手札でかぶって出せないことがないように、1枚投入を暗に推奨しています。シルバーバレットできるサーチ・カードがあるわけでもないので、単に強いカードを4枚入れられないという形になってしまい、出てくるカードが枚数の関係で安定しないというのも、安定性の低さに直結します。
この不安定なミッドレンジデッキは、1ゲームでぶっ飛んだ動きをするのは簡単でも、3-0ラインや、あんまりにぎやかでない争奪戦などの大会で優勝するのが限界値。筆者自身もまた、このデッキを使って3ー0ラインや小さな大会での優勝を限界値として負けてきたプレイヤーの一人でした。
そんな中で、筆者が今回神決定戦のTop16に入ることができたという事実はは我ながら驚嘆に値します。バード・レジェンズはついに自身のもっている限界を超えたといっても過言ではありません。小さな伝説たちはこの時世界で初めて、長いラウンドの大会を勝ち切ることができました。
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しかも彼らは他のどんなデッキよりひときわ輝いていた最後の砦《湧き出る源、ジェガンサ/Jegantha, the Wellspring》を前回の禁止改定によって失っています。
ロングレンジを戦う最後の砦であり、マナを伸ばして土地を置き続ける理由となっていた伝説1枚の喪失はデッキとして軽視できない弱体化です。
そしてダスクモーン期にほとんど強化を得られず、新たなエンチャント対策カードがたくさん印刷されたのも向かい風。他のデッキは少しづつ強くなり、バード・レジェンズは弱くなっているかもしれません。
それでもなお、彼らををまだ見ぬ地平へと連れて行った要素とはなんだったのか。限界があるデッキなのに、最初に握った時のときめきが続いているのはなぜなのか。バード・レジェンズが再び強力になるためのデッキ史上最大の革命はゆっくりと進んでいました。
デッキリスト
1マナクリーチャーの価値の激変
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CCFまでの結論構築と見比べてみると、今回持ち込んだリストの特徴は明らかです。かつて少し試してめちゃくちゃ弱いと判断した2枚、《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》、《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》、そして強さは理解していたもののかつてデッキから抜けた《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》を各複数枚投入しています。
バード・レジェンズは本来、手札で複数枚クリーチャーを抱え込むと展開できない関係上、結構強くてもクリーチャーはピン挿しするのが普通。
にもかかわらず、複数枚投入されているこれらは3枚とも、単体で見てみるとめちゃくちゃに弱いカードです。
弱いのも当たり前、何と令和にもなって、この3枚のクリーチャーのうち2枚に「ブロックできない」というデメリットが存在します。
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特に生まれてきた時代が悪かった《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》は防御的に動きたいラクドス果敢全盛の時代に「ブロックできない」という絶望的なデメリットを持って生まれてきて、一瞬試して即抜きされてしまいます。
しかし、現在は2投。出すことに何の裏目もないカードが当たり前の世の中なのに、本来できるはずのことができないチキン野郎をなぜデッキに入れなければならないのでしょうか…
そもそも、1ターン目にパワー2が出てきたから強い、みたいな古式ゆかしいマジックは現在のパイオニアで通用していません。それなのに、赤い伝説たちの小さな村では、これまで、1マナのパワー2のクリーチャーはすべて「ブロックできない」と書かれているのが当たり前でした。しかし、彼ら2枚の評価は、《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》の登場によって激変します。
《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》
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強そうな起動型能力がたくさん書いてありますが、一番強いのは「ブロックできない」と書いていないところです。
1マナにして2つの効果を持っていますが、必ず上の効果を先に起動してから下の効果を起動しなければならないうえ、なんと言っても1つ目の能力、2マナの衝動ドロー能力が弱すぎます。ゲーム序盤の2マナはあまりにも重く、2ターン目にマナを払って衝動ドローしたところであたりと言えそうなカードはほとんどありません。2マナ払ってスタッツが上がらないのもポイントで、今ここでプッシュを撃ってくださいと言わんばかりです。
3つ目の効果の起動まで辿り着き、2段攻撃を付与したところでタフネスが2しかないのであらゆる除去に当たって倒されてしまい、あまり脅威度が上がりません。こいつの効果自体はそんなに強くないです。
強いシチュエーションがイメージしやすい《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》に比べて、このカードでしか突破できないシチュエーションはほとんどありません。一番強そうで華やかな見た目をしていながら全然強くなく、除去を吸ってもらうポジションがかなり安定しています。マッチアップによっては、むしろこの3枚の中で一番弱いのではないかと思われます。
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とはいえ、他に今後の展開にとって重要なクリーチャーが並んでいて、さぁこの愛すべき主人公ケランに除去を撃ってくださいと言いたい展開は少なくありません。
逆に言うと、対戦相手はだいたいのシチュエーションで、欲深く効果の起動のタイミングを狙って来てくれます。ケランは調子に乗ってどこかで自身のレベル3を起動してしまいますが、それで殺される頃には、マナコスト分以上のダメージを稼いでくれているはず。
性能はどうあれ、本体や効果は別に強くないものの、この革命的な「ブロックできる天才1マナクリーチャー」の登場は、バード・レジェンズの最大の限界を超えました。
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《バード・クラス/Bard Class》が強くて派手なアクションができるカードだと言っても、1ターン目にアクションがなく、2ターン目にバード・クラスを置いたとしたら動き出すのは3ターン目。キルできるのは4ターンが最速です。これは、決してパイオニア環境で早い方ではありません。それまでにダメージを食らっていて、もし4ターン目にレベル3まで行かなかった場合にかなり守勢に回ってしまいます。その時にブロッカーは生きるし、1ターン目にパワー2が出ている場合、攻めながら2マナのアクションを置くことだってできるはず。
