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失敗しやすいビジネスモデルの共通点
ビジネスモデルは、企業がどのように価値を創造し、それを顧客に届け、そして利益を得るかを示す設計図であると言えます。しかし、どんなに優れたアイデアでもビジネスモデルが適切でなければ成功しません。つまり、設計図が間違っていれば、何度トライしても想像した製品は完成しません。
そんな失敗に繋がる原因の一つに、起業家自らが顧客ニーズそのものを誤解してしまっていることによる失敗です。
顧客ニーズの誤解とは、顧客が「〇〇が欲しい」と言っても、それは表面的なニーズかもしれません。本当に求めているのは、その奥にある課題を解決してくれる手段かもしれません。あるいは、さらにその先にある「価値」の教授であるかもしれません。
また、市場は常に変化していると考えておかなければなりません。それに伴い、顧客のニーズも変化していくため、それに合わせてビジネスモデルを柔軟に変化させる必要があります。
そのため、
① 顧客インタビューやアンケート調査などを通じて、顧客の抱える課題や真のニーズを深く理解する。
② 定期的に市場調査を行い、顧客ニーズの変化を把握する。
③ ニーズの変化に合わせて、ビジネスモデルを柔軟に修正する。
ことが重要なのは言うまでもありません。
ところで、失敗しやすいビジネスモデルには共通点があります。簡単に説明します。
1. 価値提供の不明確さ
顧客が求める価値を明確に定義できていないビジネスモデルは、顧客に支持されにくいと言えます。提供される価値が曖昧な場合、顧客は競合他社との違いを認識できず、結果価格競争に巻き込まれる可能性が高くなります。
2. 収益モデルの脆弱性
収益モデルが脆弱なビジネスモデルは、安定的な収益を確保できませんので、事業継続が困難になります。例えば、無料サービスに依存しすぎると、有料顧客を獲得できなければ収益化が難しくなってしまいます。
3. マーケティング戦略の欠如
ビジネスモデルが優れていても、効果的なマーケティング戦略がなければ、顧客に認知してもらえません。ターゲット顧客を明確にせず、的外れなマーケティング施策を実行すると、余計な費用が掛かり資金を無駄遣いしてしまいます。
4. 組織体制の不備
ビジネスモデルを実行するための適切な組織体制が整っていなければ、事業がスムーズに進みません。例えば、人材不足やスキル不足、部門間の連携不足なども、事業の遅延や失敗につながります。
5. 資金調達の失敗
ビジネスモデルを実現するためには、十分な資金が必要です。資金調達に失敗すると、事業計画が頓挫したり、事業規模を縮小せざるを得なくなります。
6. 法規制や倫理的問題
ビジネスモデルが法規制に違反したり、倫理的に問題がある場合、社会的な批判を受け、事業継続が困難になります。
7. 外部環境の変化
市場の変化や技術革新、競合の出現など、外部環境の変化はビジネスモデルに大きな影響を与えます。当然、外部環境の変化に対応できなければ、ビジネスモデルが陳腐化し、競争力を失ってしまいます。
このように、失敗しやすいビジネスモデルには、価値提供の不明確さ、収益モデルの脆弱性、マーケティング戦略の欠如、組織体制の不備、資金調達の失敗、法規制や倫理的問題、外部環境の変化など、様々な要因が複合的に絡み合っています。
これら7つの要因を理解し対策を講じることが、ビジネスモデルの失敗リスクを減らすことに繋がります。