【財務会計】一般原則④
こんにちは。SSKC会計グループの吉田です。
今回も引き続き、企業会計原則から、その根幹となる一般原則の話です。
今回は残りの単一性の原則と重要性の原則をみていきます。
<単一性の原則>
企業は報告目的によって異なる形式の財務諸表を作成することがありますが、それぞれの財務諸表は正規の簿記の原則に従って作成された単一の帳簿を基礎として作成されたものでなければなりません。
単一性の原則は二重帳簿を禁じ、実質的に一つの数値を複数の形式で表現するという帳簿と財務諸表の関係を定義する原則です。これを「実質一元・形式多元」といったりします。
<重要性の原則>
重要性の原則は、一般原則ではありません。企業会計原則注解で述べられている原則で、簡単に言えば、重要性に乏しいものは簡便な処理・表示をしてもかまわない、という内容です。
これは同時に、重要性が高いものについては厳密な処理を行うことを要請しています。
何が重要で、何がそうでないかの判断基準は「利害関係者の判断を誤らせるか否か」にあります。
それは金額の大小による「量的重要性」と、科目の内容などによる「質的重要性」とに分類できます。
例えば消耗品を購入時に全額費用処理することが認められているのも、重要性の原則の適用によるものです。
本来、未使用の消耗品は資産として貸借対照表上に表示すべきですが、重要性が乏しいと判断されるために省略され、簿外資産が生じることとなります。
<おわりに>
今回で企業会計原則の一般原則についてはおしまいです。
一般原則自体に違反しても罰則などはありませんが、個々の会計基準は一般原則に沿う形で作られています。
会計基準の理解のためにも、一般原則とその趣旨は押さえておきたいですね。