遊戯王マスターデュエルでプラチナ1を「一応」達成した話
はじめに
遊戯王マスターデュエルにおいては現状マッチ戦はランクマッチ(以降ランクマ)とイベントのみに限定されており、常時開催されているのはランクマのみとなっています。
このランクマでは勝利を重ねることにより最終的にはプラチナランク1(以降プラ1)まで上がる仕様になっています。
ちなみに私の遊戯王歴ですが、遊戯王OCG発売当時からエクシーズまではブランクがありつつもほぼリアルタイムに、ペンデュラムとリンクはあまり触れず、今回のマスターデュエルにて復帰という流れです。使用していたデッキは暗黒界や、代行天使宣告者、海皇水精鱗などがありますがいずれも資金不足故にカジュアルの粋を出ないものでした。
今回は私がシーズン最終日にプラチナ1到達を達成した時の経験をまとめてみようと思います。この「最終日」はかなり重要な要素だと個人的に考えていますので最後まで読んでいただけると幸いです。
なお、ここではいわゆる先行ワンキルまたは盤面制圧デッキを使わない方のみが対象となりますのでご了承ください。
今回私が使ったデッキは、ポイント不足で理想的なパーツが一部不足したエルドリッチです。エクストラデッキは基本使わないため適当なありあわせで、主には壺のコストです。
ランクマにおけるプラ1昇格を阻む課題
一度のデュエルで勝敗が決まる仕様
本ランクマは1度のデュエルで勝敗が決まるため従来のマッチ戦(3回勝負、サイドデッキあり)とは異なり、相手のデッキが分からない状態で戦わなければならない状況でかつ勝利しなければなりません。また負けが続くと降格などデメリットがあります。
この時問題になるのは下記の通りだと考えます。
相手のデッキが先行後攻どっちが強いのか分からない
例えば後攻ワンキルだと分かれば自分が選ぶ権利があるときは必ず後攻を選べるため対処できるが、初見ですべてが決まるマスターデュエルではそれができないため実質じゃんけんで決まるパターンがあります。
一度の手札事故で勝敗が決する
1戦ですべてが決まるマスターデュエルにおいては手札事故によるデメリットがマッチ戦に比べて大きいです
手札誘発を入れないと後攻では後述の先行制圧を対処できないが入れ過ぎて先行で沢山引いてしまう副作用もあります
盤面制圧orワンキルにサイドデッキなどで対処する機会が得られない
先行を取られてしまった場合に相手の手札がある程度動けるものであればその瞬間勝負がついてしまう。その際、こちらが唯一防ぐ方法があるとすれば壊獣やラヴァゴーレム、禁じられた一滴を手札に持っている状態で、自分のデッキがある程度動けるような手札でなければならない。
後攻1ドロー以内にこれらをそろえることはエクゾディアを初手引き揃えするようなことを求められるのかもしれない。
上記の課題を踏まえた上でプラチナ1を目指すには
上記の課題を考えると「プラチナ1は無理なのでは?」という疑問と「どうしようもないのでは?」という思いに駆られるかともいます。ただ「現実にプラチナ1に届いた人はたくさんいる」事実があります。
では何故プラチナ1は実在するかというと上記はいずれも「運」による要因が強いと考えています。もし上記理由で負け続けるとしたら10回勝負をしたときに何回上記のような理由で負けているかカウントすると10回全部では無いと思います。もし全部それで負けるとするとこれは確率や統計の話であるため、デュエリスト全体にも適用されると考えられます。すると連勝が必要なプラチナ1は限りなく少数であるか到達不可能なものになると思います。
だとすればそこには運に依らない何かしらの要素も重複していて、もしかしたら勝てる勝負を見落とした可能性なども考えられるわけです。その部分を分析していくことで「運」要素を減らしていく手助けになれればと思います。
ではここからは上記の運によらない要素についてまとめていきたいと思います
自分のデッキへの理解
デュエルをするうえで一番大切なのは自分のデッキへの理解だと改めて感じました。勝ちを意識しないといけない場面では、自分のデッキでされると困ることについてよく理解することと、どういった盤面で勝ち切ったかは覚えておく必要があると考えます。特にされて困ることに関してはそれに対する対策は出来るのかどうかも併せて考える必要があります。
