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アウトライナーを楽しむマガジン

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このページはアウトライナーの活用法・Dynalistアップデート情報などのアウトライナーに関する役立つnoteをまとめたマガジンです。私が講師を務めるUdemyアウトライナー講座…
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piece 12:ビジョンと欲望

ビジョン「デイリー」を離れて、少し上の階層で人生の時間について考える。「ビジョン」についてだ。 Mac付属の「スーパー大辞林」によれば、「ビジョン」には以下のような意味がある。 ① 将来のあるべき姿を描いたもの。将来の見通し。構想。未来図。未来像。 ② 幻想。幻影。まぼろし。 ③ 視覚。視力。視野。 ④ 見えるもの。光景。ありさま。 「ビジョン」を意識するようになったきっかけは「手帳」の進化だった。ある時期から予定・アポイントだけでなく「ビジョン」を扱う機能を備えた手帳

piece 11:思いと流れとシェイクとRe:vision

「文章を書くようにデイリータスクリストを作る」ことの意味をもう少し考えてみたい。単にリストとして書けばいいものを、わざわざ文章として扱うというとやっぱり面倒なイメージがあるかもしれない。いやまあ面倒ではあるのだが、でも本当にそうだろうか。 タスクを書くことは楽ではないまず、リストとして書き出せばいいといっても、そもそもリストを作ることはそんなに簡単ではない。リスト(箇条書き)を文章より楽で簡便なものと考える向きもあるようだけど、リストは文章と同じくらい奥が深いものだ(舐めち

第十八回 投網としてのアウトライン

一日の最初にデイリータスクリストを作ることも、執筆の最初にアウトラインを立てることも、共に「投網を投げる」ことだと言えます。網を投げて、魚を捉えようとするのです。どういうことでしょうか。 ばさっと海面に投網を投げれば、範囲が決定されます。その網の内側と外側が生まれるのです。私たちは、その網の内側にだけ意識を向ければ済みます。網の中にあることだけを考えるのです。 それがデイリータスクリストに「今日やることだけ」を書き込むことです。あるいは、アウトラインに「その本に書くこと」

piece 10:日々の上にある階層

階層を意識する「アウトライナーで文章を書くようにデイリータスクリストを作る」ことについて見てきたけれど、同じ考え方はデイリーだけでなく、ウィークリーにもマンスリーにもイアリーにも適用することができる。 もちろん、作れるからといって機械的にウィークリーやマンスリーやイアリーのアウトラインを作るのがいいのかというと、たぶんそうではない。ただ、デイリー(=今日)について考えるとき、それはもっと大きな時間の一部だと意識することは重要だ。 アウトライナーを操作しているとわかってくる

第十五回 第三の方法としてのアウトライン

「文章を書く前に、アウトラインをちゃんと作りなさい」 と教わったことがあるかもしれません。「ちゃんと」ってなんだよ、という気持ちもわずかに生まれますが、それを除けば私もそのアドバイスには賛成です。 今から書こうしている文章で、「何を、どのように」書くのかを検討し、その結果を一列に並べて表示しておくこと──アウトラインを作ること──はたいへん有用だと言えます。 そしてそれは、「一日を始める前に、デイリータスクリストを作っておきましょう」というアドバイスと基本的には同じこと

piece 9:デイリーアウトラインの運用⑤ 一日がかりで書く日記

アウトラインは変えるためにある割り込みが次々と入って、やろうと思っていたことが何も終わらないまま終わったある日の午前、そのとき選択ツールとしての「できれば」が活躍する様子で前回は終わった。アウトラインを組み替え、今日中に無理にやる必要のないと思えるDOを「できれば」に落とし、午後は気を取り直してキャッチアップしようとしていたのだった。 今回もその続きなのだが、午後からは順調に物ごとが進み、結果的にすべて終わったのかというと、そんなことはなかった。 もう一度前回までのデイリ

第十三回 タイムラインにならぶ過現未

時間と行動を扱うツールには、面白い特徴があります。 たとえば、手帳を思い浮かべてください。今日が6月23日だとしたら、それ以前のページに書かれたことは「過去」であり、6月23日のページは「今日」であり、それ以降のページは「未来」になっています。 これらはすべて「記録」ではあるのですが、過去の記録は「結果・実績」であり、未来の記録は「予定・計画」であり、手帳を使うということは、「今」という点を過去から未来に向けて動かすことで、「予定」を「結果」に書き換えていくことを意味しま

