イチローを考える

イチローが引退して早2週間が経過しました。

イチローの熱狂的なファンではないのですが完全にイチローロスになっています。

元々私はイチローが好きではありませんでした。
それは私が昔巨人ファンで松井秀喜が好きだった事も影響しているかもしれません。

イチローに興味を持ち始めたのはしっかりと覚えていませんが、おそらく2011年以降だと思います。
200本安打が途切れた年です。

200本安打を継続している時、イチローは200本安打が途切れてたらそのシーズンで引退すると思っていました。

しかし、イチローは現役であり続けました。

その頃からイチローをもっと知りたいと思ったのがきっかけだと思います。

イチローと松井。
90年代のプロ野球界を牽引した全くタイプの違うバッター。
YouTubeにも二人の対談動画はあがっていますが、考え方や歴史まで全く正反対の日本を代表するプレイヤーでした。

日本で最も人気があって一番簡単に見られるスター軍団巨人の中でも圧倒的な存在感。
メディアの取材にも丁寧に応える松井秀喜は一般人からするととても分かりやすいスーパースターでした。だから子どもの頃は松井が好きだったと思います。(今でも松井秀喜は私にとってスーパースターです。)

一方、当時ほとんどの人が興味を持たなかったパ・リーグで、その中でも常勝球団ではないオリックス唯一のスーパースター。圧倒的な成績を残すもメディアの取材には良い対応とはとても言えないイチローは子どもからすると理解しづらい存在だったのではないかと思います。

私がイチローに興味を持ち始めた2011年、その時21歳でようやく言葉の裏側や何も語らなくても何を考えているのか想像することはできる歳でした。(当たっているかは別問題です)

そして当時の私が考えたイチローの価値観は200本安打が途切れたら引退するというものでした。晩節を汚さない生き方をするのではないかと思っていました。しかし、イチローは現役を続けます。
その当時はイチローを全く理解してなかったということです。

200本安打が途切れても現役を続けるイチローはどうやって引退するのか、一度途切れたが来年(2012年)また200本安打を打って欲しいとイチローに興味を持ち応援し始めた自分がいました。

イチローの過去の動画も色々漁ってイチローに対する理解を深めました。
イチローの事を知る度に実感するのはとにかく野球に対する一途な気持ちです。
立場や舞台が変わってもとにかく野球の事が最優先に来る。そしてその事から人生において大事なことも学んでいるという姿勢が特に印象に残ります。
そしてファンに対しても本当に真摯に向き合うからこそメディアに対し、適当な事は言えないというスタンスでした。

2012年。私がイチローに興味を持ち応援し始めた年に松井秀喜が在籍していたヤンキースに移籍し、松井秀喜はシーズン半ばでレイズを解雇され、そのまま引退しました。松井はその時38歳で最近の野球選手としては早めでスパッと引退した印象が残ります。
最後の2年は正直キツいかなと思って見ていましたがチェンから特大のホームランを打つなどまだ出来るのではと思わせる部分もあり、晩節を汚さない辞め方だったのではないかと思います。

イチローはその後も現役を続けて目標は最低50歳まで現役と公言していました。
私はイチローなら出来ると思っていたし、仮に契約する球団がなくても個人でトレーニングを続けて何歳になっても何処かのチームでプレーする準備を続けるものだと思っていました。そしてそのまま人生も終えるのではないかと思っていました。

2018年。マリナーズに復帰するも2ヶ月で選手としては試合に出ず、練習は選手と一緒に出来るが事実上の戦力外通告となります。
それでもまた1年後イチローは選手として戻って来て仮にマリナーズでなくても、選手としての道を探すのではないかと思いました。少なくとも一般的な引退はせず、フェードアウトするような感じになると想像していました。

その1年後、イチローは引退しました。
最後は歴史上、世界で最もヒットを打った男がオープン戦から含めて30打席ほどヒットが打てず、巨人の一線級とは言えない投手のボールさえヒットに出来なくなっていました。今まで数多くの選手が引退しましたが多くの選手は多少は全盛期を思わせる動きを見せるため、まだ出来るのでは?と言われる事が多いように感じます。ただ、イチローの場合は正直本当にもう厳しいかなと思いました。それは衰えた姿を見るのは辛いとかそういう意味より本当に自分の可能性を出しきった、やりきったと言えるのではないかと思います。

引退会見でイチローはマリナーズ以外の球団に入る事は考えていなかった。日本復帰は神戸に球団があれば考えたと言っていました。

過去に在籍した球団にそこまで義理堅い想いを持っているとは正直思いませんでした。現役にしがみつくのてはないかと思っていました。

イチローに興味を持った2011年からもう7年経過してイチローの事を分かったつもりでしたが、まだ分かっていなかったようです。

現役は引退しましたがイチローの人生は続くし、プロ野球も続きます。そして私のイチロー探求もまだ続きます。

ただ、バッティングと一緒で最終的な答えはありませんが。

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