またこれは当然と言われれば当然かもしれないのですが、カジュアルでやる際にはあまり聞かないかもしれないポイントとして「先行で強いカード」「後攻で強いカード」に対する理解もしておくとよいと思います。前者は伏せた次のターンから使用可能なカード全般、後者は手札誘発やサンダーボルト等全体除去が当てはまると思います。自分のデッキが先行後攻どちらが強いか理解したうえでそれに反しないカードを入れるのがベストです
相手のデッキおよび遊戯王の理解
相手のデッキに関する理解に関しては種類が多すぎて正直100%は無理だと思います。しかしプラチナ帯でよく当たるデッキについては知っておいても損は無いと思います。特に制圧やワンキルされるわけではないデッキとは勝負したいため、これらを理解することは大事だと思います。個人的にはドライトロンとロンゴミアント、その他先行ワンキル以外については知っていても良いと思います。電脳堺はVFDが既に紙媒体では禁止になっているため今後それがマスターデュエルに採用されることを祈ってここではあえて挙げません。上で挙げたデッキは基本相手への対話を拒否するため逆に勝てないほうがおかしいと思っておきましょう。何故なら彼らは対人戦ではなくソロプレイゲームをやっており、プレイしてるゲームが違うので気にする必要はありません。
「勝つとき」「負ける時」とは何か考える
そもそも勝つ時の条件は何でしょうか。それは「自分のやりたいことができて、相手がやりたいことを防げる」または「相手がやりたいことができない」時です。前者は自分の手札が最良の一手の時、後者は相手が手札事故を起こした時をそれぞれ指しています。もちろん実際にプレイする中でプレイングミスをしないなどがここに副次的に関わってきます。そこにはデッキパワーやプレイングスキル、デッキ構築力やカードの理解、そして運が関わりますが初手である程度事故らず、相手もベストではない手札であるときに拮抗した勝負に持ち込んだ場合、ターン数が経てば経つほど運の要素は小さくなり、プレイングスキルが占める割合が多くなるためそこで落とさないことは大事です。
自分が勝利する期待値は「自分の運-相手の運+自分のプレイスキル-相手のプレイスキル」だと思います。ここではプレイスキル=デッキ構築力や経験、デッキパワー等の運以外の要素を指します。
これらの要素のどれもは0にできないため、勝てる時は勝てるし負ける時は負けます。その時は割り切りましょう。自分の勝利は相手の理不尽なのはお互い様と思ったほうが良いです。
先行後攻両方で戦えるデッキの採用
1回のコイントスに全てを左右されるとそれだけで勝率が50%以下になってしまいます。従ってそれを防ぐためには先行後攻に左右されずある程度戦えるデッキが望ましいです。よく見るデッキであればエルドリッチや召喚シャドール、閃刀姫等の先行でも後攻でもある程度やることがあるデッキが良いと思います。いわゆるミッドレンジなデッキがこれらの期待値としては大きいです。その理由としてはワンキルに頼るとそこでも運の支配項が大きくなり、それが失敗すると相手に詰まされることなく負けてしまうため避けたいです。
また一部の後攻ワンキルは経験上おススメしないです。何故ならば上記で挙げた通り、プラチナ1を阻む大きな壁こそが「先行盤面制圧」だからです。ただでさえ先行を渡すことのリスクに加え、そこで相手が制圧できる手札を握ってない状況に賭けており、その時点で勝率をコイントス未満にしていると考えたほうが良さそうです。
さらに言えば、先行盤面制圧に対する一番の対策は何かというと先行を取ることです。もし先行である程度カウンター罠などの妨害が出来るのであれば制圧を防ぐなどの可能性が高くなります。
追加で言えることとして、禁じられた一滴や壊獣ラヴァゴーレムといったメタカードは必ず入れたほうが良いです。これらがあることで反撃できたり優勢に進められたデュエルはかなり多かったです。
どうして相手は盤面制圧デッキを使うのか理由を考える
上記の遊戯王一般の視点とは別にどうして相手とデュエルするつもりのない盤面制圧デッキを使う人がいるのかを考えたことは今回のプラチナ1到達において非常に大きかった要素でした。それを考えることで出来るだけこれらのデッキに当たらずに済んだ結果の昇格でした。的外れかもしれませんがそれらについて書いていきたいと思います。
