社会変容に臨むときの5つの悩みと、お試しの”知”3つ
システムチェンジ横丁最初の記事ということで、
私のことや、システムチェンジに臨むときのいつもの悩み5つ、最後に特に関心がある「システムチェンジ」「コレクティブ・インパクト」「システムチェンジに取り組む人たちの内面」のことも少し紹介します。
■執筆者/店長紹介(佐藤淳:Sato Jun)
「システムチェンジ横丁」自己紹介の記事にも書きましたが、略歴ははこんな感じ。
□佐藤淳(Jun Sato)、Facebook、Twitter、note
1988生まれ茅ヶ崎出身の2児の父。「社会の変え方を変える」がテーマで、コレクティブ・インパクトによるシステムチェンジ(集団的な意識・構造変容・物語共創) 実現を探求中。 企業 → RCF/新公益連盟事務局を経て、2020年4月よりフリーランス。ETIC.「子どもの未来のための協働促進助成事業」担当、他複数NPOと契約、日本おせっかい学会副会長、システム・コーチ®︎
水滸伝・Angelbeats・アニメ漫画ラノベ大好き / スペインの横丁(バル)ではお腹壊してはしごできなかった人。
これまで私が携わってきたのは、大学時代の在日難民の方々との出会いを始め、RCFでの東日本大震災の復興(6-7年)、独立したいまは全国の子ども・若者の不条理の問題等々とばらばらで。
主に、複数のセクターから成る複数~数十組織による事業の推進をしていたなあと思っています(独立後の仕事は違いますが)。
その中では、沢山の人たちと協働し、ケンカしたり、泣いて分かり合ったり、自分の痛みや恐れと向き合ったり、地域が少しHappyになったり、アドボカシーが成功したり、過去日本にないコミュニティができたり。
一方で、こんな悩みにぶつかっっていました(全然まとまらない(笑))。
1、 状況・問題構造の理解/認知ができない・一部でうまくいっても全体が変わっていかない(むしろ悪くなることも)
2、 答えがない中、共通ビジョンの表現・具体化と、そこへ進む試行錯誤が描けない(システムとのダンスができない)
3、 ビジョン実現/試行錯誤に向けた協働体制の立上と、相乗効果発揮できる生命体にならない
4、 分かり合えず、協働どころじゃない上、自分も相手も周りも傷つき苦しみながら紛争苛烈していく(新たな痛み/分断の生産)
5、 1~4を進める上で必要な知見や体感知が何で、その学習とスキル向上、自身の在りようの変化をどうすればいいかわからない
そんな悩みばっかりの中で、幸せなことに先陣きって新しい社会づくりをしている世界中の大先輩や、その実践の中で得た叡知に触れ、大きく前進する機会が多々ありました。
私自身はいちプレイヤーとして、「コレクティブインパクトによる社会システム変容(構造・意識変容・物語共創)」に取り組んでいる最中ですが、
システムチェンジ横丁では、そんな世界中の”社会変容の知”を紹介できたらな~と思っています。
■お店の紹介と、お試し”社会変容の知”
さて、堅苦しいはなしをしましたが、私の横丁の店は、店主の私とお客さんの垣根があんまりない、やかましい店がいいなと思っています。
私が「面白い!」と思った社会変容の知を色々出すだけでなく、
お客さんが勝手に厨房に入ってきて、「これみんなで料理しようよ!話そうよ!」って始まる感じ。
(いつかリアルの店を借りて、そんなことしたいな。2021年しようかな)
わかりやすく、スマートに書くのがとっても苦手だし、
そもそも自分も試行錯誤中の知を取り扱うので、議論と探求を沢山したい。
なので、反論・激論歓迎。内省せず批判だけのひとはお断りですが、自分で抱えきれずにぶちまけたい!ってひとは、一旦話そうじゃないか、と笑
noteのコメントやシェア、以下の質問BOX投稿も歓迎。
国内外、年齢問わず、会いたいといってくれるのはとっても好きなので、それもぜひ。
・・・・ということでお待たせしました! いくつか知を簡単に紹介して終わります。
□社会システム・システムチェンジの解像度を高く
まず、「社会問題解決」「ソーシャルイノベーション」「システムチェンジ」と言われるときの、社会や、システムって何?というはなし。
対象範囲(※1)や、社会変容の内容(※2)、そこに意識的に関わる主体の数(※3)など取り組む社会のシステムを解像度高くしていくことが重要で、それによって取り組み方が変わってきます。
※1:自分、1地域、複数か国
※2:リソース流動、モデル化、スケール/波及、意識や行動変化、
構造変化、価値観やメンタルモデル変容、対象時間(効果持続1年、次世代)
※3:一桁、数百、数万
(参考①)社会システムを分解してみると
→引用:Changing Systems? Welcome to the Slow Movement (By Christian Seelos Winter 2020
