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518命と経済と財政 コロナ対策での考慮事項は3択のはず
楽しみにしていた区主催の講演会が中止になりました。昨年のNHK大河ドラマの主人公だった渋澤栄一さんが題材。くじ引きで受講券をゲットし、重複する予定をキャンセルして備えていました。ところが直前になっての中止です。コロナでのまん延防止措置発動が理由とか。渋澤さんの霊はドタバタをどう見ていることでしょう。
あらためてコロナ騒動についてです。1月20日夜の討論番組(フジ・プライムニュース)で4人が議論していました。うつらうつらの視聴(高齢者は日が沈むと眠くなる)ですから正確ではありませんが、記憶に残る範囲で再現してみます。
司会(反町理さん):コロナはオミクロン株に移行。感染力は強いが毒性は弱いとされる。コロナ対策の今後はどうあるべきか。
木村盛世さん(厚労省元官僚):騒ぎ過ぎの一言で整理できる。わが国の感染率がけた違いに低い事実を無視している。またコロナ致死率は感染症分類5類のインフルエンザとあまり変わらない。医師が2類を根拠に感染者の治療を診断拒否する事例もある。国民の幸福とは何かを考えず、ただただ煽り立てている政治家には、真の国家危機への信念すらない。政治の役割は国民を正しく導いていくことのはずだ。
国光あやのさん(自民党新型コロナ対策本部事務局長):コロナを2類にしてあるのは、知事が就業制限しやすい、治療費を無料にできるなど、迎合的な側面があるのは事実。2類から5類への格下げは妥当で、選挙区の現場医師から2類にして普通に治療させてくれとの声が多数届いている。ただマスコミや国民の合意を得ずに政治が先行判断するのは現実的には難しい。岸田総理もそういう判断だと思う。
長妻昭さん(立憲民主党新型コロナ対策本部長):コロナで亡くなる人が出るのは政治として容認しがたい。与党対策の是非を正すのが野党の務めだ。コロナまんえん防止策で事業に支障が生じる業界や個別企業には、政府が十分な補助金を支出することで、コロナと経済の両立は可能。与党の財政支出は不十分なのでそこを追及している。政策変更は科学的知見に基づくべきだが、それがまとまるのはまだ先のことだ。
島集徹(医療ジャーナリスト)さん:日本は自由主義国のはず。リベラリズムを唱える政党(立憲民主党など)であれば、過度の行動抑制の危険性を国民やマスコミに訴えることで、政治的対立軸を作るべきだった。わが国では方向が逆で、全党が専制方向に向かっており、民主主義の自滅傾向だ。終末医療問題など医療の重点化の議論もコロナで吹き飛び、医療政策を悪い方向に戻したことも大失態だ。
一夜明けてニュースを見れば、相変わらず、コロナ感染者が一桁増えたとマスコミはコロナ危機を煽り立てています。コロナ騒動の本質はどこにあるのでしょう。
「命と経済」といった選択が語られます。コロナ防止と経済活動の維持は両立しないので、どちらを優先するかという議論です。そして政治家が持ち出すのが、「双方を両立させる」との妙案です。それはなにか。「政府=国庫」が負担するというものです。
コロナで営業自粛の飲食店への協力金、旅行関連業者へのGOTOトラベル、自宅待機労働者を抱える企業への雇用調整金。すべて基本は同じ。「国庫がカネを出すからいいでしょう」。コロナへの直接対策でも同じ。ワクチン接種、PCR検査、臨終宣告を許さない徹底過剰治療は、国庫負担で関係者に費用負担させないことになっています。
先ほどの命題、「命か経済か」の選択肢は間違っています。「命と経済、それとも財政」。なぜそういう問題設定にすべきと考えるか。国庫は実は大幅支出超過を続けており、後代へのつけ回しの構造になっているのです。国家の借金は1千兆円。これを子孫が返していくのです。 返せなければこの国がどうなるか…
規模が大きすぎて現実感がないでしょうね。国民一人当たり1千万円。死ぬ者がすべて1千万円ずつ国家に財産を寄付していけばなんとかなるかもしれませんが、そもそも1千万円も資産がある人はそんなにいません。コロナでは国庫がいくらでもカネを出すからと言っている国会議員は総数で千人弱。
分かりやすく国会議員が均等に赤字国債に対する返済保証宣言するのはどうでしょう。選挙での当選証書受け取りと引き換えで、「私、○○は国会議員の名誉にかけて、日本政府の借金Ⅰ千兆円の710(国会議員総数:衆議院465人参議院245人)分の1を保証する」として署名し、テレビの前で国民に誓うのです。「だから国庫活用によるコロナと経済の両立のためと称するバラマキを認めてほしい」と胸を張ってもらうのです。議員各自が1兆円の保証。議員当人を含めて可能であると信じる人はいるでしょうか。