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[読書記録-3]建築思想図鑑

みなさまこんばんは!インテリアデザイナーのSHOKOです。


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今回はインテリアデザイナーやインテリアや建築を学ぶ方向けの記事です。今回は建築思想の本ですが、インテリアを仕事にする上でも建築思想に触れるのはとても有意義なことだと思うのでおすすめです。


①基本情報


編著者:
松田 達(まつだ・たつ)
横手 義洋(よこて・よしひろ)
林 要次(はやし・ようじ)
川勝 真一(かわかつ・しんいち)
イラスト:寺田 晶子(てらた・しょうこ)
出版社:学芸出版社
発売日:2023/9/23
単行本:256ページ
カテゴリー:建築思想



この著書は、著書名の通り「建築思想」を分かりやすくテキストとイラストで表現した本だ。

編集者の構想から始まり、著者である松田氏に相談があったそうだが、分かりやすい説明のために多くのことを削ぎ落しながら編集をしていく作業は容易ではなかったようだ。

ーすごく面白そうだけど、同時にすごく難しいと感じた。建築思想を簡潔に説明することも難しいけれども、イラストで説明することはもっと難しい。
ー中略ー
分かりやすい説明のためには、多くのものを削ぎ落す必要がある。それは容易ではない。けれども、こうした難しさを押してでも、本書を実現させたいという想いが増した。ただ、案の定――それから8年の歳月が経ったのである。

建築思想図鑑 p.3より引用

建築書の原典と言えば、ウィトルウィウスの「建築十書」(紀元前1世紀)。建築系の学校の建築史の講義で一番最初に習う内容だと思う。
紀元前1世紀から現代までの建築思想を1冊の本でまとめるのは本当に大変な作業だったはずだ。膨大な内容をまとめ切った著者に本当に敬服する。

②この本の楽しみ方・活用方法

◇目次を見て好きなところから/あるいは最初から

この著書は下記の5章で構成されている。

第1章 近代以前(~1851)
第2章 近代1(1851~1914)
第3章 近代2(1914~1945)
第4章 現代1(1945~1970)
第5章 現代2(1970~)

章ごとに2~4ページ単位で建築思想がまとまっている。
目次は思想そのものを示す言葉であったり、あるいは思想を書いた著書名であったりする。

時系列ごとに読みたい、あるいは初学者は最初から読むのがおすすめ。
目次を見て辞書的に活用するもの良いと思う。

◇思想ごとの関係性を知る

p.8~15にある建築思想マップと建築思想関連年表は本文と相互に見るのが良いだろう。

学生の時に読んだ覚えがある思想本は、その本単体で独立しているような関学があった。改めて年表とイラストで見ると他の思想との繋がりや新しい視点を与えてくれ、より理解が深まった。

◇建築書(思想)の概要を知りたい

建築書は物によっては難解な内容が多いと思う。大学の研究室や有名建築家が「建築必読書」として紹介しているほとんどの本が難解だと思っている。

※建築思想は建築書として残されている場合が多い為、ここでは「建築書=建築思想」と読み替えて頂ければ幸いだ※

これは洋書から翻訳されていたり、暗喩や比喩を使っていたり、建築特有の言い回しや詩的な表現をしている場合があるので内容を咀嚼するのに時間がかかるからだ。また、前提となる基礎知識がない場合は、他に関連書籍を数冊読まないと理解できない場合もある。

大学時代の研究室の教授が推奨していた建築書の読み方は「1回目は精読する、2回目は必要なところだけピックアップして読む」方法。
他大学の大学院に行った友人が推奨していた方法は「目次を読み、冒頭のはじめに、巻末のはじめにを読む。本の概要を知り、必要な時に本文を読む」という方法。

私がよくそういった建築書を読む前に行っていたのは「概要をブログなどで調べる」という方法を取っていた。先に本の概要を掴んでから読む方法だ。

精読には時間がかかるので、概要を掴んでから本書を読み進めている。

この著書があれば「建築書の概要を知る」という部分がとても容易になると思う。

◇昔読んだ建築書の内容を振り返りたい

学生の頃に一度読んだきりで内容を忘れてしまって、内容を振り返りたい方にもおすすめできる。

かくいう私もその一人。だいぶ前に読んだけどうろ覚え、、

必読書と言われる建築書は古いものも多く、ほとんどが電子書籍化をしていなかったり、新書の購入が難しかったりする場合がある。

もう一度読み返したいけど手元にない、すぐに手に入らないという時でもこの著書が役に立つと思う。

③おわりに

建築思想を知るのに手元に1冊あると非常に便利かなと思います。
学生の時にこの本があったら良かったなと思いました。

今回の読書記録は以上となります。
それではまた次回お会いしましょう!

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