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さらに、この3種類目の1マナの伝説のクリーチャーの登場は、1ターン目に1マナのクリーチャーを出せるのみならず、《モックス・アンバー/Mox Amber》を絡めて初手から1マナのクリーチャーを2体出すというアタルカレッドと真正面から殴り合える爆速アクションを可能にしました。
ケラン自体は特に強くありませんが、1ターン目のクリーチャー2体出しを実現するために3種類目の1マナクリーチャーの登場は不可欠です。
もしズルゴとノリンをそれぞれ4枚投入したとしても彼らは伝説であるため、同名で並べることができず、初手モックスからズルゴ→ノリンという動きができる確率はわずか3.23%にとどまります。ところがこれが3種類になると、現在の3枚、2枚、2枚という枚数でも1ターン目からパワー2のクリーチャーが2体並ぶ確率は7.2%まで跳ね上がります。総枚数が減ってるのに倍以上!これはおおむね、マリガン含めて5マッチやったら大体一回はできる動きと考えられます。
このデッキにとって、2種類だったカードが3種類になっているのは極めて大きいです。
同じような効果のカードが2種類あればデッキになる、と言われます。しかし同名カードを戦場に並べることができない伝説持ちばかりのデッキがこの戦術を取るには、おなじ種類のクリーチャーが3枚必要でした。
MTGAはなんと言っても回数を稼ぐことができます。これは試行回数を重ねやすいMTGAに、ファウンデーションとパイオニア・マスターズが同時にやってきたことで産み出された究極の形でした。1ターン目にでてきたパワー2、それも2体をだからなんなん?と言えるデッキは一体どれだけあるのでしょうか。クロックを立てながらモックスアンバーからマナを出すきっかけを作れるだけで強かったのに、それが1ターンに2体も出てきて、2ターン目には1アクション+1マナで除去を構えられます。
《バード・クラス/Bard Class》だと思ってこれを対策しに来た《強迫/Duress》や青マナを立てて《呪文貫き/Spell Pierce》などのアクションを、1マナのクリーチャーたちでぺちぺち殴って裏目にすることが可能です。エンチャ対策を腐らせるまで行かなくとも、なんか殴っていたら間に合うシチュエーションは飛躍的に増えました。
そして、ズルゴとノリンを戻してみると不思議なことに、彼らは彼ら自身で、それぞれの弱点を補いあう効果を持っていました。
《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》。
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かれは、パワー2以上のブロックしたら死ぬクリーチャーをブロックできないデメリット能力と、「疾駆」という、2マナでキャストすることにより速攻とターン終了時に手札に戻る、という二つの効果を得る能力を持っています。《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》を見てからというもの頭がおかしくなってしまった私たちにはめちゃめちゃな弱さのカードに見えることでしょう。
しかし何と言ってもポイントは疾駆によって速攻を持っているところ。この速攻パワー2のクリーチャーが手札で必要ないシチュエーションはほとんどありません。ソーサリー・タイミングの除去が当たらないため、ケランと違って場持ちがよく、継戦能力に優れています。
耐えられないパワー1以上のクリーチャーとの勝てない戦闘は挑まない姑息な彼ですが、疾駆を持っているのでみんなで殴って集団攻撃を仕掛けることができたり,《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》からの大量のカードを引いたり、何度もバード・クラスのレベル3を誘発させたり出来ます。疾駆すればずっとハンドのカードとしてゲームに絡み続けることができますが、1ターン目に地上に取り残された彼はゲームが後半に差し掛かると序盤に持っていた存在感を失います。こっそりと目立たないようにしているところも非常に地味な人生を送るズルゴらしく、コラガンの非常食であり奴隷として、臆病でなおかつ相手によっては傲慢にふるまえるところを表現した、フレーバー的にもよくできた1枚です。ケランと違ってタフネスが2あるので、《錠前破りのいたずら屋/Picklock Prankster》にビビることなく殴りに行けるのもポイントです。一見通らないんですが、気まぐれにパワーが上がることもあるかもしれません。
このカードは、後半引いてもそこそこ腐らない代わりに即効性がない《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》の弱点をしっかりと補っています。
《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》
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ズルゴよりもさらに臆病で、絶対に何が起きてもブロックできないノリンですが、こいつも並べて殴っているときには意外と効果を発揮します。
彼が持っているのは殴っているときにブロックされたクリーチャーを、ダメージ解決前に追放してまた唱えてもよいという戦場全体に影響があるルール能力。ブリンクじゃないんだ…とがっかりされる方もいるかもしれません…
ですが、追放して唱えられるクリーチャーが0マナであることが多いこのデッキにおいては、《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》、《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス/Valgavoth, Terror Eater》などのブロックされたらダメージレースが壊れてしまうクリーチャーから逃げまわり、ダメージを安全に通してリーサルに入れてくれます。これは、特にやることがない時に反復横跳びしてごまかすのにも最適。
《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》は再びマナを出すことができ、《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》の集団攻撃はブロックされても一度追放してリキャストすることで、次のターンにもう一度誘発させることができます。
序盤にキャストした《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》や《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》は彼によって、最後まで雑に顔面をたたき続ける鉄砲玉と化し、相手がこちらの意図通りにブロックするまで殴り続けることができます。
最も強力なのは序盤に出した《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》を疾駆でリキャストする動き。再び手札に《絶滅の契機/Extinction Event》《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》で流されない速攻持ちのクリーチャーを重ねることができます。ケランも通るまで殴り続けて、また逃げると思ったらダブルストライクを付けて…と都合よく動かし続けることができます。
臆病者ながら、この3人のムードメーカーを立派につとめ上げていて偉いです。
