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母、ありがとうしか言えないなんて

寒の戻りが続くこの週末、寒すぎて外に出たくない母とは桜を観に行けなかった。
家のマンション入り口から見える神社の桜で十分よと母は言うけど、来年はちょっと歩いた先にある川沿いの見事な桜を見に行こう。

今日は私が友達のよう子とみつきに会うんだと言うと、母は遅れない?大丈夫?と心配してくれる。有難い。母の習性、自分の事はいいから早く行きなさいと。

友達と会う前に、私が先日知り合いから母の為にといただいた記憶力を改善するというメディカルアロマ(肌に直接つけるアロマ)を数滴デコルテに塗ったところ、痒みが出て赤くなってる肌が痛々しくて、そこに薬を塗ってガーゼをあてたり、目やにをとって目薬を差したり、温かい野菜スープをのんでもらったりしていた。

急に母が『ありがとうしか言えないなんて。(他に何も出来ない)』と涙ぐんで下を向いてしまった。母はいつも私が些細な事をしても『ありがとう』と言う人だから、言われ慣れちゃっていて、あまりきちんと受け止めていなかったけど、今日の言葉は心にずんと入ってきた。母が私を思っての言葉。『小さい頃からS(私)には苦労かけてばかりで(父と母は料理屋を営んでいて夜の仕事だった為、祖母に預けられたり親戚の家に預けられたりしていた事をさす)今回も脳梗塞でまた苦労をかけることになってしまって、、、。』と。

私にしたら、小さい頃の事はあまり覚えてないし、中高生時はとっても自由にさせてもらっていたし、ホームステイや海外生活もお金もだしてくれて応援してもらっていたし、なに不自由なく私の意思を尊重してもらっていた事を伝えた。だから、私は昔も今も苦労だとは思ってないよ。夫への愚痴や息子の心配事なども聞いてもらってるし。

そうしたら母は『今までも色々あったけどそれもなんとか乗り越えて今があるんだから、今回もね❗』と笑顔になった。
私も本当に今日はそう思った。思えない日もあるけどさ。

土壇場になると私達親子は馬鹿力を発揮するからねと言った時には、二人ともいつになくスッキリとした気持ちになっていた。

地味な日々の積み重ねの毎日が宝物になる事を思い出させてくれた日だった。