アニメ「全修。」1話時点予想

アニメの1話を見た時に、今後の展開がどうなるか、予想とまではいかなくもなんとなく察することはないだろうか?

「恋愛アニメだし最終話で夏祭り行きそうだな」とかとか「OPに知らないキャラ二人いるし、ここから加入するんだろうな」とかそういったものだ。今まで見てきたアニメの視聴経験から、なんとなく推測を立てることはそう難しくはない。

そんな部分的な推測を集め、組み立てていけばアニメの全貌を見通すことができるのではないだろうか?

ということで今回は先日1話が放送されたMAPPAによるオリジナルアニメ『全修。』
について現時点で公開されている情報を整理し、予想を立てていきたいと思う。オリジナルアニメであるため、原作を知っている人もいないため、本当にアニメの公開情報だけで予想することになる。メインpv(https://m.youtube.com/watch?v=tt_ci57IszQ&t=7s&pp=ygUG5YWo5L-u)も参考にしている。


1話のあらすじ


若き天才アニメ監督ナツ子は、初恋を知らないために、恋愛もののコンテが書けずにいた。協調性もなく独善的で周囲と不和を起こしている。そこで昔大好きだったアニメ『滅びゆく物語』の鶴山監督が死去したニュースを目にする。作品を見返してながら弁当を食べていると食中毒になって意識を失う。次に目を覚ますと『滅びゆく物語』の中にいた。好きな作品が鬱展開になるのを避けるため、アニメーターとしての技量を活かし巨神兵のようなキャラクターを描いて敵を倒し、シナリオを書き換えた。

ナツ子の課題

協調性の無さ
ナツ子は現状、他者と協力してアニメを制作しようとする意思を持たず、結果的に速いからと自分で仕事をこなそうとする。また、それに対して注意してきた社員に対して威圧し、対話に応じようとしない。これはナツ子の明確な欠点であり、今後変化が予想されるところだ。

挫折経験の欠落
ナツ子は高校卒業からとんとん拍子にアニメーター絵コンテ監督と昇進し、ヒット作を生み出した。それゆえにプライドが高く独善的で、協調性のなさにも繋がっている。映画『初恋』が初めての挫折経験になると思われたが、それも異世界転移によって阻まれた。ナツ子がどう挫折し、どう立ち直っていくのかも本作の見どころになるだろう。
初恋未経験
これを問題や欠落のようにあつかうのはあまり好ましい表現ではないが、一人の人間としてではなくてアニメ監督としての課題と考えた時にこれは設定されうる。初恋は他者に向き合うことで生まれるともいえ、ナツ子が他者とどう向き合い関係を気づいていくのかが重要となる。

今後現れるであろう登場人物

鶴山亀太郎監督
死去したはずの監督。PV内の鶴の頭に亀の甲羅を背負ったキャラクターに相当すると考えられる。「何をやっても無駄だよ」というセリフから、作品を改変する側であるナツ子と対立する存在になると考えられる。『滅びゆく物語』がマイナーで不評の作品であり、ナツ子が『スケバン魔法少女暗黒学園』で大ヒットしたことなど、アニメ監督としても対比的に描かれることが予想される。

メインPVに登場する鶴山監督©全修。/MAPPA

デステニー
ルークの恋人役となるキャラクター。町長の娘。本来だったら死ぬはずだが、ナツ子の改変によって死なないルートになるのかもしれない。ナツ子とルークの間になんらかの恋愛関係が発生する場合には、三角関係が起こることになる。

ルークと仲良しのデステニー(メインPVより)©全修。/MAPPA


鬱展開の象徴として死ぬデステニー(メインPVより)©全修。/MAPPA

他のナインソルジャー

作中にポスターが出ており、その中で登場している。シルエットも何度も映っていることから、流石に登場すると思われる。キャラクターが増えすぎると話がまとまらないことから、今出ている四人をメインとして、残りの5人が強く参加してくるのは中盤以降になるのではないだろうか。

ナインソルジャーの映るポスター(1話より)©全修。/MAPPA


昔からの幼馴染

PVで最初に「ナツ子ちゃんは滅びゆく物語を見てから何かが変わったみたいで」と言っている女の子。1話でナツ子が意識を失う際の走馬灯に出てきていた子と同一だと思われる。昔のナツ子やナツ子にとっての『滅びゆく物語』を知る存在であり、過去の話をする場合に鍵を握る。

幼馴染と絵を描く小学生のナツ子(1話より)©全修。/MAPPA

中学の時の陸上部
ナツ子の走馬灯に出てきたキャラクターの一人。ナツ子は彼の走るフォームを描いている。また、作中でナツ子の走るフォームが不自然なまでにアスリートっぽかったのは彼の影響かもしれない。ナツ子は初恋未経験とされているが、彼との関係は初恋に何かしらの結びつく可能性がある。

陸上部の絵を描く中学生のナツ子(1話より)©全修。/MAPPA

高校のアニメ部
ナツ子の走馬灯に出てきたキャラクター群。ナツ子を監督とし、一緒にアニメを作っていたと考えられる。ナツ子が高校卒業してからトントン拍子に進んだのも、ここでの経験があったからだろう。少人数で協力して作り上げていただろうことから、ナツ子の初恋以外の問題点・協調性のなさについての鍵を握るのがここになるのかもしれない。