相手が適当にプレイしているMTGアリーナでは、リソースがないところからこともなげにレベル3に上げて空殴りして、手なりでブロックされ、そこから逃げられるとレベル3が誘発して一気にまくれたりします。
全くブロックすることができないのですが、よくよく考えるとパワー1以上はブロックできないズルゴとそこまで変わらず、彼もまた通常キャストしたズルゴと同じくゲーム後半は存在感を失ってしまいます。しかし、ズルゴとは違ってそこにいるだけで相手のプレイが結構難しくなるのもポイント。どうせブロックできないので大事なところまで放置され続けることが多く、鋭い自衛本能と危険に対する強い嗅覚で生き延びていき、意外と最後はみんなで殴ってフィニッシュブローに絡んでいきます。
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ケラン、ノリン、ズルゴ。メインは現代バード・レジェンズの最強アクション「1ターン目にクリーチャー2体」を決めにかかる構成になっているものの、サイド後はこの3枚の伝説のクリーチャー「どれが一番弱いのか」という愉快で低レベルな戦いが勃発します。
イゼット・フェニックスなどの除去がたくさんあって消耗戦に陥りづらいデッキに対しては、どうせやられるし相手が飛んでいるからブロックもできないただの2/1《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》が一番弱いです。一方、アゾリウスコントロール相手だと並べる前提の《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》が弱く、タフネス3が多いデッキに対しては《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》が弱くなってしまいます。
とはいえ、メインのゲームはお互い、自分の動きができればまぁいいか、とキープするものなので、1ターン目に出し得でテンポは取り得。下手に重くて強いクリーチャーをたくさん入れるときよりも、ゲーム全体としては勝率が上がっています。
さらに、1マナで軽く展開できるクリーチャーが増えるということは、魂力土地が強く使えるということです。
《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》4枚投入
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通常のデッキであれば1枚か0枚になりがちな最弱の魂力ランド、《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》は、ここに来て狂気の4枚投入となっています。
1マナのクリーチャーが並べやすいこの構築における《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》は基本的に1マナで魂力できるため異常に強く、速攻のクリーチャーが打ち消されずに1マナで2体出てくるという《急報/Raise the Alarm》越えのバグカード。あまりの強さに序盤であろうと置くことを躊躇するレベルの、デッキ最強のアタッカーです。
というわけで、《バード・クラス/Bard Class》が引けなかったらとにかく軽く早く戦いきることによって持久力のなさをごまかそう!というスタイルに入れ替え。衝撃的で鮮烈なアクションが追加されて、明らかにゲームスピードが速くなりました。
サイドからは加速するカードとして《アタルカの命令/Atarka's Command》も投入。
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ディミーアエンチャントやイゼットフェニックスなどのゲームが長くなると苦しい相手に対してはこのカードが効きます。《萎縮させる責め苦/Withering Torment》や《無効/Annul》をサイドインしてきた小学生を泣かせましょう!うまく使えば1枚で10点近くのダメージを叩き込めるこのカードですが、いきなり到達を付けて飛行をはじける能力も見逃せません。
そして、先に1マナのクリーチャーが戦場に出ている状況が当たり前になり、2マナのクリーチャーを出すことによって3ターン目に《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》を1マナで魂力できる状況となると、これまでの2マナ域の評価も大きく変わってきます。
2マナ域の評価の変化
《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》【評価UP】
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《バード・クラス/Bard Class》と同時に「フォーゴトン・レルム探訪」で登場した古豪、《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》は1マナ域3種類の追加によって大きく評価を上げました。出た次のターンには手札から速攻持ちのクリーチャーを出して、全体+1/0の修正を込めて無慈悲な一撃を叩きつけてくれます。この集団攻撃の修正は、おおむね2回誘発出来たらゲームに勝てると考えてください。
現在のバード・レジェンズの最強の動きは1ターン目に《モックス・アンバー/Mox Amber》から《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》、《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》
2ターン目《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》。と何かの除去。
3ターン目は
《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》
《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》
《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》
でトータル21点叩きこむというものです。
もはやこの動きができると、最強の動きに《バード・クラス/Bard Class》は絡んできません。さすが古豪です。《バード・クラス/Bard Class》と並ぶ力を持っています。クリーチャーで先に殴ったほうが確実に勝利できる、先行有利のいにしえマジックを叩き込みましょう。
《終わりなき踊りのガリア/Gallia of the Endless Dance》【評価UP】
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みんなで殴って雑にランダムディスカード!最初期からいる彼女も、事前にクリーチャーが出ているのであれば誘発のさせやすさが全然違います。ランダムとはいえ、1枚捨てて2枚引いているのだから実質《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》超えといっても過言ではありません。正直なところ、今のところ唱えて強くなかったのだから、どうせ大したものは持っていません。今使ってないものはいらないと信じ、バンバン捨ててしまいましょう。彼女の誘発は彼女自身が殴らなくても《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》のトークンやノリンのバックアップで誘発できるのもポイントで、ダメージが通らなくても誘発出来る点が《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》との大きな差別点。もちろん両方誘発出来たら言うことはありません。勝ちです。