(参考②)システムチェンジを構想する時の6つの要素
→引用:The Water of Systems Change |(FSG)
(参考③)コレクティブインパクトによるシステムチェンジのフェーズ5つ
→引用:Collective Impact Self-Assessment and Planning Tool
□大規模な社会変容に臨むときのアプローチ
大きな社会変容を望み臨むとき、「モデルつくって拡大」だけじゃない、様々な戦略が立てられます。
(参考)大規模な社会変容に取り組む際の9つの道
→引用:Transformative Scale: The Future of Growing What Works(The Bridgespan Group、SSIR)
もう1つは、ここ数年で日本でも言葉はきくようになった「コレクティブインパクト(CI)」の参考リンク集です。これは2011年にレポートが公開され、一躍世界中の当たり前のアプローチの1つになりました。
ただ、原文の著者も述べているように、CIは過去世界中で様々なシステムチェンジが成し遂げられていた、その叡知を整理したものであり、時代や地域に合わせて進化が必要なアプローチの1つです。
★概論・進化の歴史★
CIレポート原文、CI3.0(TAMARACK:日本語訳)、CI25事例分析レポート(ORS ImpactとSpark Policy Institute:日本語訳)、ハーバードビジネスレビューCI特集(井上英之氏)
★実施方法★
CI5つのフェーズ/4項目のアセスメントシート(TMARACK)、CI readiness check(FSG)、『ソーシャル・プロジェクトを成功に導く12ステップ』(佐藤真久,広石拓司)
★ツール★
CI Resources(FSG)、CIツールキット(TAMARACK)、CI Impact forum(FSG,Aspen institute)、実務者向けCI研修レポート(日本ファンドレイジング協会)
★事例★
case study(FSG)、社会課題の解決における成果最大化に向けた協働の海外事例調査(内閣府)
□「心身の幸せが社会変革につながる」研究
最後は、私が大好きなStanford SOCIAL INNOVATION Review(SSIR)というソーシャルイノベーションを専門的に扱うメディアにて、2020年初旬に公開された「内面の幸福と社会変革とのつながり」に関するシリーズ記事です。
シリーズ名は『Centered Self: The Connection Between Inner Well-Being and Social Change』、概要は以下の通りです。
社会変革のリーダー等は多くの場合、多大な個人的負担を伴う独特の課題に直面。多くの人が社会問題の中心で働いており、自己反省やセルフケアを許さない慢性的にリソース不足または非常にストレスの多い環境で働いている。
結果、燃え尽き症候群、深刻な健康問題、人間関係の崩壊などの問題が発生。個人的な幸福が、体系的な社会的課題に効果的に対処するという証拠も増えている。個人・資金提供者および組織が、自分自身とセクター全体でよりwell-beingをどのようにサポートできるかに関心が高まっている。
このテーマは日本でも本当に大事。社会問題に携わるひと/組織は、自身や周囲で関わる社会問題の当事者性を持つ人たちが多く、取り組む中で痛みやトラウマが再生産されることも少なくありません。
その中で、日常的に心身のケアを大切な仕事の1つとして取り入れ、積極的に組織内やステークホルダーの心身ケアをしたり、むしろ内面世界の観点を積極的にチームづくりや事業に活かすことで、社会変容を進める主体は、まだ少数です。
(私が携わっているエティック「子どもの未来のための協働促進助成事業」はその1つ。超面白いです)
シリーズ記事は6年もの研究と実践を通して得た研究成果を惜しみなく公開しており、少し具体的な実践方法や事例もあるので、下記ご参考まで。
そんなこんなで、最初の記事を終わります。
読みやすさわかりやすさが残念な感じですが、今後勉強していくのでこれからよろしくです!
感想やコメントぜひ! 質問こちらでも~
店主 / 記事の執筆者:佐藤 淳(Sato Jun)
1988生まれ茅ヶ崎出身の2児の父。「社会の変え方を変える」がテーマで、コレクティブ・インパクトによるシステムチェンジ(集団的な意識・構造変容・物語共創) 実現を探求中。
フリーランス、日本おせっかい学会副会長、システム・コーチ®︎
水滸伝・Angelbeats・アニメ漫画ラノベ大好き / スペインの横丁(バル)ではお腹壊してはしごできなかった人。
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