21/n 80TXLスピードカットナノの指針 チェンソー、ソーチェーン(チェンソー用チェーン)、目立ての正しい理解
ソーチェーンサービスジャパン(略: SSJ)です。
SSJは当事業体(2024年2月スタート予定)の宣伝も兼ねて、タイトルの記事をシリーズ化してnote上に公開することにしました。本記事の内容はXアカウントのhttps://twitter.com/SSJP2023 固定ツイートで先行公開していますが、noteで公開する内容は、Xアカウントで公開中の資料 「4D Sawchain Study」の「 V.1.25」以降の内容となります。
80TXLにするか否か(80TXL-325LP-043-NK
もう自分の分で使ってるよ!という方は頭の整理と混乱に、考えてるよ!という方は混乱に…
結局「材の径も関わってくるパワーバランス」なので明確な答えはないのですが、純正採用している機種も少なく、指針となる情報も不足しているので、敢えて文章にして残しておきます。経済学者の上がる下がるの経済予想よりは精度が良いと思います。
本体純正仕様が1/4LP以外であれば、コンバージョンキットの展開に沿って、予備の部品が切れたタイミングで換装してしまうのが、作業時間全体のトータルで1番良いとSSJでは考えます(作業時間やアウトプットはあまり気にしない、手持ちの本体の仕様を揃えて予備部品の共有化を重視する場合は費用対効果で×です)。大事なのはピッチ(≒シーケンス)、ゲージ、カーフ、カッターシェイプ、チップフロー、ジオメトリーが絡んでくるので常に〇〇が正解というわけではないことです。
これは50cc以上で325や3/8、シーケンス、65ccより上から404も含めて考えることにも繋がります…といっても、2024年現在ではここらの選択肢はできないので考えても無駄になります。ここらが選択できると、大径木含めた材の切り出しや樹上作業の時に、回転数が落ちてチェンソーのバー全体を一度材から引いて入れ直したり、そうまでしなくともチップを出して負荷を減らす為にシーソーのような使い方をすることが減ったり、バーを届かせる為にポジションを逆にしたり、バーを材の中で進めるのに余計な力が必要無くなったり…といっても、こなせる1日の現場数まで変わるまでではないと思うので、ヤサグレ文章はここまでにしておきます。特伐や大径木ならその日の現場が思ったより30分~60分早く終わるぐらいでしょうか。閑話休題。
vs 1/4LP-043-NK(≒25cc以下相当)
元々がこの仕様(といってもMUC×M11やMS150&151シリーズ×71PM3ぐらいですが)で、剪定以外も1台でなるべく全ての作業をこなしたい時以外は変えない方が良いでしょう。80TXL化すると剪定の時に枝が細いほど、元からの比較でフッキングで振動が増加したり、切り落とす寸前で枝が垂れて切り損ねたり、枝の飛距離が伸びて、特に造園では片付けが大変になります。MS150&MS151で竹や小径木もカバーしたい場合はバーの延長含めて換装しても差支えありません(ピッチによるカッター数の減少と、ピッチによるチップフローの向上、トンネルも大きいので1/4LP NKでそのまま切断長を伸ばしてバー長に見合った作業をするより回転の落ちや止まりが発生し辛くなります)。
vs 1/4-050(≒25cc~35cc相当)
1/4=25APです。25APは基礎設計が古く、ワーキングコーナーが他のマイクロチゼルよりも幅広で、トップエンドが尻上がりになっています。この為、カッター1つあたりに対するダメージには強いですが、カッター1つあたりの切削効率が低いチェーンです(当然燃料消費も増えます)。古いチェンソーを使っているから振動をなるべく抑えたい、切り口をなるべく綺麗にしたい、まだ伐倒に自信が無いからゆっくりやりたい、純正から4インチ以上短くしたい(325にするとパワーに比べてカッターが逆に少なすぎる)というような場合を除いて、いわゆるプロユーザーほど80TXLに変えた方が良いと思います。25APはトンネルとピッチでチップフローも低く、チップの巻き込みも出るので、80TXLに比べて頂点の損耗も目立てに掛かる時間も余計です。
こんなこと言ってますが、25APがアップデートされたり、他社から1/4の現行技術版が出たりすれば評価は変わりますし、バーの材質も含めた80TXLのデチューン版が出たりすると、価格含めて評価は二転三転します。