タスクリストに未来の「意志」も記録していこうと思った

こちらの倉下さんとTak.さんのnoteの連載をご存じでしょうか。とてもおもしろいです。 Tak.さん連載の最新記事では、タスクリストに意志を組み込むという話が出てきます。 DOが単なるタスクと違うところは「意思」が組み込まれているところだ。ちょっとだけアウトラインを直して、たたみ込まれていた内容を「つもり」(意思)と行動(DO)に区別してみる。 タスクリストの中に意志と行動が含まれています(Tak.さんはこのリストのことを「デイリータスク(DO)リスト」と書いています

piece 8:デイリーアウトラインの運用④ 選択のツールとしての「できれば」

やろうと思ったことが何もできない日 「piece 7:デイリーアウトラインの運用③ 書き換えながらコントロールを保つ」からの続き。午前中を終えた段階で予定していたDOは何ひとつ終わっていないどころか、割り込んできたDOさえ終わっていない。 一日は以下のアウトラインからスタートした。 お昼前には以下のようになっていた。 もともとは「原稿Тの構成再検討」を午前中に済ませるつもりだったのだが、途中でN社からの突発的な依頼に中断され(そのためもともと6個目にあった「N社依頼案件

第十一回:Open your mind, close your list. その2

もしまったくリストを閉じないで一日を進めていけばどうなるでしょうか。 リストをまったく閉じないということは、入り口と出口の境目がなくなることを意味します。境界線が消えるのです。つまり、一見デイリータスクリストのような形をしていても、それは実質的にすべての「やること」を含んだTodoリストと変わらなくなってしまいます。 図を用いて説明してみましょう。 デイリータスクリストを作るということは、上記のように「その日」のノートなり項目を作って、その日にやろうと思うことを書き留め

第九回:リストを動かし続ける

デイリータスクリストに、「その日やること」をリストアップし終えたら、あとはそのリストを使いながら作業に取り掛かるだけですが、その前に少しだけやっておきたいことがあります。 それは、リストの項目をできるだけ「実行する順番に沿うように並べ替える」ことです。一番最初に実行するものをトップに、その次に実行するものを二番目に、といった具合に配置していくのです。 この作業は、デジタルツールなら簡単に行えます。コピペ、ドラッグ&ドロップ、ショートカットキーなどが移動をサポートしてくれま

piece 6:デイリーアウトラインの運用② 仮アウトラインと仮サマリー

デイリーアウトラインづくりの続き。「デイリーアウトラインの運用① フリーライティング」でフリーライティングした今日のイメージをアウトラインにする。 どういう順番でもいいけれど、ぼく自身はベタ打ち状態のまま見出しをつけていき、後から階層化・並べ替えすることにしている。操作は一度にひとつに絞るのがコツだ。いろんなことを同時にやろうとすると収拾がつかなくなりやすい(まあ、この程度の分量なら同時にやっても大丈夫なのだが、分量が増えるほどこの原則は重要になる)。 フリーライティング

第八回:デイリータスクリストで一日を始める

理想と現実の関係性を確認したところで、実際のデイリータスクリストの運用についてみていきましょう。大きく三つの段階があります。 ・リストを始める ・リストを使う ・リストを終える リストを始める前日の夜、ないしは当日の朝に、リストを作り始めます。 この際、新しいページ(項目)からスタートするのがポイントです。ゆめゆめ前日のリストを使い回すのはやめておきましょう。この点は「リストを終える」で詳しく紹介しますので、心に留めておいてください。 とりあえず、その新しいページに、

piece 5:デイリーアウトラインの運用① フリーライティングする

楽しんで書くデイリーアウトラインづくりはフリーライティングから始まる。 文章について個人的に感じていることがあって、それは力のある文章は楽しみながらでないと書けないということだ。ここでいう「楽しみ」にはいろんな意味があるけれど、必ずしも「楽しいことを書く」ということではない。リラックスして楽に書くということだ。 朝のコーヒーを飲みながらでもいいし、夜ビールを飲みながらでもいいし、湯船につかってiPhoneで書いてもいい。通勤していたときは朝食ついでのカフェでというパターン