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#5 ゴミ拾い
大学の講義で、持続可能社会に向けて尽力されている方とお会いした。
その方の生き様、考え方に感銘を受け、1泊2日でお話を聞きに行った。
今回は、その時に聞いたお話である。
家に訪問すると、家の近くの海岸へ連れていかされた。
今から1時間で海岸のゴミ拾いをしよう
海岸には、プラスチックゴミを中心に、瓶や缶、ロープや流木、海藻など様々なものが打ち上げられていた。
私は、1時間という制限であったため、少しでも多くのゴミを回収しようと上記のゴミたちを懸命に集めた。
すると、その方は私に怒った。
君はゴミをどう認識している?
人間が不要と思ったものがすべてゴミだとは限らない。
ゴミを処分するということは、焼却炉へ運ぶためのガソリンのエネルギー(重量がかさむ為エネルギー消費量が増える又は量は増えれば往復する可能性もあり、より無駄なエネルギーが使われる。)や燃やすためのエネルギーなど無駄なエネルギーがたくさん使われるんだ。
だから、自然由来のもの(ロープや流木、海藻)は、微生物によって分解され、自然へ帰化するのに何故それをゴミとして判断するんだ。
ごみ拾いと美化活動を一緒にしてはいかん。
このように怒られた。
自分の中でこの発想は全くなかった。
確かに、ごみ拾いをしてそれで満足感を得て、自分がいいことをしたと酔っているだけであって、根本が解決されている訳では無い。
ごみ拾いは、A地点からB地点へ移動しただけであって、分母の数は全く変化していない。
だからこそ、自然由来のものまでをゴミとして判断すると、余計なエネルギー使用になるというわけだ。
また、その方は続けて、
人間が必要と思ったから、エネルギーを駆使して製品を作った。
それを不必要と思うと捨て、運搬され、焼却される。
エネルギーをどれだけ使用したら気が済むんだろうね。
企業も売れるから大量生産する。それを消費者が買う。企業の売れ残った在庫はその後どうなる?消費者が製品を不必要と思ったら?
企業が新しいモデルを出したら、企業が大量生産し、消費者はそれに飛びつき、旧式のものを捨てる。ブームが過ぎると企業の余剰分は処分される。そしてまた新しいデザインのものを作る。
このサイクルが現代社会の経済の仕組みで、これを改善しないとゴミ問題の根幹は解決できない。
と。
ごみ拾いは、小学生頃から聞き覚えがある比較的安易なボランティア活動という認識でいた自分が恥ずかしかった。
エネルギーの過剰な無駄遣いサイクルが成立している現代社会。
ごみ拾いをしても、ゴミを移動しただけであって母数(ゴミの総数)は変化していない。
ただでさえ、多いゴミに自然由来のものを換算するともっと余計なエネルギーが消費されるということ
などなど、ゴミ拾いというシンプルな概念の中に、様々な問題点が内包しているということを教えていただいた。
このような現状についてしっかり理解した上で、少しでも持続可能社会の実現に向けて微細ながら尽力していきたいと思う。