vs 3/8LP-043-NK(≒25cc~35cc相当)
3/8LPの発祥自体がピッチを伸ばしてバー長あたりのカッター数を減らした「1/4のデチューン版」であり、更にそこからNK化した90PXや61PMM3は、アップチューン版というよりは、91や63、25の間で力不足なチェンソーに対する穴埋め的な立ち位置です。325化することで切削効率の為のカッター数が適切化されると考えると良いでしょう。開発元も「80TXL=バッテリーチェンソー用」としてだけでなく、この辺りの作業効率の上昇を本命にして開発しています。
"BORING"の向上が他に比べて著しいのは、切削効率の要因が異なるからです(斜めは材に対する角度×ワーキングコーナーのジオメトリーで異なるというSSJ見解)。(ここからは推測)加えて、ドライブリンク(DL)のバンパーが、デプスより後方側に伸びている=ノーズ付近でデプスゲージの代わりに噛込量を適切に抑える構造になっているからと思われます。このドライブリンクバンパーの設計の違いは、私以外「バンパーの有無」以上に言及したことがある人がオンライン上では確認できないので、仮に、以下の画像左を「バランサー」、画像右を「スムーザー」とします。
BORING=突っ込み切りについては改めて6/nをどうぞ。
少し前まで、調べれば画像含めて複数ヒットしていた61PSの情報が、現在ではヒットしなくなっていますが、61PS(3が付くか付かないかは失念)の打ち出し方としては38cc~45ccのパワーレンジ(特にMS241やMS201でvsT540を狙っている印象です)と推測します。もちろん30cc~35ccでも使えますが、そこでナローカーフのフルチゼルがピッチ≒シーケンス分まで80TXLをひっくり返すかというと個人的にはそうは思いません。真実はいつも1つ???
vs 3/8LP-050(≒35cc~38cc相当)
3/8LP-043-NKに同じく、元来3/8LPがデチューン版なので入れ替えられるなら入れ替えた方が作業は捗ると思います。但し、このジャンルのチェーンが無くなるかと言うとそんなことはなく、今後は今まで以上に91は廉価版として、63の方は本体とバーまで含めて60ccまで使えます、というようなマーケティング的位置付けが濃くなってくると思います。
vs 3/8LP-050(≒38cc以上)
SP21G採用のT540や540iXPがツリーケアプロフェッショナル=アーボリストに最適とされていることからも分かる通り、ここから先はソーチェーンを適切に管理できないと、80TXLの”043(1.1mm)”がソーチェーンの破断やバーの横ブレ=エンジンやソーチェーンとの共振に対して大きなネックになってきます(よく分からずにこがるや135、MS210、MS230の代わりにT540を買ったり売ったりすることはないだろうということです)。MS241の80TXL化も可能ですが、コンバージョンキットが発売されていないのを考えると、あとは「プロショップとプロユーザー同士でよろしく」というところでしょうか。こう考えると、逆にMUCに当初80TXL仕様しかなかったのは、使い勝手や性能がなんやというよりも(強制終了)
そして混乱へ…
ここまで書いておきながら、S93Gの存在や硬度の違い、目立てができないユーザーはそもそもどうするんだということがすっぽり抜けていることに気付きました。S93Gについては実物を手に取って詳細に見たことがないのでわかりません。あしからず(明らかに他のサイズと比べて本気で作ってないというか、グーフィーで研いだようなX-cutの強烈な横刃もないですし、タイストラップのオイルデザインも?… 他のサイズのようにグリットが細かいのならもっと国内外含めてたくさん評判が出てきても良いのに、ということで興味が湧きません)。硬度はもう巷で言われているとおりで、あとはそれが母材由来なのか、メッキの厚さなのかというところです(ラボレベルの設備が無いとわかりません)。何が良い悪いかではなく…というかっこつけられるだけつけられる便利な言葉で結んで終わりとします。
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