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689夏井いつき先生に俳句を習う 40年経験者が優勝

連日の文化教養活動。今日は俳句を学びました。
講師は『プレバト』で人気の夏井いつき先生。生徒で永世名人の梅沢富美男さんとの歯に衣着せぬ掛け合いで視聴者を沸かせています。
昨日収録日だったようで、『昨日もおっちゃん(梅沢氏)が靴を投げ捨てましてね。もう大変だったんですよ」と最初から笑いを取って聴衆を引き付けます。さすがテレビ慣れの技量です。
会場は浅草の台東館。用意された300の席はすべて埋まっています。「普通の句会は1,500人なのだけどね。今日は特別に数を絞ったの。皆さんは恵まれてますよ。作品が入省するチャンスが5倍ですからね」
「俳句をこの場で作るの? そんなつもりではなかったのに」。隣で家内が困惑していますが、チケットを申し込んだのはキミですよ。

「今まで句作経験がない人もコツを教えるから大丈夫。そういう人は〝グループすそ野“と俳句集団「いつき組」と呼びます」
5文字と7文字で句の骨格を作り、それに5文字の季語を選んでくっつければ、『プレバト』で凡人と認められるレベルの作品を作れますと夏井先生。ボクたちでも作れるかも…。
でも芸の道はいばらの道。そのことをすぐに悟ることになりました。

夏井先生と同郷の日本画家(大和絵師(やまとえし))である伊東正次さんが、舞台で即席の絵を描きます。素材は浅草寺の五重塔。銀杏の木々に隠れるように塔がたたずんでいる構図です。その作業を夏井先生が横に立って、茶々を入れたり、どうでもいいことを質問したり…。
その一連の情景が俳句のお題でした。「伊藤先生の水彩スケッチの『実演』を見て一句書きなさい。所要時間5分。できた人から休憩でトイレに行ってよろしい」
伊東画伯は「ボクのスケッチは輪郭を描きません。浮かんだ構図に沿って色をつけていきます」と話した部分を句にしようとするのですが、言葉が降りてきません。時間制限は迫る。うーん。うなっても出るのは冷や汗。

舞台では夏井先生が聴衆が提出した句をえり分けています。その早いこと。5分の制限時間ギリギリに最後の人が提出したときには、あらかたの選別を終えていました。
しばらくトークがあって、入選作品7区がスクリーンで紹介されました。
〇息白しバビリテープを追う眼(まなこ)
〇浅草寺(せんそうじ)まず立冬(りっとう)の水で描(か)く
〇大和(やまと)絵師(えし)の靴はナイキぞ文化の日
〇相(そう)輪(りん)を描(えが)くペン硬し冬の宵(よい)
〇水(みず)筆(ふで)の走るさなかを銀杏(いちょう)散る
〇名を知らぬ商売道具草の花
〇筆の水減らし銀杏の輪郭へ

 さすが優秀者の句は観察力が違います。伊東画伯の動作を鋭く観察した句のほか、
ライブが順調に進むよう走り回る黒子(くろこ)の動作に注目した句もあります。画伯のいでたちを素材にしたものも。
 夏井先生が7作品について聴衆からの批評を引き出しますが、それがまたいちいち正鵠(せいこく)を射(い)ています。脱帽の一言。たかが17文字の詩作だろうと軽く見ていた自分が恥ずかしい。
 
 どの句がもっともよいかを300人の聴衆とライブ進行を手伝う黒子さんによる投票で決めると言います。意外なところで民主主義が実践されました。
 入賞者が順に句作のポイントを紹介しました。判明したのは第2位だった句の作者が35年、優勝者が40年の句歴であるということ。
「すそ野グループではこれほどの句は作れません」
夏井先生の言葉でちょっと安心。同時に俳句の道も奥が深いと納得でした。

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