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《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》【評価DOWN】
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《モックス・アンバー/Mox Amber》でもある0マナ4/5速攻。バード・レジェンズを1段階上に引き上げた彼女ですが、最近は若干評価を落としています。素のパワーは1しかないので《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》の殴りプランでぶちのめすのには寄与していませんし、4枚投入して《バード・クラス/Bard Class》がない時に複数枚手札にやってくるとなんだかんだ負け筋につながってしまいます。この構築だと、パワー4を筋の状態で達成しているクリーチャーがいないので小さいままなのもマイナスポイント。デッキ全体が軽いので、役割を終えるのも早くなっています。それでもとっても強いのですが、いくら強くても、一人だけたくさん働かせるのはかわいそうというもの。
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ストーリー上でルビーとケランは結託してアガサを倒すのですが、この3枚のシナジーは最高で、ルビーがいるとケランの能力を軽めに起動させることができます。なんちゃってスカウトであるルビーがケランの能力を《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》で持つと6/5ダブルストライクとなりなかなか強いので、覚えておいて損はありません。
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《ギシャスの初子、イツキンス/Itzquinth, Firstborn of Gishath》【評価UP】
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2点のダメージを与える能力は強いものの1枚でいいかな、という存在だったものの、完全除去まで行かずともダメージを少し与えることによって相討ちに持ち込むことが可能に。パワー2の速攻であることも相まって2枚採用に。
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《ロケッティアの隊長、レッドシフト/Redshift, Rocketeer Chief》【評価DOWN】
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わたしたちの暴走族神《ロケッティアの隊長、レッドシフト/Redshift, Rocketeer Chief》ですが、とりあえず1枚。《バード・クラス/Bard Class》レベル2にして隊長が生き延びれば勝つことができる!と大いに期待された彼でしたが、《バード・クラス/Bard Class》があれば強いのはみんなと一緒で弱すぎず強すぎないカードというところになじんでいます。他のみんなと同じくバード・クラスがないとその速度を生かすことができず,4ターン目バード・クラスのレベル3を解放するためのこのカードは、やっぱり単体でバード・レジェンズの限界点を超えるためのカードではありません。
とはいえ背中にロケットを括り付けて生き延びて翌日を迎えられた唯一のゴブリンというフレーバーは秀逸で、もし翌日を迎えられた暁には大変な強さを見せつけてくれます。殴りながら数多の能力を起動することができるというのもポイントですし、0マナの種類が増えるのはこのデッキにとって純粋な強化。
彼が出せるのは起動型能力にしか使えないマナというのがポイントで、起動型能力を持っているのは押しなべて速攻を持っていないレジェンドたちです。速攻が優先されがちな《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》推しの戦術には噛み合っているようないないような絶妙な調整です。
理想ルートを辿れば強いのは確実ですが,バード・クラスに対処する手段が増えるサイド後は抜く対象になりえます。とはいえ、瞬間的にでも手札を補充する方法さえあれば、このカードが2-3枚入る構築もありうる強力なカードです。一緒に翌日を迎えましょう。
《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》【評価UP】
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どちらかというと、《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》のゲームに与える影響力が上がったことが挙げられるでしょうか。速攻のクリーチャーに土地が2枚しかない状況なのに5マナをひねり出してレベル3にたどり着ける動き、に気が付くことができず、これを教訓としてリーサルクイズを作り出しました。
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やはり相手だけゲームが難しくなるふんわり墓地対策カードなので、メインから強力。鍔競り合いを1枚で制してくれます。あるだけで有利になるし、《ロケッティアの隊長、レッドシフト/Redshift, Rocketeer Chief》や本人との相性は最高。サイド後もほとんど抜くことはありません。
《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》【評価UP】
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バード・レジェンズの名手であるfenu氏のお気に入りカード。《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》とこの世で最も相性のいいカードの一つです。
実はこの「1.2.3バード」と呼ばれるデッキの原型を作ったのはfenu氏で、彼こそが一番最初に《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》を複数枚投入した人物です。残念ながら、筆者はデッキ史上最大の革命を起こすことができませんでした。
そのころ筆者が気に入っていたのはヨーリオン・バード。強いけどぶれが大きいデッキで、ダスク・モーン期はともかく、ファウンデーション期に入ってからほとんど筆者は使用しませんでした。《忌まわしい守護獣、ハグス/Hugs, Grisly Guardian》や《落星の学者、ロクサーヌ/Roxanne, Starfall Savant》も楽しいとはいえ、ゲーム序盤に死ぬことが多く、今のメタゲームだと単純に早いデッキの方が強いのではないか、と思って再び60枚に戻そうかなあ、と思っていたタイミングでした。
うおおお3日でミシック!これは速かった!
