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784カメに「変身」した官僚 恥を捨てて訴えたかった命のはなし

環境省の奥田直久・環境省自然環境局長が体(ではなくて顔)を張った演出で責任業務を果たしていると、紹介記事がありました。わが国に生物生育環境を壊すと悪評アカミミガメ対策の啓発ビデオ出演についてです。
2022年に外来生物法の改正があり、6月から販売や輸入、野外への放出を禁じる「条件付特定外来生物」に指定されます。ペットとして飼い続けることはできるが、川や池に逃がすと、個人の場合で3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される場合があるとのこと。
こうしたことを国民にアピールしようと、局長自らの顔をアカミミガメの顔に似せてペイントで描かせたのだそうです。
その効果はどう出るか。とはいうもののアカミミガメはすでに国内に居着いてしまっています。家の近くの横十軒川親水公園の一角に通称カメ池かありますが、東屋(あずまや)に人が立つと寄ってくるのは皆アカミミガメ。在来主義のカメなんて見たことがありません。
売ったり飼ったりしてはダメというが、どこまで徹底する気があるものか。基本的な疑問です。このカメを飼っている人のほとんどは祭りの露店で「可愛いゼニガメ」として買ったところ、案に相違して大きく、醜く育ったケースでしょう。疑うわけではありませんが、今年の夏から「ゼニガメ」売りはほんとうにいなくなるのでしょうか。
また住み着いたアカミミガメをどのようにして駆除するつもりなのでしょう。また何年までに完遂されるのかでしょう。その後には在来種のカメを放流するのでしょうか。その体制は準備されているのでしょうか。
ところでアカミミガメはわが国に生物環境を壊す犯罪者扱いですが、逆に日本の古来種が他国に迷惑をかけている事例はないのでしょうか。『怖くて眠れなくなる植物学』(稲垣栄洋著)によると実例はいくつもあるようです。その記述の一例です。
「日本ではまったく害にならないイタドリは、日本からヨーロッパに渡って、外国から来た外来雑草として猛威を振るっています。また、日本人に愛されているはずのススキも、日本からアメリカ大陸に渡って雑草として大暴れしていましす」。
植物界で外来の悪党として知られるのは北アメリカ原産のセイタカアワダチソウ。1970年代に急速に繁茂したのではなかったでしょうか。
学生時代、ガールフレンドと発ドライブしたときに宇治川の河原でこの花に背伸びしてキスするシーンをカメラに納めました。そのくらい背丈がある花でした。これが河原を埋め尽くす勢いで、国中の在来種に取って代わるのではないかと、環境論者がケンケンガクガクやっていましたのね。でもそのうち繁殖速度が落ちたら、だれも騒がなくなりました。その理由を先の本で解説しています。長くなるのでよしますが、たいがいのことは声高に叫ぶ声のようには進まないという見本です。セイタカアワダチソウの脅威を強調していた専門家は見通し誤りの謝罪会見をしたのでしょうか。
アカミミガメの件も同じです。「売ったり飼ったりするな」はいいでしょう。でも危機感を煽ることで何を目指しているのか。
要らなくなったら公費で引き取るとか、駆除に公費で業者に委託するとか、行政が予算措置を講じて乗り出すことになれば、その先に利害関係を持ち出し補償だとか、調整団体の設立だとか、有象無象が暗躍してカネが絡む利権構造になっていくことが確実に予測されます。
 
話変わって人類について。欧州の難民騒動で問題になっているのは、増え続ける難民の受け入れを停止したとしても、それまでに流入した者をどうするのかの問題。人権の観点から追い出すことはまず不可能。そこに仲間を頼って不法に入り込んでくる者が後を絶ちません。しかも在住すれば子どもができ、出生率の関係で少数派だったはずが多数派になるかもしれないのです。
 
外来ガメと異人種の流入。問題の次元は違うのでしょうが、やっかいな問題です。

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