The Office シーズン2
全9シーズン(完結)
エピソード数:22
時間:20分強
ジャンル:コメディ
時代設定:現代
放送年:2005年
舞台:アメリカ・ペンシルベニア州・スクラントン
視聴できる動画サービス:Netflix
評価: 9 / 10
概要:
アメリカ・ペンシルベニア州・スクラントンにある、とある企業の支社の日常を描いたコメディ。その支社長マイケルとその下で働く職員が繰り広げる様々な出来事を、職場の日常を記録するという体裁で物語は展開します。登場人物たちもカメラの存在を認識しており、それがドラマの仕掛けになっている場面も出てきます。自己中心的なマイケルが騒動を起こしつつも、支社は今日も平常運転です。
感想など:
前シーズンの登場人物はそのままに、起こった出来事も引き継いでいます。
登場人物それぞれの私生活や家族、過去なども触れられるようになりました。ドラマの舞台は職場ですが、描かれるのはそこで働く職員の人間模様です。エピソードごとに登場人物の様々な側面が見られ、それぞれの登場人物の性格や特徴も明確になってきました。続くシーズンではこのあたりからさらに物語が広がっていくのでしょうか。
このシーズンでは、ドラマ内の状況を撮影しているカメラマンが、ほんのわずかながらもドラマの物語の展開に関わり、その行動に対して、登場人物もカメラマンに反応する場面がありました。ドラマの視点を提供する役割だとカメラマンのことを捉えていたので、カメラマンにドラマの登場人物の一人として役割を与えたのは面白いと思いました。カメラマンの視点はドラマの視聴者の視点でもあるので、視聴者自身があたかもドラマの登場人物の一人であるかのような感覚を与え、ドラマにさらに深く入り込むよう視聴者を誘います。
笑いはもちろんですが、いくつかのエピソードでは、心温まる場面もありました。重くならない程度に社会問題も扱われ、内容の充実度は前シーズンをはるかに上回ります。
笑いについては、ちょっとわからない箇所もありましたが、全体的には面白いと思いました。普遍的な笑いもあれば、文化的基盤をある程度共有していなければわからないものもあり、アメリカ国内での視聴が中心だった時期のドラマは、文化的基盤の共有を必要とする笑いが少し多いように感じます。
文化的基盤となる事柄を理解すれば、笑いの理屈はわかりますが、実際にドラマで見て笑えるかどうかはまた別です。それに対して、全世界で視聴されることが前提となりつつあった[となった]2010年代以降のドラマはわかりやすいものが増えてきたように感じます。そして、今後制作されるドラマは、さらに配慮されたものが増えてくるのだろうと思います。
自己中心的で不適切な発言も多い支社長のマイケルは、会社の意気高揚のための催しをしたり、部下の問題の仲裁をしたりと、上司としての務めはそれなりに果たそうとしてはいるのですが、結果が伴わない、または、意図しない結果になることがあります。そして、そのために問題が生じたり、こじれたり、それがドラマ的には笑いにつながるわけですが、人間関係のマネジメントという観点で見ると、考えさせられるところは多いです。
英語学習の教材として:
会話が聞き取りやすいのは同様です。英語音声―日本語字幕で視聴していても、リスニング力はほとんど向上しません。といって、英語字幕にすると、ついていけない、という方もいると思います。その場合は、日本語字幕にしておいて、基本的に字幕を見ないようにして、物語の展開を追うのが危うい時だけ見る、というのも一つの方法かもしれません。
語句:
pyramid scheme:「ねずみ講」
ドラマ中で登場人物の一人が明確に示してくれて、日本語よりもわかりやすい表し方だと思います。ピラミッドからすると、形が同じだけで、とんだとばっちりですが、わかりやすいので仕方ありません。ちなみに、schemeは「計画、案」といった意味の語です。