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【戯言】新弾妖蛇に思うこと

【はじめに】


 ご高覧いただきありがとうございます、紫バトラーのサクラです。

 遂に10/21(金)、バトルスピリッツ契約編3章『ライズオブライバルズ』のカードリストが公開されました。

 今弾での目玉は、赤属性に「相棒翼竜テラード」、青属性に「相棒獅子ラオン」と、2種類の新規契約Xレアが登場したことです。それぞれ、「トラッシュのコアを積極的に回収する」「【AFO】という専用効果でラオンに追加効果を付けていく」と言ったコンセプトがはっきりしています。
 もうひとつの目玉は、『妖蛇』テーマで新規の「創界神ククルカン」が収録されることです。ソウルコアを封じて戦う、といったコンセプトは早くから公開されていました。

 今回の記事では、新規妖蛇の役割(推定)と、私の個人的な感想を口悪く記載していくものです。嫌だな、何言うてんねんコイツ!と思った方はここでブラウザバックをお願い致します。せっかく見に来ていただいたのに申し訳ない。

 他の記事ではそれなりに有益な情報を書いているはずですので、そちらを読んでいただけると幸いです。

 という訳で、始めていきましょう。

【コンセプトについて】

 「ソウルコアを封じて戦う」というコンセプトの通り、足場となる低コストの妖蛇達は共通テキストとして、「ソウルコアをカウントエリアへ置く」という効果を持っています。

 ソウルコアをカウントエリアに置くと、ボイドからコアをトラッシュに2個置くことが出来ます。この行為のメリットは以下の3点です。

①各種大型妖蛇に記載された、「ソウルコアがカウントエリアにある時」という効果の条件を満たせる。
②先行を取った場合、相手とのコアの数に差が出にくくなる。
③『デスタメント』などの汎用性が高い、カウント数を参照したカードの効果を発揮しやすくなる。

 なるべく早期にソウルコアをカウントエリアに置き、フィニッシャーたちが暴れられる環境を整えることが大切、というのが新規妖蛇の基本と言えるでしょう。

 もちろん、ソウルコアをカウントエリアに置く行為はかなりリスクがあります。1度カウントエリアに置いたコアは、カウントを参照する効果以外では触れることが出来ず、ソウルコアはボイドへ置くことが出来ないルールなので、既存の効果を使ってもソウルコアは戻ってきません。【ソウルドライブ】とは似て非なる効果ですが、『一度効果を使うとそのゲーム中はソウルコアが使えなくなる』点は共通しています。

 また、詳しくは後述しますが、新規妖蛇をコンセプト通りに組もうとする場合、組み込めるネクサスが新規2種類に限られるため、今まで紫属性の基本戦術だった、「ネクサスでシンボルを稼ぐ」ことが難しいです。

 もうひとつ、コンセプトとして無視できないのが、『既存妖蛇デッキとの差別化』です。恐らく公式側も「妖蛇の神皇シェンマドー」の強力さは認知していると思います。なぜなら、前述のソウルコアを使えなくする、といったギミックを始めとして、徹底的に噛み合わせが悪くなるよう調整されているためです。また、既存妖蛇の鉄板の動きとも噛み合いません。あくまで個人的な意見ですが、そう考えた理由を以下に記します。

①ソウルコアを封じる。→【煌臨】カード(特にシェンマドー)を採用できないようにする。
②高コストスピリットがほぼ7コストのみ。→シェンマドーによる「6コスト以下」の対象から外している。
③ネクサスに制限をかける。→アクシット(後述)の【界放】に制限をかける。

 この辺りでしょうか。他にもあるかもしれませんが、大きく区別するとこの3つです。このことについては、皆さん薄々かんじているんじゃないかなと思います。

 私個人の意見としては、この試み自体は肯定側です。新規の妖蛇の創界神ネクサスと化神スピリットを収録しても、シェンマドーデッキのリーサルプランのひとつに過ぎなくなるという現象を回避したいのは理解できます。そのために、噛み合わないよう調整するのは当然のことです。

 ただし、今回タイトルで【戯言】と評したように、全体的な感想としては否定側です。それは以下のカード紹介と交えて記載していきます。

【収録カード】

・虹翼蛇神アクシット

公開当初はワクワクが勝っていました。

 新規妖蛇のフィニッシャーです。カウントエリアにソウルコアがある場合、妖蛇を持つ効果で相手のスピリット/アルティメットが消滅した時、ライブバーンを行います。重複は不可です。

