730高齢者の旅行手段 深夜バスに乗り損ね新幹線に飛び乗る
前回に続きクリスマスイブから年末終業までの学童子守の話。娘の家は本州の西の果て。新幹線にするか、航空機にするかと聞かれましたが、経済力に乏しい高齢者ですから、安い移動手段はないかと考えます。
自分で車を運転して行こうか。これなら二人でも費用は同じ。でも娘に拒否されました。事故が心配で夜も寝られないと。「大丈夫、陽があるうちに着くように夜明け前に出るから」と言ったのですか、休憩なしで走り続けるつもりかと余計に心配だと叱られました。歳取れば子にはあまり逆らわないのが無難。
他に法はないか。
閃いたのが深夜バス。ネットで調べると夕方7時半に東京を出て翌朝7時半に娘の町に着きます。寝ながら行けば時間の節約。家内と二人分チケットを取りました。娘には12時間もバスに乗るとエコノミー症候群になると脅されましたが、予約のキャンセル方法がわからないと押し戻します。
ヨーロッパ出張などで14時間の座りっぱなしは何度も経験済み。エコノミー空間には慣れています。閑話休題です。外務省の人と同行での出張もありましたが、課長補佐の彼はビジネスシート、管理職なのに一般省庁のこちらはエコノミー席。出張経費の差を見せつけられたものです。
さてバスに乗る当日です。早めに夕食を済ませて玄関を出たところで携帯に電話着信です。
「たった今、雪で運休が決まったので連絡する」。予約時に連絡先を携帯にしておいてよかったです。家電では運休を知らずにバスターミナルに行くとこでした。
さてどうする。急げば新幹線に間に合いそう。荷物を抱えて東京駅には走りました。
窓口では「目的駅に停車する最終のぞみには待ち時間が1時間以上になる。出発が早い広島行きのぞみに乗り、新神戸で乗り換える便が乗り継ぎ便利だ」。
迷わずそれにします。帰りは最初から新幹線や予定で指定席を購入していましたから、乗車券を往復割引きに変えてもらう手続きなどしていたら時刻ギリギリになりました。
動き出した列車内でよくよく地券とを点検すると新神戸での乗り継ぎ列車はこだまです。ボクは新大阪発の山陽新幹線専用列車さくらだろうと勝手に思い込んでいたのです。
到着時間欄を見ると深夜の11時過ぎ。ネットで調べると1時間以上も後に出る目的駅停車ののぞみにも追い抜かれます。
そんなバカな。運良く車掌が通りかかったので事情を話すと、乗っているのぞみで終点の広島まで行き、そこでこだまに乗り替えることに切り替えてくれました。それで10時過ぎには目的駅に到着できました。
ただし駅前に娘の車なし。バスが運休なので新幹線に切り替えると連絡した時間が時間ですから、家族はクリスマスイブの夕餉です夫婦でワインを楽しんでしまったから車を運転できない。タクシーで勝手に来て。
バス運休の原因のはずの雪は、降ったには降ったが、すぐに溶けたとのこと。バスの信頼度は新幹線に及ばないことがわかりました。料金格差は仕方ないとしても、タクシー代も予定外の出費でした。思惑よりも軽くなった財布にため息でした。