— ふぇぬ🌻 (@fenuo) January 3, 2025
アンバーで1T目2体出し→2T目3マナアクションが決まると相当強かった上結構ある🐱 pic.twitter.com/CDA9hbUX3B
現状最も美しい型であり,限りなく完成形に近いバード・レジェンズ。fenu氏が今年に入ってから提示したこのリストを見て、ただ直観的に、美しい、と感じました。筆者は本来この《バード・クラス/Bard Class》を使ったデッキの最も美しいテンプレートを求めて模索してきていました。完全にこれです。よもやよもや、この弱そうなカードを複数枚投入する最高の構成を先に思いつかれるとは。
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そんなfenu氏が複数枚投入している鮮烈な《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》ですが、筆者はだぶついた時のテンポの悪さや、強力だと感じるターンの短さ、幅の狭さから《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》を優先すべきだと考えています。ですが、2枚差しも肯定しますし、2枚は2枚で強いとは思っています。
バード・レジェンズはおおらかなデッキなので、さえあれば様々なスタイルを許容してくれますし、《バード・クラス/Bard Class》さえあれば1ミスくらいはしてもデッキが余裕をもって勝たせてくれます。なお、《バード・クラス/Bard Class》がなければ1ミスも許されないし、ノーミスでも普通に負けます。ご了承ください。NUM-AMI-DABUTZ。
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》【評価DOWN】
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0マナの《ウルヴェンワルドのビヒモス/Ulvenwald Behemoth》である全体速攻・トランプル付与の《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》ですがスタッツが小さく素殴りプランに寄与しないことと、全体速攻・トランプル付与まで行かなくてもそれまでに相手の顔面が崩壊していることが多いことなどから最近は評価が下がってしまっています。筆者としては、紙ではしっかりと最後までレベル3を回したら行ったら確実に死ぬというところを見せつける必要があると思っているため1枚は投入していますが、アリーナではなくても構わないパーツになりかけています。
筆者としては、《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》が入るデッキであれば入れ得で、彼女が必要なタイミングは今も存在しているし、1枚は必須のカードと考えていますが入れない側の意見も組んでいます。確かに、サイド以降よく抜けるカードではあるかも。
環境に合わせて評価が上がったり下がったりしようとも、基本的に0マナでキャストできる赤緑の伝説は0になることはありません。ここまで見てきて分かった通り、これらのカードはみんな単体でものすごく強い性能を持っているわけではありません。マジックの強いカードというのは基本的に複数枚投入して、複数枚並べられるもの。
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私たちの英雄、《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》と同時期に出た《雄叫ぶゴブリン/Battle Cry Goblin》のどちらが強力なのかは、少しマジックをかじったひとなら誰でもわかるはず。《雄叫ぶゴブリン/Battle Cry Goblin》はゲーム後半に自身で「集団攻撃」を付与できるうえにこれ自身を複数枚並べることができるため、迷わず4投入されます。しかし、《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》は速攻を持っていないですし、2/2なので自身の4マナの能力を起動しても「集団攻撃」の誘発条件であるパワー6以上に届くことはありません。
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《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》と《永劫の好奇心/Enduring Curiosity》はどうでしょうか。
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これも明らかです。1マナ重いものの、瞬速という能力はとてつもなく強力で、一番都合のいい時に戦場に出てきます。戦闘ダメージを与えたときのドロー能力も明らかに《永劫の好奇心/Enduring Curiosity》の方が誘発が簡単ですし、サイズだって圧倒的で、除去体制までついています。
《ギシャスの初子、イツキンス/Itzquinth, Firstborn of Gishath》と《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》は?《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》と《内なる空の管理人/Warden of the Inner Sky》を比べたらどうなるでしょうか?本当は彼らよりも強力なクリーチャーがマジックの世界にはたくさんいるし、それはどんどん更新されます。パイオニアで一線級のクリーチャーはほとんどスタンダードと同じ。パイオニアはスタンダードのクリーチャーの性能を最大限引き出すためのフォーマットです。
時間は有限なのに、私たちはすぐに新しいカードや珍しいデッキが持つ魔力に夢中になって、今持っているカードを使い切ることなくクローゼットの端に貯めこんでしまっています。置物はともかく、クリーチャーはすぐにアップデートされて、絶対的にカードゲームはインフレを繰り返します。昔は何千円もした、元々強かったカードの数々。
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そんな環境だからこそ、バード・レジェンズという小さな機械は魅力があります。ルビーとイツキンス、ガリアとターグ・ナール。赤緑の0マナで唱えられる、スタンダードで一度も輝くことのなかった、一度たりとも1000円になったことのない小さな伝説たちは、《バード・クラス/Bard Class》というカードがある限り絶対に離れ離れになることはありません。
マナ軽減とアドバンテージ、盤面強化が一つになった異常なカードのもと、誰かの手のひらの中で輝き続けることができます。(赤)(緑)という特別なマナコストをカードの右側に輝かせる彼らは世界の空気にふれた瞬間にその存在を祝福されていて、賑やかな音楽に喜んで盤面に集まってきてくれます。
