757ほほえましい母娘関係
新聞の人生相談です。40代の女性が60代の母親からの’’理不尽な“要求に悩んでいます。「自分は海外旅行が趣味だが母親が近隣、同僚などに配る土産を買ってこいと要求する。重いし、相手に気持ちも伝わらないだろう。母を説得するにはどうすればいいか?」
回答者(作家)はよくわかっています。「いいじゃないですか。親孝行のつもりで続けられたらいかがですか」
そうです。母親は娘を自慢したいのです。「娘は海外旅行する経済力も語学力もあるのですよ」。自慢したくてたまらない。でも聞いてもらうにはきっかけが必要です。それが土産もの。
「娘に海外旅行に連れて行ってもらったのよ」となればより効果的ですが、多分この母親は旅行が好きではないでしょう。自分が行っていない観光地の話を聞かせるには、自分の身代わり者の紀行話が必要。娘さんが送った写真も活用されているでしょう。
見せられた人はきっとこう言うでしょう。「お母さんもいっしょに行けばいいのに」。「そうなの。娘も誘うのだけれど、私もいろいろ忙しいから」
「いいわねえ。羨ましいわ」
母親の目的はこの最後の一言を聞くため。そのための土産代など安いものです。「娘が重いと文句を言うのよ」ですらも母親の自慢の一部です。母娘の仲の良さを見せつけることができるのですから。
どの母娘もこういう関係になれば日本社会も明るくなりますね。