円形脱毛症とは?改善後の白髪はなぜ生える?対処法を教えて!
「円形脱毛症」
円形脱毛症とは、毛髪が円形や楕円形に抜け落ちる脱毛症で、
原因は毛髪の成長サイクルの乱れにより引き起こされるものです。通常健康な髪は3~6年のサイクルで成長、退行、休止し、最終的に抜け落ちます。
しかし、このサイクルが乱れると新しく生えた毛髪の成長が妨げられ、
脱毛だけが進行してしまいます。この症状が進行すると、毛根が突然切れたように脱毛し、頭部の一部がつるつるの状態になるのが特徴です。
脱毛部位
初めは「黒点」が見られます。
これは、脱毛した毛が毛根内に萎縮して残っているためです。時間が経つと黒点も消え、毛根部分はさらにつるつるとした見た目になります。
しかし、円形脱毛症では毛母細胞は死滅していませんので、
回復の過程で再び発毛が見られるようになります。
さて、ここからが本題です。
円形脱毛症が治り、再び髪が生えてきたときその髪が白髪になることがあります。これはなぜでしょうか?
髪の毛の色は、毛髪の中に含まれるメラニン色素によって決まります。
元々、毛髪には色素が含まれておらず、成長過程でメラニン色素が付着することで、髪は黒く(または黒っぽく)見えるのです。
円形脱毛症の発症後に再び髪が生えてきたとき、メラニン色素が染みつかないため、白髪として現れます。
この現象が起きる理由は、
・メラニン色素を形成するメラノサイト細胞が機能不全に陥ること
・メラノサイト自体が減少すること
です。
円形脱毛症による白髪は、通常前者です。ヘアサイクルの変調が引き金となってメラノサイトが色素を形成しないため、白髪になります。
つまり、円形脱毛症後の白髪は、毛髪の成長サイクルの乱れとメラニン色素の無染着が同時に起きることで生じます。しかし、白髪が生えてきた事は、
ヘアサイクルが正常に戻りつつあるとも言えますので、前向きに考えましょう。
毛髪の健康状態を見直して正しい知識と対策を知ることで、円形脱毛症やその後の白髪にも適切なケアが出来ます。
毛髪と頭皮のケアだけでなく、バランスのいい食生活や睡眠、適度な運動
などの生活習慣の見直しも重要です。
白髪が気になる場合でも、過度に染めることは頭皮や毛髪に負担をかける原因となるため、頭皮に優しい染料を選ぶなど注意が必要です。
また、頭皮の状態や脱毛の原因について専門家に相談することも大切です。
その際に、自分の生活習慣や感じている症状を正確に伝え、適切なアドバイスを貰うようにしましょう。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症は、なりやすい体質があり、何らかのきっかけで発症すると言われています。
円形脱毛症を引き起こす原因は複数あり、その中でも最も多いのが次の自己免疫疾患です。
自己免疫疾患
自己免疫疾患は、自身の免疫機能が毛髪のもととなる毛包(毛母細胞に包まれた組織)を誤って攻撃し、ヘアサイクルを乱しているためと考えられています。
当店でも、毛染めや縮毛矯正をきっかけに抜け始めたというお客様がおられます。ウイルス感染がきっかけとなるケースもあるようです。
これは、ウイルスを排除しようと免疫力を活性化させようとすることで、自己免疫反応まで増強し、毛母細胞を異物と勘違いして攻撃してしまうことによって、抜け毛反応をひきおこすと考えられています。
円形脱毛症を患う方には、甲状腺疾患や皮膚の色素異常症の併発が見られることもあります。自己免疫疾患の場合、頭皮にチクチクとした痛みを訴える方が多いのも特徴です。
遺伝
円形脱毛症の原因が遺伝によるケースの多くは、多因子性遺伝子疾患と考えられています。
多因子性遺伝子疾患とは、親から子へ直接伝わる遺伝ではなく、
外的要因と遺伝的要因が重なって発症する疾患のことです。
円形脱毛症の場合、複数の要因が関わり合っていると考えられています。
そのため、親に円形脱毛症の経験があっても、必ずしも子供に遺伝したり、子供が発症したりするとは限りません。
アトピー性疾患
円形脱毛症の患者のおよそ4割にはアトピー性疾患があり、円形脱毛症患者のおよそ5割には親や兄弟姉妹といった家族にアトピー性疾患患者がいるとの報告があります。
これらのことからも円形脱毛症には、アトピー性疾患との関連が深いと考えられています。
精神的ストレス
環境の変化や精神的な負担などいろいろな要因が重なって、人はストレスを蓄積し、その影響によって円形脱毛症が誘発されるケースがあります。
しかしながら、ストレスが円形脱毛の原因となっているか科学的根拠が少ないようです。
ストレスが増えると白髪が増えると考えられているのは、実際には自律神経の乱れによるもの。
ストレス過多になると自律神経の調整機能に変調をきたし、ヘアサイクルの乱れを引き起こしているのです。
最後に
円形脱毛症に関しては、まだまだ解明されていない部分が多く、発症の原因や治療法については体質や生活習慣によって大きく異なります。
ただし、これまでの研究から、円形脱毛症の発症は複数の要素が組み合わさって引き起こされることが多いとされています。
そのため、生活習慣の改善やストレスの軽減など、自身でできる対策をして必要ならば専門家の力を借り、円形脱毛症とうまく向き合っていきましょう。
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