おそらく、《永劫の好奇心/Enduring Curiosity》や《雄叫ぶゴブリン/Battle Cry Goblin》《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》よりも強いカードはこれからも印刷されることでしょう。ですが、これらがすべて一つのデッキに入ることはおそらくなく、すべてが少しづついるから魅力的に映るのだと考えています。
《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》よりも優れたクリーチャーがいても、着地と同時に《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》の集団攻撃を誘発させられるのは《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》だけです。彼らはみんな、集まって殴る前提でデザインされていて、作られた時点で1体ではどこかが欠けています。少しずつ足りないお互いのスペックを、集まることによって支えあってデッキを構成しています。
最後のデッキのスロットは、私たちののんびりした神さま、《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》さまをお迎えしました。
《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》【評価UP】
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全体的にデッキが軽く、小さくなっているので、大きいクリーチャーが出てきてギリギリ殴りきれそうもない時にこの構築だと苦戦します。
ここで《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》なら相手が除去を使い果たした4~5ターン目に最大の脅威として強引に突破できるはず。このデッキのアンズラグ様は、マナ加速から3ターン目にキャストするよりも真面目に土地を伸ばして出した方が強いです。
結局、1枚くらいは重めのクリーチャーを入れたほうが勝率が安定すると考えています。この枠は、
全員に速攻を付与し、レベル3下で結論となる《造反の代弁者、サムト/Samut, Voice of Dissent》
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白いデッキ相手に無類の強さを誇る《落星の学者、ロクサーヌ/Roxanne, Starfall Savant》
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単体で《バード・クラス/Bard Class》レベル3となる《忌まわしい守護獣、ハグス/Hugs, Grisly Guardian》
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どれでも構いませんが、やはりパワー8あればたいていは通してくれるという特大のクロック、4あるタフネス、シェオルドレッドと相討ちが取れるスペックなどの環境に対して必要な全てをそろえていたアンズラグ様を選びました。
このクリーチャーは、かつてのヨーリオン・バードですら採用されない程度には評価が下がってしまっていました。しかし、現在の軽い構築での引いた時の嬉しさは無類であり、デッキ内部と環境の変化により、再び評価が上昇しました。仮に少しデッキを離れてしまっても、何かの機会にみんながいつでも戻ってくるのがバード・レジェンズというデッキ。仲間と結束の大事さを教えてくれるのは、週刊少年ジャンプと《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》の1マナ起動です。
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当日のマッチアップ
G1ジャンドサクリファイス✕〇〇
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初戦、身内当たりするとまけるのだが、よく当たる人。
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》3
土地2
《ギシャスの初子、イツキンス/Itzquinth, Firstborn of Gishath》
《ボーラスの壊乱者、ドムリ/Domri, Anarch of Bolas》
のジャンサクにこれで大丈夫かなあ!という感じの初手でキープ。123ターンとと動けるものの、《ニッサの誓い/Oath of Nissa》を複数枚引いていてテンポが悪く、ゲームの早い段階に猫が出てきてしまった場合にこういうハンドは殴りきれずに苦しいなあ、と思っていたら相手に先に才能、かまどかまど猫と出てきて抗えずに敗北。順当に負け。
サイド
サクリファイス相手はこちらのサイドボードはだいたい刺さる。
in
《毒を選べ/Pick Your Poison》2
《倦怠の宝珠/Torpor Orb》1
《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》1
《除霊用掃除機/Ghost Vacuum》1
《塔の点火/Torch the Tower》1
《チャンドラの敗北/Chandra's Defeat》1
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》1
out
《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》2
《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》3
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》1
《モックス・アンバー/Mox Amber》1
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》1
墓地対はかなり多いので負け筋はだいたい《波乱の悪魔/Mayhem Devil》、タフネス1の軍団を全抜きし、猫は檻と宝珠で止めるイメージ。《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》は一度着地するとかなり延命してくれる。
2戦目
初手に《思考囲い/Thoughtseize》から《バード・クラス/Bard Class》を抜かれ、お互いに除去を抱えながら膠着した末、《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》で食物を消費させ切った結果ようやく《塔の点火/Torch the Tower》を打ち込んで1体目の猫を処理。お互いに決め手がなくなりグダグダになった末に、《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》が刺さって《波乱の悪魔/Mayhem Devil》が着地するもののこちらが先に《バード・クラス/Bard Class》をトップ。翌ターンに勝利。運よく!
