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「写真で後代に東ア船を伝える」-羅針盤#3-2
✔ 写真を通じて東ア船を伝える.
✔ 多様性がある集団だからこそ,できることがある.
※前回の記事はこちら.
———次に,東ア船に乗る前に,東南アジアに対してどういうイメージがありましたか?
よーだいさん(以下,Y):ひとつあったのが,全然日本人と東南アジア人と考え方とか価値観が違うのかなあと思ってました.例えば,自分が日本人と友達をつくるアプローチと,東南アジア人に対するそれは絶対違うだろうなと思ってました.
———なるほど,根底から異質であると.
Y:あと,東南アジアの中の,例えばカンボジアであろうとミャンマーであろうとベトナムであろうと,同じ感じの国なんだろうなあとも思ってました.
———なるほど.東南アジアに対しては一枚岩的というか,国ごとの違いはあまりないんじゃないかと思ってたということですね.
Y:そうですね,まあ大きく分けて,インドネシアとかは島国だし他のくにとは違った国民性はあるだろうけど,基本的には結構似てるんだろうなと思ってました.カンボジアとかラオスとか,あの辺は陸続きですし.
———インドシナの方ですね.
写真で後代に東ア船に伝える役割を.
———よーだいさん自身,東ア船でこういうことしたいとかはあったんですか?
Y:役割がないまま参加するのは絶対いやだなと思ってたので,何かしらの役割とかポジションは取ろうと思ってました.それで自分はプレスチームのリーダーをやらせてもらいました.事前研修の前は,東南アジアからはエリートがたくさん来るという話は聞いてたんですけど,実際日本の参加者もエリートの集まりじゃないですか言ってしまえば(笑)
———まあそうですね(笑)
Y:だから,東南アジアの青年たちと最初に会った時も衝撃でしたけど,自分としては日本参加青年と最初に顔を合わせた事前研修の時の方が衝撃でしたね(笑)こんなすげーやつら来てんのか(笑)って感じでした.
———結構なんか学生から見たセアップと社会人から見たセアップは違いますよね.
Y:そうですね.自分たち社会人からみたら,「これ学生に勝てんのか笑」って思ってました.
———いやいやいや(笑)
Y:「うわこれ学生のレベル高すぎるから俺たちうかうかしてたら全部いいとこもっていかれるぞ」みたいなことは思ってましたし,実際他の社会人何人かともそういう話はしてました.
———その自分の役割を見つけるというところで,プレスを選んだ理由とかはあったんですか?
Y:カメラとか写真とかにもともと興味があったわけではなかったんですけど,自分が東ア船に関する情報収集をしてた時に,やっぱり写真があると結構イメージが湧くんですよね.写真を見てるだけで,「なんか楽しそうな事業だな」っていうのがわかる.それって,やっぱり撮り手が上手いからこそなんですよね.そうやって自分も,後の代に東ア船を伝えていくことがすごい素敵なことだなと思ったので,プレスを選びました.
———いや素晴らしいですね.
Y:まあ,かなり後付け感は否めないですけど(笑)
———後付けでもそれだけ軸もってやられてるのはすごいですよ.
多様性を活かす
———実際船に乗って,今振り返って東南アジアに対するイメージって変わりましたか?
Y:もちろんです.やっぱり10カ国あって,それぞれの国民性があることは学びました.あと最初に言った異質感みたいなものはなくて,それこそ友達に対するアプローチとか,日本人がされて嫌なことと彼らがされて嫌なことは,根底では変わらないなというのは感じました.
———船の中で特に印象に残ってるエピソードはありますか?
Y:一杯ありますね(笑)どれを言おうかな(笑)自分,SG(注1.Solidarity Group)がすごい好きで,SGでモーニングコール(注2)とかモーニングエクササイズ(注3)とかやるんですけど,うちのSGでは何やるにしてもとにかく全員で作ろうというのをコンセプトにやってたんですよね.ほかにもSG対抗のパフォーマンスイベントとかでも,全員でインドダンス踊ったんですよ.そういうコンセプトでやってたので,ミーティングとかも全員集まるまで始めない,そんな感じでした.でも,やっぱり全員集まったらアイデアがものすごい出てくるんですよ.11カ国30人くらいいるので.そういう多様性があるからこそ生まれるアイデアがたくさんあったんですよね.それって例えば,日本人30人の場合だったら絶対に同じようにアイデアがポンポン出てこないと思うんですよ.
———バランスよく1カ国から3人くらいずついますもんね.
Y:その中で,例えばインドネシア人が音楽決めて,振り付けはフィリピン人が決めて,ちょっと争いそうになったら穏やかそうなミャンマー人が調停に入る,みたいな役割分担の図が完璧に出来上がってました.「これってそのまま国際会議の場とかでも適用できるんじゃないか?」とも思いましたね.
———逆に,乗る前まで想像してなかったこととかありますか?これは期待してなかったけどみたいな.
Y:宗教的なことですね.特にイスラム教.ムスリムの中にこんなに多様性があるのか,っていう発見がありました.船内でのルームメイトの1人がインドネシア人のムスリムだったんですよね.以前に,ムスリムの人は冷蔵庫にお酒入れただけで嫌がる,みたいなことを聞いていたので,大丈夫かなって思ってたんですよ.お酒持ち込みたかったんで(笑)それでいざ初日に,そのルームメイトに「これ(お酒)冷蔵庫に入れても大丈夫?」って聞いたら,「いいけど俺が飲んじゃうかもしれないぜ(笑)俺酒好きだから,お前のやつと俺のやつ交換しようぜ!」って言われて(笑)それで,ムスリムの中にもいろんな人がいるんだなあって思いました.
———ほんとそうですよね.
逆にフィリピン人でイスラム教進行してる人の場合だったら,ものすごい敬虔な人が多かったりする.同じ宗教を信仰する人の中でも,その中にこんなにも多様性があるのか,っていう驚きはありました.
>次回は最終回.#3-3「自分を見限らない」に続きます!
注1 Solidarity Group
事業中のあらゆる活動において,集団行動をする単位となるグループ.略してSG.1カ国から約3人ずつ,11カ国混合のおよそ30名のグループ.全部で11グループ(SG AからK)ある.
注2 モーニングコール
船内において,毎朝7:00に行われる朝のアナウンスメント.注1のSG持ち回りで行われる.
注3 モーニングエクササイズ
毎朝7:30からホールで行われる朝の運動.日本で言うところのラジオ体操的な位置づけのもの.これもモーニングコールと同じく,SG持ち回りで行われる.
(編集後記~ざーたくの戯言#3-2~)
東南アジア青年の船には,日本とASEAN10カ国の合計11カ国,それぞれの国から約30名の青年(日本は約40名),合計約320名の青年が集います.これだけの大所帯なので,知り合ったり話し合ったりする人は限られますが,その中でも特にSGのメンバーは親密な関係になります.しかも,SGには必ずすべての参加国の人がいるので,どの国の人とも仲良くなり,どの国にも家族のような存在ができるのはこの事業の魅力の一つです.事業終了後も,ASEANの国に訪れて再会を楽しむ青年は数多くいます.(東南アジアの国に行けば,誰かしら泊めてくれるので宿代が浮くのもまた一ついいですね(笑))
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※本note,及び「羅針盤」ウェブサイトに掲載されている内容の一切は,「東南アジア青年の船」事業主催である内閣府の公式見解ではありません.