 Lv2からは【界放】含めてフィールドのコアを4個リザーブへ置きます。また、【界放】した際にはターンに1回妖蛇を回復できます。自身を回復すれば、合計8個リザーブへ置くことが出来ます。(【界放】自体はターンに制限なし)

 フィニッシャーとして見ると除去効果は充分だと思います。耐性の無さも、【幻魔神】などで補ってやれる範囲ではあります。100点中90点ぐらいです。

 他の大型も、アクシットを始め7コスト持ちが非常に多いです。正直、ソウルコアがカウントエリアにある時に効果を発揮するスピリットぐらいは、6コストでも良かったのではないでしょうか?

・創界神ククルカン

デザインや構図が本当に素敵。

 新規の妖蛇に対応した創界神ネクサスです。

 コアを1つ除去し、消滅すればライフを回復できる【神技】と、自身のネクサスが「ククルカン」飲みの時、妖蛇を持つ効果全てに【装甲】を持つ効果以外で防げなくなる耐性無視と自身に破壊耐性を付与する【神域】を持ちます。

 ハッキリ言うと、凄く惜しいことばかり書いています。というか、慎重が過ぎます。そも自身が耐性を持たない妖蛇で攻撃するのだから、耐性無視に制限は必要ないはずです。

 また、近年のバトスピでは「効果では防げない」破壊が恒常化してるので、破壊耐性は微妙です。なのに、きちんと疲労や重疲労は喰らってしまう。流行りの【碧雷】に採用されている「グラナートの大滝」などの制限にしっかり引っかかってしまうんです。ネクサスを縛るのだから、完全耐性でもよかったのでは、と思わずにはいられません。

 それでも【神技】にターン制限が無いため、プレイング次第ではライフ回復を何度も行い、粘り強く戦える可能性があるのは充分評価できるポイントだと思います。80点です。

・ゴッドシーカー 羽蛇神官クワルカン

これは正に神に仕える姿。

 「ククルカン」とゴッドシーカー以外であれば妖蛇を持つカードを無制限で回収できる優秀な効果を持ちます。先行1ターン目で召喚出来れば、コストの支払いにソウルコアを使用し、カウントエリアに即置くことが出来ます。割と天敵の「ヴァンピーアヴォルク」が妨害する間なくギミックを完遂出来るのはお見事。

 初動のカードとしては満点だと思います。The・ゴッドシーカーって感じです。

・豊穣の蛇チコメコアトル

🌽が乱立。可愛い。

 カウントエリアにソウルコアがあれば、召喚時に2枚ドローが可能です。メインステップ時は低コスト妖蛇共通のソウルコアを移動させる効果です。

 初動としては50点と言ったところ。先行1ターン目で召喚してソウルコアをカウントエリアに置けるのはいいのですが、ドローできないのが痛い。「自分はデッキから1枚ドローする。カウントエリアにソウルコアがある場合、代わりに自分はデッキから2枚ドローする」なんて効果でも良かったと思います。

・魔翼蛇オトンパン

ふさふさな感じが凄くいい。ふかふかしたい。

 先程チコメコアトルで挙げた不満点をある程度解消してくれているテキストを持っています。ドローと除去を兼ねてくれるのは結構偉いかなと思ってます。3コス2軽減でも良かったんだがね。

 Lv2からはちょっと変わった方式のアタックステップ終了メタ効果を持ちます。絶甲氷盾(re含む)にはそこそこリスクを付けられますが、氷刃血解には怪しいところ。バウンス対象に選ばれると効果を発揮出来なくなってしまいます。

 軽減も多くてそこそこ使えるカードかなと思います。ただ、安定性、燃費含めて、風切りヘビ辺りを採用するかもしれません。

・羽蛇シャルトカン

つぶらな瞳が超キュート。今回のアイドル枠です。

 ソウルコアをカウントエリアに置く効果と、カウントエリアにソウルコアがある場合、妖蛇を持つカードの軽減🟣1つを満たしてくれる優秀なカード。効果が重複するのは地味に有難い。

 ただ神シンボルの軽減はしてくれないので、ククルカンが置けていないと結局フル軽減出来ないスピリットが多いのは少し残念なところ。普通に軽減1つを満たす、にしてくれた方が嬉しかったです。