3戦目
2ターン目に《バード・クラス/Bard Class》を設置するものの、後攻3ターン目に相手に緑マナが到着し、《突然の衰微/Abrupt Decay》を撃たれてしまう。相手には猫かまどが揃っているものの、《清掃人の才能/Scavenger's Talent》は毒で処理できる。しかし盤面は除去とカウンターが載った生物で制圧できていて、《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》で猫の動きを止めながら殴り続ける。最後はガリアから手札1枚「ランダム」ディスカードした《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》のパワー・タフネス倍能力を《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》で《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》に付与して勝利。
G2ジェスカイコントロール〇〇
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2ターン目、謎の《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》が出てくる。《推理/Deduce》などのカードを集めるカードが連打され、これは次のターンには死ぬんじゃないかと警戒しているものの、死にそうなカードは見えず、受けられ続ける展開になり、盤面的に1/3に止められ続けるものの,そうこうしているうちにバードクラスが着地してめくってめくって勝利。
サイド
in
《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》
《燃えがら蔦/Cindervines》
out
《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》
よくわからないので控えめなサイドボード。《バード・クラス/Bard Class》レベル3で終えられるところを見せつけたので、きっとディッチャが入るだろう読み。サイドボード後も速度的に追い詰めた方が良さそうで、盤面のマッチにならなそうなのであまり入れ替えなかった。
1ターン目からクリーチャーを順々に出してちょっとずつ殴り、さりげなく《燃えがら蔦/Cindervines》を設置。あとで聞いた話ではあるが、《栄光の好機/Chance for Glory》を《最深の紀元、オヘル・パクパテク/Ojer Pakpatiq, Deepest Epoch》で反復するデッキらしい。よくわからないので適当に入れた《燃えがら蔦/Cindervines》がすでに刺さっていて、反復が使えないライフ水準まで追い詰めて勝利。
G3ラクドスミッドタッチケトラモーズ
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マルドゥカラーの謎のデッキ。《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》が着地し、《逸失への恐怖/Fear of Missing Out》で盤面を取られ、《新たな夜明け、ケトラモーズ/Ketramose, the New Dawn》が着地。追放除去を連打され、《消失の詩句/Vanishing verse》を小さなクリーチャーに打たれる。もともと混色のデッキだったので刺さらなかったのだが、こうしてみるとこの小さなクリーチャーたちを推した戦術には《消失の詩句/Vanishing verse》が刺さってしまう。一見《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》は効いていそうで、ライフで追いつめている状況。ゲーム序盤になんとか1アクションで夜にならないようにケアしていたらバードクラスが到着して《新たな夜明け、ケトラモーズ/Ketramose, the New Dawn》が動き出す前に一気に盤面をまくる。
おそらくマルドゥカラーなので、パルヘリオンを幻視して墓地帯多めのサイドボード。
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
《除霊用掃除機/Ghost Vacuum》
《毒を選べ/Pick Your Poison》2
《塔の点火/Torch the Tower》1
out
《ボーラスの壊乱者、ドムリ/Domri, Anarch of Bolas》
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》
《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》
《モックス・アンバー/Mox Amber》
結局パルヘリオンではなかったが、後手であるものの、初手《モックス・アンバー/Mox Amber》絡めて2/1が2体のロケットスタートを決めて、ガリアからクロックを呼びまくって殴り切る。
G4力線赤単
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G1相手おそらくクリーチャーの多そうな緩めのキープ。
初手ノリンから《モックス・アンバー/Mox Amber》で、最初の《心火の英雄/Heartfire Hero》を《塔の点火/Torch the Tower》して、2ターン目に赤単とのマッチアップで決定的な《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》。3ターン目に《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》が到着し、《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》から殴りプランを完遂。
サイド
in
《タミヨウの保管/Tamiyo's Safekeeping》1
《塔の点火/Torch the Tower》2
《チャンドラの敗北/Chandra's Defeat》1
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》1
《魔女跡追いの激情/Witchstalker Frenzy》1
《燃えがら地獄/Cinderclasm》1
out
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》1
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》1
《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》2
《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》1
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》1
《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》1
とにかく除去とライフゲインをたくさん入れて、ちょっとずつ殴って前に進むことを意識。《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》以外のクリーチャーはほぼマスト除去。がんばれ~~~
G2
《ギシャスの初子、イツキンス/Itzquinth, Firstborn of Gishath》《ボーラスの壊乱者、ドムリ/Domri, Anarch of Bolas》などでクリーチャーをうまい事処理し、こちらは7点クロックが完成。こちらはほぼ初期ライフから変わらないまま、相手の土地は3まいで戦場には《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》。前のターンに相手の《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》は素殴りしている。
こちらのハンドには《塔の点火/Torch the Tower》。協約もできる。相手の《祖先の怒り/Ancestral Anger》でライフ半分くらい削れそうだし、ドローされるのやだなあと思ってここで《塔の点火/Torch the Tower》を協約で打ったところ、ここに《立腹/Infuriate》で3/2修正。ドローから《裏の裏まで/Turn Inside Out》を引かれて死亡。8点ダメージを受け入れていれば勝っていそうなゲームだったので後悔。
