根本的な社会変容への器の5つの要素と4つの段階
システムチェンジ横丁店主のひとり、佐藤淳(Jun)です。
私が大好きな論文、”Collective Impact(2011)”共著者のJohn.Kania先生が、2020年に独立され「Collective Change Lab」を立ち上げています。
(経営ボード務めている組織で、私もコレクティブチェンジ担当と肩書にいれていたので、ファン冥利につきます)
そのHPのブログに、社会変容に関する叡智のつまった、堪らなく素敵な記事が多く掲載されているので、試しに1つ簡易訳&仲間と感想シェアしてみました。
■根本的なシステムチェンジに臨む「力の変換」への挑戦
「Collective Change Lab」のHPはこちら。
HP内の"story"に、立上げ経緯や想いが掲載されています(下記一部引用)。
上記を読んで、内容に深く同意するとともに、勇気をもらいます。
Kania先生は、世界中のコレクティブチェンジに携わり、コレクティブインパクトという協働での社会システム変容に共通する条件を整理した方の1人。ほとんどおこらない根本的なシステムチェンジには、力の変換(transforming power)が大きな鍵で、それは精神性や身体性の体験を通したアプローチからインスピレーションがあったというのは、大変興味深いです。
■根本的な社会変容を生む器の5つの要素と4つの段階
今回簡易訳したのはこちらのブログ記事。
”Empathy, Integration, Letting Go & Surprise(21/06/21)”
同僚の川島菜穂(子どもの不条理に関するコレクティブインパクトを通した地域エコシステム醸成のプロジェクトで一緒)と、記事の読み合わせと感想シェアをしてみました。
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「目指すアウトカム(s)が変革する可能性を高めるために、あなたはどのような社会変容のプロセスとアプローチ(s)を使用する必要がありますか?」
私たちは、文化・構造・組織の変化(cultural, structural and organizational change)を求めるが、単純な取り組みや、確実性高い解決策(ベスト・デモンストレーション・プラクティス:BDP)のみをしていても、コレクティブなレベルで変革をもたらすことはめったにありません。
(参考)BDPのまとめサイト”What Works.”
根本的に異なる結果を得るには、作業(works)を保持するために根本的に異なる下記のような器(コンテナ)を使用する必要があります。これは何十年も前から存在しているアプローチが多くあり、新規の発明は必要ありません。
変革につながる集団的進歩の段階を特定しようと試みてきて、観察した以下4つの進歩的な段階があります。
私たちのコレクティブ・チェンジ・プロセスの目標は、確実性ある社会変容を達成することではなく、驚き(Surprise:想像を絶する変容をもたらすこと)を達成することです。
(4つの段階については、別記事で詳しく説明します)
■感想「s(複数形)の難しさと面白さ」
私と川島の感想を乱雑に挙げるとこんな感じです。
□全般
・抽象度高い(笑)けど、私たちが携わっている協働での地域のエコシステム醸成の事例を振り返って、器の5つの要素は深く納得
・「コレクティブ」や「チェンジ」の範囲や深さは人それぞれ認識が違う。範囲は学校区・自治体・全国・国家間など、深さは内面外面、構造、文化、世代間など。
・社会変容のアウトカムやアプローチは、「s(複数形)」だよね。1つの革新的なソルーションではシステムは変わらず、散弾銃的な取り組みsが必要。
□5つの器の要素と4つの段階
・社会変容の漸進は、大体、分断や傷つけ合い、自身の痛みやおそれと向き合うことが断続的に起こるため、余白や癒しが必要。
・「愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である」。
・セレンディピティと社会変容の相関性だけで何時間も語れるね。
・システムチェンジは大概、言語化しにくいものをしようとしていることにとても価値がある。
・NPO法人エティック(私と川島が所属)の代表宮城さんの退任にあたってのプロセスはは、4つの段階を経たまさにの事例。
・佐藤淳はナラティブチェンジ萌え!