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619コロナで健康保険事業が黒字 医療費削減の決意元年に期待

今日の新聞には朗報記事。慢性赤字かと思われていた健康保険事業が黒字好転。その理由がコロナの流行とのこと。
新聞見出し(読売2022年6月24日)の記事見出しは、「国保2054億円黒字」サブタイトルが「コロナで受診控え」。
その見出し部分は、「厚生労働省は23日、自営業者らが加入する国民健康保険(国保)の2020年度の財政状況を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による受診控えが影響し、実質収支は2054億円で過去最大の黒字だった。」
最大理由は一人当たり保険給付費の減。高齢化や医療の高度化を受けて増え続けてきたが、20年度は対前年度1.5%減の31万5564円にとどまった」。
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度においても、収支は8219億円の黒字だったとのことです。

「医療費が増え続けるのは仕方がないこと」。そういう誤った常識が流布しています。これも一種のプロパガンダ。国民がこれを信じると得をする集団がいます。業界だけでなく、「健康保険料では運営できないので、国庫からの支援を増やしてほしい」と予算要求する厚労省のお役人にとっても好都合。財務省からの予算増額獲得に成功すれば、その後の昇進間違いなし。バックについている議員集団も同様です。社会保障費を増やしたのだから、来期も当選間違いなし。

これって自然なのでしょうか。国民が願うのは、一に病気にならないこと、二にかかった病気が治ること。そうして総医療費が減れば、健康保険料も税金も節減できるのです。健康保険料は十分に高いですが、それでは足りず、国民健康保険や後期高齢者医療の給付費の半額は国庫負担。逆に言えば、保険料の同額を税金という形で国民は負担しているのです。「隠れ健康保険料負担」と言っていいでしょう。

コロナで受診率が下がったと記事が解説しています。お腹が痛くなった人が、「込み合う病院に出かけてコロナにかかるよりは、正露丸を飲んで家で寝ていよう」と判断したなどが考えられます。その結果、治療が手遅れにいなって死亡率が急上昇したなどの報道はありません。つまり受診控えは結果的によかったのではないでしょうか。そうするとコロナ後においても、控えられた受診率が反転上昇しないよう、2020年度の受診行動をもって新たな出発点とすべきでしょう。むしろさらに受診控えを促すのが、健康保険関係者の責務ではないでしょうか。
コロナの影響でインフルエンザが減ったのだという説があります。どうでしょうか。ここ数年たまたまインフルウイルスが不調だっただけかもしれません。あるいはマスク、手洗いの習慣が有効なのかもしれません。重要なのは、インフルが流行しても総医療費を増やさない決意と行動です。
「コロナを契機に2020年以降、日本国民の健康管理に関する行動が変容し、その後受診率は年々低下し、合わせて健康寿命が続伸し、国内の労働力不足は解消することになり、GDP(国内総生産)は劇的に上昇傾向をたどるようになった」と10年後、20年度の政府白書類に記述されるようになりたいものです。
ところで記事中に「新型コロナ感染中の治療は公費で行われる」とありますが、誤解を招きそうです。コロナ患者は治療費を求められません。それは健康保険(7割相当)の残り自己負担分(3割相当)やその他を公費で負担するためであり、コロナ患者が増えれば健康保険の負担が減るわけではありません。「コロナ終了後に健康保険給付費の反転増加はやむを得ないのだ」との認識を国民に受け付けておこうとの意図があるとすれば悪質です。

「なせば成る。ならぬというのは、しないからである」。かつてお世話になった某県の知事さんの口癖でした。国民を元気に、健康にすれば、医療費は減らせる。そういう政策を進める政治を期待しましょう。 

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