G3
ファスト×2.バードルビールビーイツキンスサムトでキープ。明らかに強そうだがなんかこういう手札よく負けんだよな〜と思ってたら《バード・クラス/Bard Class》を置いた返しに2キル。
このゲーム自体はしゃーなしだが、2ゲーム目に明白にミスって負けているのでなかなかしんどい展開。
ディミーアバウンス。
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G1
思考囲いを4発撃たれてカワウソに殴られて負け。80枚デッキなのに~~~《思考囲い/Thoughtseize》ゲームにはまってしまう。
試行回数があまり多くないが、めっちゃ強い時と弱い時の差が激しいデッキだと思う。プレイヤースキルによるのかもしれない。
in
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
《燃えがら蔦/Cindervines》
《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》
《毒を選べ/Pick Your Poison》2
《アタルカの命令/Atarka's Command》
out
《モックス・アンバー/Mox Amber》
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》
《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》
《逃げ足速い生存主義者、ノリン/Norin, Swift Survivalist》
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》
《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》
G2 1マリだが2Tにバード・クラスを貼れる。そもそも展開したのが失敗で、《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》・《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》・などの下から数えたほうがいいラインナップで、マナが伸びてレベル3に行けないときつい展開に陥る。展開せずに握っておけばよかったかもな~~
バードはれたがマナが伸びないタイプの負けパターンを辿る。途中こちらに完全体ケラン、嵐追い、ヨーリオンの盤面でハンドには《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》
《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》はこちらにとって脅威だったので、ハジャールを持っておいて《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》と相討ち狙いの判断をしたが,結局ハジャールが隣にいたら通したかもしれん。と後ろで見ていた筆者が勝手に師として崇める人物にいわれ、そうかもと思ってしまう。
個人的には《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》より《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》の方が強く見えていたし。それ以降は4/4のハジャールで止まっていたように見えていたが、除去がないわけもなく、シンプルにうまぶっていたと反省。
というわけでこの時点で3-2。TOP8はなくなってしまいました。これまではいつも4-3で、たいてい筆者はここで負けてしまいます。ここが筆者のいつもの限界点。8はなくてもいいから自分の中で達成感が欲しい。ここからノーミスでやっていけばまだ目があると考えられるので、ここで一度次からミスらないことに目標を心を入れ替えてプレイします。
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ディミーアコントロール○○
速攻のクリーチャーを出して殴って、《終わりなき踊りのガリア/Gallia of the Endless Dance》を誘発させ続けて勝利。
サイド
in
《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》
《燃えがら蔦/Cindervines》
out
《モックス・アンバー/Mox Amber》
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》
黒いデッキ相手に手札で浮いてしまいがちなモックスをアウト。
2T目のバードクラスが着地してしまい、あまりにも一方的なゲーム展開に。
速攻のクリーチャーを出して殴って勝利。
ラクドスデーモン〇✕○
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G1
土地2枚、1マナのクリーチャーと2マナのクリーチャーでキープするものの,思考囲い2発を乗り越えて土地止まったままの3ターン目にバードクラスを自引きして勝利。
サイドボードには幾つかのパターンが存在する。
1ゲーム目で《バード・クラス/Bard Class》を見せていたので《強迫/Duress》までサイドインしてくる可能性が高い、と考えるのであれば、小さなクリーチャーをたくさん入れた構成が効くし、除去が多いなら除去を増やしてコンボ寄せ。
ケランノリンズルゴ全アウト
《魔女跡追いの激情/Witchstalker Frenzy》
《燃えがら蔦/Cindervines》
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》
《毒を選べ/Pick Your Poison》2
《塔の点火/Torch the Tower》1
G2
初手の《バード・クラス/Bard Class》を《強迫/Duress》で抜かれてショックランド2発でスタートし,序盤のクリーチャーを捌かれて、止まらなそうな《逸失への恐怖/Fear of Missing Out》に毒を撃ったのが悪手っぽい。クロックが間に合わない中でドロスの魔人が出てきて殴り切られる。
先手+初手強迫を撃たれた+飛行作戦できたので1マナ2マナのクリーチャーで殴ってアタルカコマンド作戦にシフト。
out
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》
《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
in
《魔女跡追いの激情/Witchstalker Frenzy》
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》
《アタルカの命令/Atarka's Command》
《燃えがら蔦/Cindervines》
初手の強迫をすかしてちまちま殴り、1マナ双剣山・ズルゴドムリノリンの3体で殴りきり,最後はシェオルドレッドに魔女後追いの激情!
…というわけで神決で初めてベスト16!!
繰り返しにはなりますが、《バード・クラス/Bard Class》デッキが長いラウンドの大会で結果を残したのはこれが初めてのことです。ひときわ小さな伝説たちと筆者は、ここで自身の限界を超えることができました。
結果からみると、《バード・クラス/Bard Class》なしでただ殴って買ったゲームが多いです。伝説のクリーチャー「1枚」ずつにこだわっていたのかもしれません。確かに、《次元の先駆者、ケラン/Kellan, Planar Trailblazer》は《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》と同数投入する必然性があるクリーチャーでした。
運の介在するゲームで、数ラウンド勝ち続けるのもこんなに大変なのだから、いくつもの大会で長い期間を勝ち続けるのは並大抵の事ではありません。しかし、1ゲーム1ゲームを短いターンで終える、というコンセプトはとりあえず今のところは正解だったようです。少しずつ強くなって、少しずつ最初の負けが遅くなればいい。最初からスタンダードからパイオニアまで支配するカードもありますが、長い時間をかけてゆっくりカードが足されて相対的に強くなっていくバードレジェンズのように、筆者も少しずつ、限界点を突破していればいいと思っています。
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