飯沼一家考察

長男にしろ番組にしろすり替わる(替玉)がテーマとして動いていることを考えると

明正と良樹の魂(精神?)があの夏休みの間に何らかの儀式によって入れ替わっていって、
現在北海道にいる飯沼明正の中身は岸本良樹であると読むのがスッキリする感じがある

①流れとして

飯沼家、資金難に加えて、明正の引きこもり問題と気性の荒さにうんざりしている

幸せ家族王にかこつけて、明正と正反対の元気で成績優秀な良樹を一時的に家族として迎える
(良樹も東京にいくことを希望しており、家から出ることを望んでいたようである)

矢代教授による不幸を追い払う儀式を行う
飯沼家は長男明正を不幸・影として紙に書く
(良樹が家に来たことでより明正への恨みが浮き彫りになったか?)

幸せ家族王に出て賞金とハワイ旅行を得る
(幸運というよりはテレビの演出としてどうにかなったようであり、儀式とは関係なさそう)


飯沼一家、ハワイ旅行ではなく異界・霊界に繋がるとされる土地を巡るようになり、家でも様子がおかしくなる


良樹は徳島の実家に帰る 以前と変わって元気がなくなり、段々と喋らない動かないようになる 病院につれていくが病気ではない 動かなくなる直前に「向こう側に行くために」輪を作成する その後動かなくなり、家の二階で横たわっている

飯沼一家は火災により長男以外が死亡 長男は北海道の叔父の家に引き取られ、その後のりんご農家を継ぎ、閉園後も自営業をしながら妻子と暮らしている

飯沼一家に謝罪しますが放送

今回の番組が作成される

②どこで入れ替わったのか
明確な示唆があったわけではなく推理というか想像の域になるが
★のどこかで入れ替わる儀式を行ったと考える

家に引きこもり、オカルトにハマり、荒れ狂い家族から疎まれる孤独の飯沼明正と、野球部4番で成績優秀な良樹は正反対のように見える

しかし良樹もまた、父の存在が全く見えない岸本家で、あの強引に筋を通させる気迫と謎のツテを持つ母との生活は苦しかったのではないかと想像される

そんな二人が替玉という形で出会い、あの夏休み、あの家でなんらかの接点を持ったと考える

明正が良樹に素直に話をできたかどうかはわからないが、同い年でもし素直につらさを共有できたとしたら、お互いの境遇を羨んで本当に入れ替われたらと願ったのだとしたら

矢代教授の儀式で使われた木箱が岸本家にあった為、良樹が手に入れた後、あの紙を明正に見せた可能性がある 家族へ絶望し、恨みが募った明正は家族を呪い、良樹と入れ替わることを本気で望んだだろう


③入れ替わり後

オカルト好きの明正が何らかの儀式を行って、家族を呪い、二人の精神が入れ替わった(輪を使った?)
良樹の身体に入った明正が徳島に帰り、明正の身体に入った良樹が飯沼家に残ったとする

飯沼家 
明正に呪われ、様子がおかしくなった一家は火災でなくなるが、死に向かおうとする性質のせいか明正の体に入った良樹の仕業かは定かではない
ただ火災によって明正(良樹)がより遠くの北海道に行くことができたのは事実であり、岸本母のわからないところで暮らすことができるようになった
りんご農家を継ぎ、閉園後も自営業をしているとのことで、家も街からは離れているようであり、人目を避けて生きている 
これは母から逃げているようにも見えるし、自分が行ったことへの罪悪感から来るものにも見える(今回のテーマ、贖罪謝罪からの回避)
ただし、明正(良樹)には妻と子がおり、幸せそうである ここは良樹(明正)とは全く違う

岸本家
良樹の体に入った明正が徳島の岸本家に帰るが、以前の良樹とは違うため元気がないようにも見えるのは当然である
また矢代教授の儀式に参加した(身体)、もしくは家族を呪った(精神)どちらかの代償として、段々と心身ともに弱っていく
「向こう側に行くために」と言いながら輪を作っていた点からは、向こう側(自分の本当の身体)に帰るために輪(入れ替わる儀式の時使った)を再び作り、必死に元に戻ろうとしていたとも考えられる
しかし戻ることはできず、動けなくなってしまう

その後、岸本母が四十九日の裁き(四十九日までは極楽か地獄に行く前の魂が彷徨っているので、魂を戻そうとするもの?)を行わせ、おそらく矢代教授を依り代として良樹(明正)の魂を戻そうとした
そもそも身体と魂が違うことや儀式が正しくなかったのか、儀式は失敗し、良樹(明正)の身体と岸本の身体が融合して目覚めることなく身体のみが生き永らえるままとなった?(これも明正とっても矢代教授にとっても苦痛の続く地獄と言えるかもしれない) 機械をつけて生き永らえさせているのは岸本母である

つまり、良樹は明正を犠牲にして現在幸せに生きており、そのことを良樹は理解していると考えられる


④良樹の罪
・明正にあの紙を見せて、怒りや恨みを煽り、魂の入れ替わりを持ちかけたこと
・母との苦しい暮らしや呪われた身体を明正に押し付けたこと
・飯沼家に火をつけたこと ?
・明正を騙り、明正の人生を奪い、幸せに生きていること
・家族を騙していること

最後の一言はこれらに対する謝罪なのかなと思った


⑤その他
・矢代教授はまさか影として人名しかも家族の名前を書くとは予想していなかったと思われる 
不幸を追い払う儀式から人を呪う儀式に変わった為に今回の悲劇が起こってしまったのではないか 人を呪わば穴二つとはよく言われるので、呪詛返しですらなく飯沼一家が自ら招いたとも言える

・引きこもりで人馴れしていない明正は、警戒心は高いだろうが一度打ち解ければ成績優秀の良樹にうまく使われてしまった可能性は高い
・良樹はカメラで自撮りをしていたが、それで自分が呪われてしまっていることに気づいたのではないか?
・真っ黒の写真は入れ替わった後に明正が自分の身体(良樹)を撮ったものか? 他の写真を見てどういうことか明正は呪いのことをわかったが時すでに遅しで輪を作るも間に合わなかったのか
・明正(良樹)が最後に出したテープは入れ替わり後に明正(良樹)が撮ったものか?
・木箱を持ち帰る、輪を作るなどの行為からして良樹というよりはオカルト好きの明正のしそうなことだと思った
・りんごを明正(良樹)が毎年岸本家に送っているのは、逃げた実母への思いがまだある、犠牲となった良樹(明正)への表面的な償いの意があるように思う

・岸本母は息子が入れ替わっていることに気付いているのかどうかで話が変わるが、よくわからない 
「絶対に放送してほしい」と言っているところから、テレビが来るということは何かあると睨んでいるだろう 要介護状態の良樹(明正)を二階の暗室に布団もかけずに放置しているのは大事にしているようには見えない 息子のことを「あれじゃ」とも呼んでいる
中身が違うことに気付いているのか 教授とくっついたことで諦めてしまっているのか 
結末を考えると気付いているようにも思える
・岸本母はなぜ息子の良樹への謝罪ではなく、飯沼一家に対して謝罪を求めたか? もし呪われたのが本当は自分の息子ではなく明正(良樹の体であっても)であると知っているのなら、飯沼一家に対してと言うのもわかる
またなぜわざわざ会社を立ち上げてお金をかけてまで番組を作って謝罪させたかったのか? 矢代教授を見せしめる為でもあるだろうが、メディアを出してどうにかいなくなった息子良樹の魂の宿る者にどうにか現状を見てほしかったのではないかとも考えられる 

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