メリークリスマス
先日、深夜1時。友達との銭湯帰り。
オリナス錦糸町の前に差し掛かったときに、ひとりのしがないおっさんがガードレールに向かって俯いていた。
場所柄もあるし、警戒して近寄ってみると。
なんだ、立ちションじゃないか。
国道沿いで立ちションなんかするなよ。
TPOをわきまえろよ。習っただろ。
タイム、プレイス、オ、、、
オ?
まあいい。
とにかく、銭湯でスッキリしたあとにおっさんのスッキリを見て最悪な気分になった。
すれ違いざま、怨念を込めて睨み付けようとおっさんの方に再度注意を払って見てみると、道の傍らにおっさんのチャリが停めてあったのがわかった。
まあ、想像に容易いプレーンなママチャリなのだが、あろうことか籠の中が真っ赤に染まっていた。
怖すぎる。
でも、確認しなければ。
そうしなければ好奇心が収まらん。
僕は恐る恐る籠をサッと覗き込んだ。
そこにあったのは、ポインセチアだった。
籠を真っ赤に染めていたのは、真夜中の薄暗い街頭に照らされた綺麗な花束だった。
ポインセチアの花言葉「私の心は燃えている」
おっさんの心は燃えていた。
愛か仕事か、それとも立ちションか。おっさんの心を熱くするものは何か。
それはわからないが、何かおっさんの中にある"意思"を感じてしまった。
ポインセチアには他にも花言葉がある。
「聖夜」
メリークリスマス。