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24/n スキップチェーンとチップフロー チェンソー、ソーチェーン(チェンソー用チェーン)、目立ての正しい理解
ソーチェーンサービスジャパン(略: SSJ)です。
SSJは当事業体(2024年2月スタート予定)の宣伝も兼ねて、タイトルの記事をシリーズ化してnote上に公開することにしました。本記事の内容はXアカウントのhttps://twitter.com/SSJP2023 固定ツイートで先行公開していますが、noteで公開する内容は、Xアカウントで公開中の資料 「4D Sawchain Study」の「 V.1.25」以降の内容となります。
スキップチェーンとチップフロー
スキップチェーンもチップフローも各回で断片的にしか説明していませんが、スキップチェーンを理解する為には、同時にチップフローを理解しないと話が進みません。今回2つとも解説します。ちなみにスキップチェーンは3/8以上、極力スクエアカッターで販売準備しています(73はスクエアのフルスキップが製造されていないので73EXJを仕入れてあります)。販売ページ(準備中)とスクエアカッターについても過去の記事をまとめておきます。
チップフロー
「なんでソーチェーンの種類ってこんなに多いの?」という疑問への答えは1つではありませんが、その中の1つとして「チップフローを維持する為」というのがあります。チップフローとは切り屑の流れのことであり、チップフローが悪いとチェンソーは回転が落ち込んで最悪ストールします(症状はチェーンが材に挟まれた時と似ていますが、実際には切り屑が詰まってチェーンの回転を妨害します)。
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メインはサイドカバー(クラッチカバー)です。
サブとしてチップがバー側面を通ってスパイクやバーノーズ側に分散します。
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40RPMでのチップキャリーの様子
「ピッチが狭い(小さい)=キャリースペースが狭い」です。ピッチはそのまままバーを長いものに入れ替え、長さに見合った作業をすると、カッターの数だけ抵抗が増えるだけでなく、チップフローの負荷も増大します。チップフローの観点だけに絞って改善&対応策を列挙します(標準の長さでも有効です)。
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=キャリースペースの増加
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=チップを後方のキャリースペースに流してチップの留まりを防ぐ
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=
画像程でなくともカッターエンドの内側を削ってトンネルの出口を開くだけでも効果があります
切れの速さを求められる伐木競技用では、新品のカッター進行方向側から半分程削り落とすそうですが、カーフの減少か、チェーンの重量の低下か、キャリースペースの増加か、または全てが大きく影響しているのかSSJでは実験したことがありません。尚、トンネルが広い=カッターの背が高いままの方がチップフローとしては良くなります(後ろ側から削り落としたら反則になるのやも)。
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デプスゲージとカッターの間のキャリースペースの拡張
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画像のような旧型のデプスゲージの方が体積が少なく、カッター間のキャリースペースも稼げるのでチップフローが向上します。
STIHLのRSKの"K"の部分です
「カッターの持続性や耐久性」を損なわずに他にも切れ味を向上させる手段がありますが、過去に解説しているのとチップフローの趣旨からは外れるので割愛します。と、チップフローだけでも長くなってきたのでスキップチェーンについては次回に続きます。