魔女っ娘メルメル
新幹線も止まる大都会、某県笹原市に突如として怪獣が現れた。肉食恐竜を縦横に引き伸ばし、元の10倍逞しくしたその様はまさに大怪獣。駅周辺の、自分の背丈ほどもある高層ビルを、尾を振り回すだけで薙ぎ払う。街はパニックに陥った。
倒壊を免れたビルの屋上に、一人の女の子がいた。とんがり帽子に、足元まで包むマント。正し、色はピンク。握りしめたハートのステッキも同じ色だ。
クリクリした金髪を手で弄り、彼女はプリプリ怒っていた。
「もお、なんてことするの!」
怪獣は女の子に気づかない。背の高い建物が気に入らないのか、倒壊を免れた建物を順に倒していく。
しかし、女の子は気づいて無視されていると思った。
「悪い子! メルメルが懲らしめてあげるんだから!」
【つづく!】