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金具屋旅館をオススメする
22/11/3〜22/11/6で4連休をゲットして金具屋旅館と萃夢荘というところに行った。あまりにも良かったので、記憶が無くならないうちに旅行記を残す、まずは金具屋から。とか言いながらめちゃくちゃ年を越してて1月も終わった。今年の抱負は、何かのレポートは2週間以内に書くことです。
こんな人におすすめ
千と千尋の神隠しが好きな人
歴史を感じる旅館に泊まりたい人
1日中温泉巡りをしたい人
インスタ映えを狙う人
猿の入浴を見たい人
淫紋のラテアートを飲みたい人
金具屋ってなんぞ
金具屋は、信州は渋温泉の一角に位置する旅館で、『千と千尋の神隠し』のモデルなのではないかとまことしやかに囁かれている老舗旅館だ。秋から冬にかけては満室であることが多いが、なぜか奇跡的に1室が空いていた。普段の行いの賜物かな。
出発
家から集合場所まで1時間半かかることを事前に確認していたので、集合時刻の10分前に到着するような経路を組んでおいた。これで段取りマスターだな~と思いながらじゃんたまを起動し、乗車する線を間違えた。6~7駅いったあたりで乗り間違えたことに気づき、すぐに謝罪のLINEを入れた。私は前回の同期旅行のときも(前々回も)遅刻をしており、それを鑑みて同期も私の為の集合時間を個別に設定するに至っていたのだが、それにも遅れるようでは本当に愛想を尽かされてしまう。
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なんだかんだ許してもらえたみたい。いい同期を持ってよかったと思ったし、かくしてもやし生活は数日間の延長が確定した。
その後、もう一度乗り換えをミスったり(更に5分のロス)、車内アナウンスの「うきまふなど」の脳内変換に失敗したりしながら、集合場所であるレンタカー屋さんに到着した。乗車前、アスファルトに頬ずりして誠意を見せ、予定時刻の30分遅れで車は発進した。
東京から長野までは高速道路で。ドライブのおともはSpotifyの週間ランキング(争いが少ないため)だ。車移動が3~4時間ほどあるので、道中で飯と秋成分を補給するのを忘れない。
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渋温泉到着
特に何事もなく渋温泉に到着。金具屋さんの駐車場はかなり奥まったとこにあってわかりにくいのでそこだけ注意。
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既に浴衣を着用しているジジババ群とすれ違いながら金具屋に到着。
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古い町並みのなかでひときわ背が高い建物――金具屋の宿泊棟である斉月楼――が立っており、初めて「マッッジの"楼閣"じゃん」って感想を持った。期待してた1.2倍くらい千と千尋の神隠し、予想してた4倍くらい木造。
写真お立ち台があったので早速ちまってみる(同期は本当に一般人なので、私のことを写真のポーズと頭がおかしい人間だと思っている)。ちまたのポーズの予習をしてないが果たして。
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1敗したところで、まだチェックインまで少し時間があったため、金具屋の目の前にある(本当に10歩で着く)無料卓球所へ。無料ゆえ、ラケットハゲハゲでボールパゲパゲでテーブルもネットもボカボカだったが、結局30分ほどやってしまった。
卓球って「学生時代は全然興味ないけど、社会人になってやってみると楽しいスポーツ第一位」みたいな言説があるけど、最近それは半分間違いだと気づいて、正しくは「学生時代は全然興味ないけど、社会人になって体力が衰えてきた状態で唯一できるスポーツ」なんじゃないかと思う。っていう話をしたら「いやめっちゃ体力いるわ」つって福原愛にビンタされた。
チェックインの時間になったので金具屋の受付へ。靴を脱いで座敷にあがると既に""伝統""感が漂っていて、木彫りの牛の置物があったり、なんかよくわんない木の置物があったりした、置物ばっかじゃん。伝統感に気圧されてしまい、受付中はずっと正座していた。ワクチン接種証明書を忘れてしまい、私の宿泊料金は5000円ほど高くなった。
長年の勤務が板についてきたのか、軽く客を舐めた態度をとっている女将に館内を案内される。この感じ悪くない。館内の装飾に凝らされた趣向の数々を話半分で聴きながらお部屋に到着。
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部屋に荷物を置いて風呂に入る……前に少しだけ館内を探検することにした。館内が激広いので、お風呂の後だと汗をかくと思ったからだ。
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映えそうなところで一通りわちゃわちゃしてから、一発目のお風呂、「龍瑞露天風呂」へ向かう。
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露天風呂は他の客がおらず貸し切り状態だった。これは撮るしかねえぞと露天風呂の風景と同期の裸を撮影。とても赤みがかっていて、小刻みにぷらぷらと揺れている様子が印象的だった。紅葉の話です。
露天風呂内には使用可能なシャワーが1つしかないため、使用者以外はがたがた震えながら待つしかなかった。これが唯一にして最大のマイナスかも。また、天然温泉ゆえにお湯の温度はまちまちなのだが、(私はそんなに感じなかったけど)今回はかなり熱かったほうらしく、私以外の3人は全身浸かるのに1分程度かかっていた。参考までに、私は家のお風呂を45℃で沸かしている。
30分ほどツヤスベした後、一旦買い出しの時間。街巡りがてら今宵の不夜城セットリストをかき集めることに。狂うためには入念な準備が必要だ。