まず結論としては「連勝しなければならないから」というのが全てだと思います。マスターデュエルにおいては1回負けることが上述の通りリスクとなるため、その運の要素を極限まで無くしたいと考えるのはプラチナ1を目指すうえでは必須だと思います。そのうえで遊戯王において相手のデッキに関係なく最も安全かつ簡単に勝つ方法は何かというと「相手に何もさせない」の一点に尽きると思います。
ではこれらの盤面制圧やワンキルデッキの存在意義はなんだろうと考えたとき、それはマスターデュエルにおいてはランクマにて確実にプラチナ1を達成させること以外に無いと考えられるため、プラチナ1を達成した人たちはこれらのデッキを使う意義はほぼ無いと思いました。
そこで仮説として考えたのが「そういったデッキを使う人はさっさとプラチナ1を達成し、その後は使わないのではないか?」「ではシーズン終盤で集中的にランクマッチを行えばこういったデッキにあまり会わずに済むのではないか」というものです。結果見事成功し、プラチナ1に数時間だけいることが出来ました。
当たったデッキは環境や準環境と言われているものやブラックマジシャンなどファンデッキが多かったですがそれでも先行制圧またはワンキルでこちらが何もカードをプレイできないことはなく、お互いにカードの出し合いの後勝つか負けるかという勝負の連続でした。
「楽に」勝とうとしない
上記で挙げていることをまとめると「楽に」勝とうとしないことが結局は一番であるともいえます。盤面制圧やワンキル型構築の利点としてはまさに「楽に」勝てることです。
では何故楽に勝てるかというと、相手による行動への対応を考えなくて良くなるからです。その「楽」はどこかやってくるかというと「運」の部分から来ます。例えば先行で9割以上勝てるが後攻では全く勝てないデッキがあるとすると、そのデッキが勝利する確率は50%以下となります。理由としてはコイントスで先行を取る必要があるため必然的に50%以下になるからです。実際は後攻でも勝率が0%というのは無いため実質勝率が60%以上になるとすれば、対戦数が多くなれば勝つ回数が負ける回数を上回るため昇格できるという理屈です。多くの先行制圧に関しては、先行制圧どうしで当たらない限りは後攻でもかなり戦えるイメージであり、その時の勝率も決して低くないことが利用に拍車をかけているのかとも思います。
もし制圧型のデッキを使わない前提でプラチナ1を目指すのであれば、コイントスに寄らずバランスよく勝つことも大事だと思います。
まとめ
上記をまとめると、先行制圧や先行ワンキルデッキに運悪く当たることでこちらは何もできずにただ負けるという現象を考察し、ただの運ゲーと思考停止しない場合何が考えられるのかということをザっとまとめました。
ただ、最終日に一度も制圧やワンキルに当たらなかったのは運なのではというツッコミに対してはその通りだとしか答えられません。これは遊戯王だけでなくありとあらゆる物事について「全ての努力はしょせん期待する目が多いサイコロを選ぶ権利を得るにすぎず最終的には全て振ったサイコロの目、つまりは運である」と考えているからです。例えばサイコロで出来るだけ大きな目を出したいとき、1~6の普通のサイコロと4,5,6がそれぞれ2つのサイコロがあったとしたらどちらを振りますか?当然後者を選べたら選ぶと思います。ただし4~6のどれが出るかは確率となり、確実に6を出すことはできないです。これは何かの試験を受ける際も同じで、勉強という努力をするほど出る問題を間違う確率は減りますが、一方で自分が勉強していない問題や分からない問題が出る可能性は0にはできません。つまり勉強という努力をすることで振るサイコロは選べるが、目自体を決定することまではできないからです
ではここでいう努力とは何かというと、上記で挙げたデッキへの理解やできるだけ先行制圧やワンキルを使うデッキ事態に遭遇すること自体を減らすための盤外について目を向けると言った事です。特に最終日に関することは運ゲーだと思考停止したら思いつかなかったと今でも考えています。その時の思考としてはちょっとでも不利になると「どうせ押し負ける」と負け癖が付いて次の手を考えることもせず結果として、返せる試合を落とすことさえしていました。ただ、とある遊戯王の配信者さんがシーズン終盤でファンデッキを用いてプラチナ1を達成しているのを見て、その時の対戦相手のパターンを見たときに終盤はもしかしてと思い、今回の仮説を立てて再度リベンジしました。
