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プロジェクト成功の鍵!変更管理委員会立ち上げから実践:具体的なステップと事例で解説
こんにちは。スーパーソフトウエア東京オフィス技術部の加藤です。
ソフトウエア開発プロジェクトでは、要件変更、仕様変更、開発途中の要件追加などが頻繁に発生します。特に、3か月以上のプロジェクトでは、開発期間中に、ユーザーの要望の変化や利用しているソフトウエアのバージョンアップ・仕様変更など、様々な要因で変更の要求が発生する事も容易に想像できます。
これらの変更に適切に対応するためには、変更管理委員会の存在が不可欠です。
変更管理委員会がないとどうなるか?
プロジェクトマネージャーやリーダーは、組織の中では必ずしも強い権限を持っているとは限りません。プロジェクト途中で追加仕様や変更を要求され、力関係で承諾せざるを得ない場合も容易に想像できます。
しかし、力関係でなんでもかんでも追加要望を受け入れていたら、プロジェクトに与える影響は計り知れません。安易な変更は、プロジェクトの遅延、予算超過、品質低下を引き起こす可能性があります。結果として、ステークホルダーに多大な迷惑をかけることになるかもしれません。
変更管理委員会の役割
変更管理委員会は、以下の役割を担うことで、このような問題を解決します。
変更要求の評価: 変更要求の実現可能性、影響範囲、費用対効果などを評価し、プロジェクトへの影響を最小限に抑えるための判断を行います。
変更の優先順位付け: 複数の変更要求がある場合、プロジェクトの目標達成に貢献するものを優先的に実施します。
変更の承認: 評価結果に基づき、変更の実施を承認します。
変更の記録: 変更内容、理由、決定事項などを記録し、プロジェクトの透明性を確保します。
変更管理委員会の構成
変更管理委員会のメンバーは、プロジェクトの規模や性質によって異なりますが、一般的には以下のメンバーが含まれます。
プロジェクトマネージャー: 変更管理委員会の責任者として、意思決定を主導します。
開発リーダー: 開発チームの代表として、技術的な観点から変更の影響を評価します。
テストリーダー: テストチームの代表として、テストへの影響を評価します。
ユーザー代表: ユーザーの要望を代弁し、変更の必要性を伝えます。
その他関係者: 必要に応じて、運用担当者、マーケティング担当者などを加えます。
変更管理プロセスの例
変更要求の提出: 変更を希望する担当者が、変更要求書を作成し、変更管理委員会に提出します。
変更要求の評価: 変更管理委員会は、変更要求の内容、影響範囲、実現可能性などを評価します。
意思決定: 評価結果に基づき、変更の承認または却下を決定します。
関連チームへの連絡: 影響を受けるチームへ変更要求を通知し、各チームが変更要求の対応をタスクに落とし込みます。
変更の実施: 受け付けた変更は、担当チームによって実施されます。
変更の確認: 変更が正しく実施されたか、テストチームが確認します。
変更の完了: 変更が完了したら、変更管理委員会に報告し、要求元に変更が処理されたことを通知します。
変更管理委員会を設置する際の注意点
メンバー選定: 各部門の代表者や専門家を選出し、バランスの取れた委員会を構成します。
ルール策定: 変更要求の受付、評価、意思決定、実施など、変更管理に関する明確なルールを策定します。
情報共有: 変更内容や進捗状況を、プロジェクトメンバー全体に共有します。
定期的な見直し: 変更管理プロセスやルールを定期的に見直し、改善を図ります。
組織へ変更管理委員会を導入するには
以下のようなステップで導入を進めていくと良いでしょう。
変更管理委員会の必要性を明確にする
過去の失敗事例の分析
変更管理がない場合のリスク
成功事例の紹介
協力者を募る
関係部署への説明
メンバーの選定
リーダーの選出
変更委員会を立ち上げる
ガイドラインの作成(運用ルール、判断基準などを決めます)
プロセスの作成(帳票、ツール、会議などを決めます)
キックオフ説明会
周知活動
変更委員会活動を推進する
プロセスの徹底
定期的な会議
記録の管理
組織への定着
継続的な活動
専任者のアサイン
組織長への相談
組織文化の醸成
情報公開
研修の実施
成功事例の共有
その他
トップのコミットメント
柔軟な対応
コミュニケーション
変更管理の実践
ソフトウエア開発プロジェクトにおける変更管理は、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。特に、ビジネス機会の損失を防ぐために、追加要望や仕様変更に対応せざるを得ない場面は多々あります。
変更要求を提出する側は、変更の必要性を正しく判断できる情報、ビジネス上の背景、対応しない場合の売り上げへの影響、機会損失など、できる限りデータドリブンで説明します。
要求を審議する側は、変更の必要性を理解し、承認した場合の影響、却下した場合の影響を深く考慮します。いずれの場合にも、影響が最小になるように組織として最適解を探索します。
以下に、変更管理の実践手法として、スケジュール変更、リソース追加、トリアージ、入れ替え、受付不可について、以下に解説します。
スケジュール変更
変更要求に対応するために、プロジェクト全体のスケジュールを見直すことです。
リソース追加
変更要求に対応するために、プロジェクトに人員や機材などのリソースを追加することです。
トリアージ
複数の変更要求が発生した場合に、それぞれの優先度を決定し、対応する順序を決めることです。
入れ替え
変更要求に対応するために、既存の要件や機能を別のものと入れ替えることです。
受付不可
変更の必要性が低いと判断した場合など、変更要求をお断りする方法です。要求元には、判断した理由や根拠を説明します。
変更管理委員会の判定結果
要求元へのフィードバック: 変更委員会で決定した内容は、要求元に速やかにフィードバックする必要があります。特に、受付不可となった場合には、なぜその決定に至ったのか、具体的な理由や根拠を丁寧に説明することが重要です。
関係担当者への連絡: 変更要求が受け入れられた場合には、影響を受ける工程の担当者へ、その結果と対応計画などについて通知します。
エスカレーションへの対応: 受付不可を通知した場合でも、要求元からエスカレーションされる可能性があります。その場合、組織としてどのように対応するか、事前に方針を決めておく必要があります。エスカレーションを受け入れる場合には、プロジェクトへの影響を最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。
組織としての意思決定: エスカレーションへの対応は、組織全体の意思決定として行われるべきです。プロジェクトマネージャーやリーダーだけで判断するのではなく、関係部署や経営層を含めた協議が必要です。
まとめ
変更管理委員会は、プロジェクトを成功させるために不可欠な組織です。適切なメンバー選定、ルール策定、情報共有を行い、効果的な変更管理体制を構築しましょう。
このブログをブラッシュアップして、さらに内容を充実させることができます。例えば、変更管理委員会の具体的な活動事例や、変更管理に役立つツールなどを紹介することも有益でしょう。
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