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785憲法9条の戦争放棄は“条件付き”「国家責任を果たさない言い訳」にしてはならない

日本国憲法が戦争放棄を宣言している。」
国会議員たちはそう主張しています。そしてそれを根拠にして、左陣営は「日本はウクライナや台湾などの民主主義が武力で押し潰されるのを見殺しにするのが正しい行動である」と主張し、右陣営は「憲法改正がなされるまでは助っ人に行けないのだ、わかってほしい」と言い訳をします。
日本国憲法憲法の真髄は「世界における民主主義の推進と擁護」です。憲法の前分で長々述べているのはこの一点です。
それを踏まえて9条を点検しましょう。
9条1項は、「日本国民は」で始まり、「永久に放棄する」で締められます。放棄するのは「国権の発動たる戦争と武力による威嚇と武力や行使」です。
それで早とちりに「日本はいかなる戦争もできない」と結論し、他国に侵略されても無抵抗を貫いて殺されたようという者と、“超憲法的に”戦うという者とに分かれて対立しています。
国論を分断するだけで何の益もないことです。国民の命をどうするのかという現実問題を国会議員たちはどう思っているのでしょう。日本が専制主義者に征服されれば憲法が求める民主主義は破壊されます。国会議員の使命をどう考えてもいるのでしょう。
国会は言論の府です。議論は正しい国語解釈を基にやってほしい。9条1項には条件節が付されています。それが「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」の下りです。これは憲法前分の再確認にもなっています。つまり世界中で民主主義が実践されること。
民主主義国同士では侵略戦争は起こらないという憲法制定当時の通説に基づいたものです。日本は民主主義を実践する。したがって侵略戦争をしないよ。それを内外に高々と宣言した。
そうである以上、言行一致させるために、侵略用の軍備を持たず、当然実行もしない。それが日本語としても素直な9条解釈でしょう。つまり日本が民主主義を貫くにはまわりの国々も民主主義であることが必要である。そして世界すべての国が民主主義に向かっているように見えました。しかし今はどうでしょう。
憲法は一国民主主義が非現実的であることを認識しているのです。憲法は素直な解釈が一番です。
 
第9条の条文をていねいに読んでみましょう。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。

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