最後に
ここで伝えたかったことは、上で書いたような考えでプラチナ1を達成していきましょうと言うよりはどうしようもない要因で負けることで辟易して諦めてしまうのはまだ早いということです。
私自身も正直諦めていましたが配信者さんのファンデッキによるプラチナ1達成に心打たれただけでなく、そこから配信者さんの対戦相手のデッキパターンを分析してる自分がいるのに驚いたのも事実です。内心全然諦めてなくて、どうしようもないことに対するディスティニードローを得たのではとさえ思いました。BGMは恐らく熱き決闘者たちもしくは遊星のテーマなどだったのかなと(笑)。
皆さんに少しでもプラチナ1を達成するための一助になればいいなと思います。諦めなかった先に何かのきっかけを掴んでほしい、そんな思いで今回記事を書きました。
追伸:
上記のようなめんどくさいことをせずに勝つにはどうすればよいか?という問いに対する答えは「先行盤面制圧や先行ワンキルを使えば良いです。それで貴方がそれで楽しければ。そして遊戯王というコンテンツの衰退に寄与してもいいのであれば」と答えます。というのも、環境が盤面制圧一式になるとKONAMIさんが禁止や制限改定を改めるレベルで「ゲームから面白さや楽しさを奪い、ゆくゆくはコンテンツが衰退する」ことになるからです。自分本位で考えれば時短で確実に報酬を稼ぐためなのかもしれませんが、ジェム数百のためにこれらの行為をして衰退に貢献していると考えたほうが良いと考えています(紙媒体の大会等々ならばまた別ですが)。
デュエルとは対人戦であり相手がいます。従って対話が全てであり、それを拒むようなデッキを使うのは正直「弱い」と思います。正確にはデッキとカードに勝たせてもらっているだけであってスキルが高いとは思えません。
これらのデッキをご使用の方々は負かした相手のデッキテーマが何か知ってますか?見ましたか?もしかしたらそこには往年のファンしか作れないようなデッキや対戦したらすごく面白いデッキ、新たな知見を与えてくれるデッキ、可愛さ特化とか、カード愛によって動かされているデッキだったかもしれません。
それこそ今回の発見につながった配信者さんも先行制圧でほぼデッキを動かすことも無く負けてしまっていました。このデッキは面白かったためそんな勝ち方をするぐらいなら自分にその席を譲ってほしいくらいでした。
何かされると勝てないし楽に勝ちたいから制圧やワンキルといった相手のデッキさえ見ないで勝つ方法を選ぶのであればこのゲームを最早プレイしていないしする意味も無く、コンテンツ衰退につながるので即刻使用を停止をおススメしたいです。強いんでしょう?だったら対話しても勝てますよね?
私自身、復帰後間もなく最新のカードの知識も少ないため今回は有名な環境デッキ(エルドリッチ)に頼ってしまったことは若干悔しい部分でもあります。ただそんなデッキを使ってもなお、最終日まで到達できないのはやはり理解やスキルが足りていないことと、このデッキ自体がまだ相手との対話をする気があるからだと思います。決して盤面を制圧し過ぎず、ワンキルすることも無いがやろうと思えばスキルドレインや虚無空間、王宮の勅命でロックが掛かるため制圧できてしまうのが強いところかもしれません。一方でエルドリッチを除外されるという弱点や、サーチカードを止められると攻撃がままならないところがバランスなのかもしれません。ロックが決まれば強いが対話にならないため、準環境デッキ以上やランクマの対戦以外では使わないと思います。
一部でドライトロンは手札事故れば等々で擁護されているコメントも見ましたが、事故れば動かないのはどのデッキでも同じです。どちらかといえば儀式魔法とサポート要員、宣告者やイーバ等のシナジーが全てかみ合いすぎているために事故が少ないとも思いました。結局面白くないと多くの人が思うということはそういうことだろうと思います。
かつて代行天使宣告者を使ってて辛うじて面白さから離れなかったのは出しにくさと1ターンの制圧は無理だったからではないかと考えています。しかもその盤面を返されたらもうリソースは無いので勝てないのがバランスだったのだなと改めて実感しました。
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