 でも間違いなく優秀なカード。恐らく3枚確定枠でしょう。

・魔戦蛇テスココ

部族の戦士っぽい感じがする。

 ターンに1度、召喚/アタック時にコアを2つリザーブへ置くシンプルな効果を持ちます。ソウルコアがカウントにあれば、この制限は無くなります。ここだけ見れば、召喚とアタック、計4個除去できる4コストスピリットですから。

 問題は2つあります。1つ目はアクシットの効果の恩恵を受けられるのはアタックステップの時に限ること。メインステップで普通に召喚していた場合は、下手に召喚時を発揮するとライフを減らすための相手のスピリットがいなくなります。これは、プレイングで補えるのでまだマシです。
 2つ目が大問題。回復して殴れるのは優秀なのですが、何故か相手のソウルコアをリザーブに戻します。フィールドならまだしもトラッシュから戻します。契約編がどういう環境なのか、運営は理解していないのでしょうか。本気で意味が分からない。

 自身のソウルコアは使用を縛るのに、相手には好きに使わせてあげる謎の優しさ。人としては褒められるところですが、勝負事にそんな下らん思い遣りは不要です。戦士の矜恃とか、さっさと捨ててきて貰えますか。

・角翼蛇テノチ・ティトラ

安心と信頼のショースケ先生スピリット。

 6コストスピリットの召喚時としては控えめな、1コアのみリザーブへ送る効果を持ちます。ただしトラッシュにあるコスト7以上のカードの枚数でどんどん増えていくので、トラッシュ次第ではかなり器用な動き方が出来るでしょう。

 目玉はLv2からのアタック時効果で、手札/トラッシュのコスト7の妖蛇スピリットを踏み倒し、リアニメイトする効果。

 新規妖蛇の心臓と言える効果だと思います。テノチ・ティトラを如何に素早く召喚し、アクシットなどに繋げるかがキモとなるでしょう。

 ほぼ満点に近い満足度です。欲を出すなら、トラッシュ贈りなら今のカードパワーに即した強さのカードだったかな、なんて贅沢を言ってみたり。

・戦蛇王ミシュコアトル

カニカマみたい。

 なんか、何もかもが噛み合ってない残念カードです。

 契約編でメインとなっている【煌臨】に対するメタカード…と言っていいのか分かりませんが、一応カウンターカードです。1コスト支払い、ブロッカーとして立てられるのは評価してもいいと思います。

 ただ、召喚時効果を持たない、何故か2種類の効果がどちらもアタック時のみと、些か地味すぎると言わざるを得ません。運用方法としては、「相手の攻撃をチャンプブロックしてトラッシュへ送り、テノチ・ティトラの効果を底上げする」になるんでしょうか。

 いくらなんでも酷すぎる。7コストの性能ではありません。きちんと話し合いの末に作りましたか?

・翼蛇の地母神コアトリクエ

CV.浅川悠

 コア取り喰え。手札の補充をしてくれる効果を2種類持ち、Lv2のフラッシュではトーテンタンツや妖華吸血爪と同じ除去効果を発揮します。

 強力な競争相手として『黒蛇龍ゼオデュラム』が存在するので、Mレア枠としては正直微妙だと思います。ただ、差別化出来る部分はきちんとあり、ミラージュ効果がそこそこ現環境を考慮した効果であること、召喚時が任意なことが挙げられます。妖蛇の弱点である各種バーストやメタに引っかかりやすいところをケアしてくれているのは有難い。

 ただ如何せんこのカードも地味すぎると思います。Mレア枠は何かフィニッシャーを通しやすくなるサポートカードだと思っていたばかりに、少し寂しいと感じています。

・赤翼蛇トラテ・ロルコ

結構イケメンさん。

 今回の当たり枠の1つです。バースト条件はやや厳しいですが、妖蛇スピリットが破壊されると、普通に召喚されます。コレ、バースト効果を発揮していないので、スピッツァーなどのバーストメタに引っかかりません。ただし効果による召喚なので、ゼロカウンターはもちろん引っかかりますし、オリンスピア競技場があると召喚がそもそも出来ません。注意してください。

 召喚時効果は、コスト3/7どちらかの妖蛇を1体蘇生出来ます。状況に応じて必要なスピリットを呼び出せるのですごく器用な効果です。

 更にLv2以降、アタックした時にバーストとして貼り直せる効果まで持っています。これぐらい1枚で動けるカードが、あと2種類程は欲しかった。お前らのことだ戦士2人とお母様。

