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606ロシアからの宣戦布告 降伏は子孫の幸福につながるか

ロシアが北方領土周辺水域での日露漁業協定の履行を停止しました。協定や条約が結ばれていても、一方的に無効化するのはロシアの常道手段。
1945(昭和20)にもそうでした。日ソ中立条約の有効期間中であるにもかかわらず、突如襲いかかって婦女子の邦人グループに襲いかかって乱暴狼藉の限りを尽くし、武装解除に応じた兵士を極寒のシベリア奥地に連れ去って強制労働させたのでした。奪われた命や財産について、その被害はまったく清算されていません。わが国民には賠償を要求する権利があり、日本政府にはソ連の後継を自認するロシア政府に履行させる義務があるとボクは思います。今はその力がないとすれば、どうすべきか。ぴったり当てはまる言葉があります。「臥薪嘗胆」。鍛錬節約、心を一つにして外敵にあたるべく力を蓄えよう。
北方の島々はわが国固有の領土であると日本政府は言っています。ロシアが違法に占拠しているのです。世界の正義と平和を尊重する立場に照らしても、返してもらわなければなりません。そうして70年も交渉が継続されてきました。しかるにロシアは、領土交渉を中断し、今度は海域から日本漁船を締め出そうというのです。
協定では今年の日本漁船の漁獲量は、スケトウダラ、ホッケ、タコなど2200トンでした。この秋に向けて出漁が危ぶまれているわけです。
なぜ今になってロシアが協定を無効化しようとしているのか。ウクライナへの侵略を続けるロシアへの経済制裁に日本が積極加担していることへの反発との見方がされています。
その見方は甘すぎると警告するのが国際政治学者の中村逸郎先生。『辛坊治郎ズームそこまで言うか!』(ニッポン放送6月8日放送)で、次のように語りました。
ロシアに漁業協定の停止を働きかけたのは中国政府。北方領土海域は豊かな漁場であり、中国資本はすでに国後島、色丹島に漁獲品の加工工場を作っている。中国政府は北方領土への中国の支配を認めろとロシアに迫っていたが、ウクライナ軍事作戦で中国の支援を受けているロシアは、いよいよ中国の要求に応じざるを得なくなった。
ロシアは強盗犯であり、中国はそれを知っていて買い取る故買犯。中村先生は、プーチンのロシアと習近平の中国を「ろくでなし同盟」と形容しています。
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12184-1680463/

さてその中国による、これまたわが国固有の領土である尖閣諸島への中国政府公船の侵入が止まりません。むしろ年々、公然かつ大胆になっています。日本の巡視船が中国の排他的経済水域に居座るなんてことはあり得ないのに、なぜ中国の艦船の尖閣侵入はよいのか。その根拠が日中漁業協定です。尖閣の好漁場は主権国日本の排他的権益なのに、中国の漁船にも漁獲を許そうというのが協定の趣旨。中国漁船が協定違反をしないようにとの名目で、中国公船の来航が合法化されているのです。よってそれ以外の測量などは許されないし、ましては日本の漁船を追尾するなど問題外。であれば即刻、協定の履行中止が筋ではないでしょうか。
日露漁業協定の海域に日本巡視船が出張って、ロシアの漁船を追いかけ回している状況を想像できるでしょうか。常識外で想像できませんよね。

民主主義諸国によるウクライナへの加担はロシアや中国を刺激して第三次世界大戦を誘発するとの意見を述べる者がいます。その点で言えば、ロシアと中国のタッグによってわが日本は威嚇、侵害を受けています。宣戦布告を受けているのと変わりません。侵略の矛先はウクライナだけではありません。
松野官房長官は「ロシアが一方的に協定の履行停止を発表したことは遺憾だ」と述べた由。これだけでは相手にも国民にも伝わらないでしょう。なぜ許せないのか。その理由をきちんと説明すべきです。理を尽くし、言葉を尽くし、語ってほしい。2時間でも3時間でも国民は耳を傾けるはずですし、ロシアの外務省にも論理的に負けていると判断する常識人がいるでしょう。
ここでじっくり考えて、対策を講じなければ将来に禍根を残します。まさに分岐点。これまでの外交姿勢は、相手が拳を振り上げれば、条件反射的に首をすくめて引き下がるものでした。でもそれが平和を守るために常に正しい道ではありません。

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