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温泉街の下の方には誂えたように酒屋があった。信州のお酒はあらかた陳列している様子で、ビールとワインを買い込んだ。私はそこまで全国のお酒を嗜んでいるわけではないが、信州のお酒には全幅の信頼を置いている。信州浪漫最高。
1時間ほど散策して部屋に戻った後、私は1人だけ別行動をとった。全宿泊者が無料で参加出来る、館内文化財巡りに参加するためだ。集合場所である大広間に2分30秒遅れで行くと、既に大量の宿泊客が集まっていた。少なく見積もっても全宿泊客の半数は参加している様子だ。
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次期館主が金具屋の歴史について説明をしてくれた。説明内容は実際に泊まって体験してほしいので省こうと思う、覚えていないわけではない。一通りの説明の後、実際に館内を移動しての説明があったのだが、客全員で移動するため、床が軋んで大きい音を立てていたのが印象的だった。いつか床が抜けるんじゃなかろうかと心配になった。
館内巡りを終えると夕飯の時間。ありえない量を食わされたがそのすべてが美味くて最高だった。懐石料理(の特に小鉢)ってあまり馴染みのない食材やら味付けやらが多くて、手を付ける前にそれなりの覚悟が必要になる気がする。そのぶん普通の刺身とか鍋とかの信頼感がデカくなって嬉しい。
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食べ終わったあとは腹ごなしがてら、すっかり暗くなった外を散策する。1歩目を踏み出した瞬間、浴衣の下に着込まなかったことを後悔した。11月の信州は薄着の者に容赦がない。
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最後らへんは市場の神降ろしにもだいぶ慣れてきた。同期も感化されて、変な体勢で建物を指刺すポーズを取ったりしていた。これに関しては私が悪いのではなく、IQがVUCAの同僚に対応できる、彼らの柔軟性を褒めてほしいと思う。
撮影もそこそこに、部屋に戻ると不夜城タイムが始まった。
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部屋がチートスとさきイカの匂いで満たされ、お酒の空き瓶がだいぶ増えてきた頃、成人男性4人は色恋の話に花を咲かす、ということは全然なくて。「最近引越したところがどうやら事故物件ぽい」みたいな話をして、事故物件検索サイトで調べたらドンズバその場所に炎のマークがついていてバカクソ笑っていた。
翌朝、この日は休日に挟まれた平日である。通常の勤務開始時刻の2時間前に朝飯を食べる健康っぷりだ。
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朝食の写真をTeamsで同期に送ったところ、「今日プレゼンある」とだけ返信が来た。
その後、また露天風呂に入ったり、まだ入っていなかった内湯何個かを制覇したり、お土産屋さんでお土産を買ったりなどして、特に何事もなく金具屋を出発。皆がちゃんと部署に持っていく用のお土産を買っている中、私は自分用のサイダーを追加購入した。
渋温泉出発
この時点で時刻はまだ10時ほど。帰るにはまだ余裕があるので、近隣でよさそうなスポットを巡る。近所の自然公園で温泉につかるニホンザルが見られるとのことなので行ってみる。
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秋と戯れながら歩いていると、公園の入り口の看板と、立ち上る間欠泉が見えてきた。間欠泉は後で寄るとして、先にニホンザルの生態を追う。
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受付のお姉さん曰く、今ニホンザルが一匹もいないんですがどうしますか~とのこと。まぁせっかく来たしな……という微妙な空気の中、歩を進めると
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本当に猿一匹もいなくてウケた。そこにはただただあったかそうな温泉があるだけだった。出来ることなら足くらいは浸かりたいなと思ったけど、YoutubeLiveで放映されているらしいのでやめた。コメントが荒れる。
(追記:YoutubeLiveではなく公式サイトで配信されているそうです。失礼いたしました。https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/livecam2/video.php)
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猿温泉を後にして、回りに特にめぼしいスポットも無かったため帰路につく。車の中で今回の旅の話と、これからの仕事の話をしてプチ鬱になっていた。社会人と旅行に行くといつもこの時間があるのが悲しい。まだ少し帰るには時間があるとのことなので、途中でブルジョワの街こと軽井沢に寄って、オシャレなカフェでこの傷を癒やすことにした。お店に到着して、普通のラテを注文した。
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淫紋みたいなやつが出てきてしまった。これpixivで見たやつだ!
その後、高速道路で雨が降りだし、誰も運転手をしたがらない険悪なムードもありながら(大体あるよね)、レンタカー屋に到着した。この時点でかなり遅い時間になっていたが焼き肉屋にいった。疲れた体にハイボールと同期が焼いた生焼け肉が染み渡り、次の日の昼まで腹痛は続いた。
以上、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
腹痛のさなか萃夢想に行き、夜飲みすぎて記憶を失くしていたのだが、同行者の協力のもと記憶を掘り起こしたのでそれも文章に出来たらいいなと思う。