仲間と協力してアニメを作る高校のナツ子(1話より)©全修。/MAPPA

ありそうな展開や流れ

先週の全修
毎話の初めに前回を振り返り「センシュウの、ゼンシュウ!」とコールすることが予想される。

意外とすぐに現実に戻る
三話くらいで物語に起伏をつけるために現実に戻ってもおかしくない。陸上部や幼馴染などの登場人物は、現状では出会うことが難しいため、現実に戻ると考えられる。
PVの現実世界を描いたカットも1話時点だと登場していないものがあるため、それらは戻ってきた現実で使用される映像なのかもしれない。ただし、PVの映像のナツ子は独善的な部分などは直っていない。

ナツ子の繰り出す作画キャラ
1話では巨神兵的な破壊兵器を出したが、2話以降も様々な作画を披露してくれることだろう。出てくるものとしては、ナツ子の監督第1作より「スケバン魔法少女」を筆頭として「戦闘機」「巨大人型搭乗ロボット」などの『滅びゆく物語』には出てこなさそうなものを描き出すと考えられる。

時間軸が飛ぶ可能性
作中はおそらく2019年であると思われる。弁当の消費期限からの推測にはなるが、ミスリードではないだろう。なんらかの意図があって2019年にしていると考えるのならば、最終話で6年後を描いてもおかしくはない。また、2019年はアニメ業界において京アニの放火という大事件があった年であるが、流石にこの問題を組み込むことはしないだろう。

2019年を示す弁当(1話より)©全修。/MAPPA

夢である可能性
鶴山監督が鶴の格好をしていたり、スタジオコンコンの社長が狐の見た目をしていたりと、わかりやすく連想で繋がっており、『滅びゆく物語』自体も記憶の中にあるものである。倒れる前に最後に見ていた『滅びゆく物語』が夢の舞台となっても不思議ではない。
幼いナツ子が劇場で『滅びゆく物語』を見ているところから転移に繋がっているため、記憶に関連している演出だもしてもおかしくはないだろう。もし夢であるならば、ナツ子が向き合えずにいる問題が世界に表出しているという流れになるかもしれない。
しかし夢オチは整合性自体は取れるものの説得力やエンタメ性に欠けるため、今回は除外する。

よもつへ食いの意識
ナツ子は公式で趣味が食べること。死因も食中毒。そんな食べることに意識を向けている本作で、印象的だったのは「滅びメシ」と呼ばれる『滅びゆく物語』の作品内グルメをナツ子が食べようとし失敗する場面だ。コミカルに描かれているが、もしかしたら作品から帰還する場合に重要な要素なのかもしれない。
『千と千尋の神隠し』において、千尋の両親が異界の食物を口にしたことでその世界に取り込まれた。これはよもつへ食いといい、異界のものを食べることによってこの世に戻れなくなる日本神話的な価値観である。
滅びメシも『滅びゆく物語』に定着するために必要なものなのかもしれない。その場合、まだ口にしていないナツ子は現実世界に戻る可能性が高いといえる。

総括 今後の全修の展開を予想

1話 始線。
現実世界からアニメの世界に転移。シナリオを少し変えてしまう。

2話 死守。
シナリオを変えた結果、自分も仲間として迎え入れられ、戦うことになる。アニメの世界を満喫する。作品世界の登場人物と絆を深め、愛着を抱く。

3話 敗北。
ヴォイドに苦戦を強いられる。作品を書き換えることによる影響に対して戸惑いを見せ、描くことをためらう。鶴山監督も作品世界に存在することを示唆。敗北してしまう。

4話 帰還。
目が覚めると現実世界に戻っている。作品世界に行かなければと思うものの、なんの手がかりもない。期限が差し迫っているアニメ制作の方に集中する。

5話 疾走。
陸上部とか幼馴染とかと会って、ナツ子の過去開示が行われる。

6話 理由。
アニメに対するナツ子のスタンスなどが改めて浮き彫りになる。鶴山監督との対比の元になる。

7話 再会。
再び作品世界に戻ってくるナツ子。キャラクターたちと再会を果たす。ここでナインソルジャーの他の面々も強く参入してくる。

8話 勇気。
ルークの本名はルーク・ブレイブハート。勇敢な彼の話をする。ナインソルジャーや古文書についても語られる。

9話 運命。
デステニーの話をする。鶴山監督との対立も行われる。

10話 決戦。
ヴォイドとナインソルジャーの戦いと、ナツ子と鶴山監督の戦いが平行して描かれる。

11話 初恋。
ルークとの別れと現実への回帰。アニメ映画『初恋』の制作を描く。

12話 全修
ナツ子のアニメ制作は続く。2025年のナツ子を描くと思われる。「。」をつけないことで続くことを暗示。


ということで『全修。』の1話から今後の展開を予想してみたわけだが、やはり1話時点だと情報が足りず、どんなふうに転がってもおかしくないという印象だ。今回は予想が難しかったためスローペースな展開を想定して組み立てたが、実際にはもっと速く展開が進み、より複雑なプロットが繰り出されるかもしれない。全修の今後に期待である。


参考元
『全修。』ホームページ(https://zenshu-anime.com/)
『全修』メインPV(https://www.youtube.com/watch?=tt_ci57IszQ)
『全修。』1話(https://www.nicovideo.jp/watch/so44461828)
『全修』公式Xアカウント(zenshu_anime)


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