 ただ手放しで喜べるほど単純に強い訳ではなく、そこそこメタも刺さってしまうので注意は必要です。ナルメルと双璧を成しても面白いかもしれません。

・ククルカンの風石神殿

謎にスクショ。

 ククルカンの【神域】を妨害しないネクサスです。配置時に手札の妖蛇スピリットを1枚破棄することで、デッキからカードを2枚ドローできます。その後、ソウルコアをカウントエリアに置くことが出来ます。4コストのため、先行1ターン目での配置が可能です。

 Lv2効果は、維持コストは少しかかりますが、相手を消滅させた時に、トラッシュにある4コスト以下の妖蛇スピリットを1コスト支払って召喚できます。ドローソースや足場を固める軽量スピリットを蘇生させましょう。

 先行1ターン目でこのネクサスが配置出来れば相当熱いです。手札を増やしつつ、トラッシュに序盤は必要ない高コストスピリットを落とし、ギミックまで満たせる120点満点の初動カードです。ゴッドシーカーと違い、除去される心配も少し軽減されます。

 カード紹介は以上になります。

 え、なんですか?何か忘れていませんか、ですか?

 ……。

 仕方ありません、ちゃんと全部紹介します。

・グラトニックコア

イラスト100点。

 妖蛇の効果で捲った場合、必ず手札に加えられる初の妖蛇を持つマジックです。手札に加えた時に創界神にコアを1つ置ける効果があります。スネークビジョンと同じです。

 フラッシュ効果は1コアシュート。以上です。カウントエリアにソウルコアがあればククルカンのコア2個をボイドに置き、回収できます。

ハッキリ申し上げると全てが弱いです。何を思ってこのカードを刷ったのでしょうか。

 まず4コスト3軽減のマジックとして見ても効果が控えめすぎます。1コアすっ飛ばしたところで何になるのでしょうか。恐らくなんだかんだ頼れる場面、あるとは思いますがパワーが足りません。また、回収するためにククルカンのコアが2つ必要なのが笑えない。フィールド/リザーブのコアが1つ以上無いと使用できないオシリスの【神技】のようなもの。妖蛇の系統を持つので、耐性無視などの恩恵は得られますが、どう考えても地味です。

 同系列と言えるテスカトリポカの「テスカトルシェル」が系統を持つマジックとしてそれなりに優れた防御効果を持っていたため、同じように妨害に優れた系統持ちマジックが出ると踏んでいたのです。蓋を開けてみればオシリスの劣化だなどと誰が想像したでしょうか。

 次弾ではスネークビジョンをリバイバル化して、効果はそのままに系統妖蛇を持たせてください。それで充分です。反省してください。

【さいごに】

 以上、感想でした。総評すると、「7コストスピリットのパワー不足」と、「系統マジックがかなり微妙」といった不満点がありました。ただし、これらの不満点は次弾で解決する希望が持てます。なぜなら、今弾ではテスカトリポカの担当する系統、甲獣の新規Xレアなどが収録されていたためです。恐らくですが、次弾の紫Xレア枠は妖蛇、7コストスピリットであると考えています。というかそうでなければ困ります。突然コスト5とかでお出しされたら問い合わせフォームを利用しかねません。また、ククルカン名称のネクサスが1種類出てくれてもいいんじゃないかなぁ、と贅沢を言っておきます。

 正直、「妖蛇は人気テーマだし、出せば売れそう」といった邪推をしてしまうぐらいには、調整不足を感じました。

 ただ、旧式の妖蛇スピリットたちを遺憾無く構築に入れられるのは嬉しいと思ってます。シェンマドーを中心にしてしまうと、強力な召喚時効果を持つスピリットばかりが採用されてしまいますから。そうした理由で目を向けられなかった、ベンチに入っていた妖蛇たちが日の目を見られる可能性が出てきたことは、構築を楽しめる大きな要因になると考えています。

 また、書きながら思いましたが、紫が微妙だな、と想像していたファーストパートナーでも、その悪い想像を超えて血契約が強かったのは記憶に新しいです。今回も、そうした現象が起きて、「あれ?なんだ意外と動けるじゃん」となることを信じています。

 次弾での強化はほぼ確定しているので、未来があるテーマでもあるかと思います。他のテーマを組む傍ら、慎ましやかに生きる愛らしい彼らを、どうぞお迎えしてあげてくださいね。

 それではまた、次回の記事で会いましょう。

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