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第二次世界大戦の潜水艦の魅力

こんにちは。
私は第二次世界大戦時の兵器が好きです。
陸海空どれも好きですが。海に限ってみれば特に潜水艦が好きです。
ディスカバリーチャンネルの「第二次世界大戦の潜水艦」というドキュメンタリードラマを見たことがきっかけでした。
現在でも様々な国が潜水艦を運用していますが、第二次世界大戦時の潜水艦は現在の潜水艦とは大きく異なるものです。
今回は第二次世界大戦時の潜水艦の魅力について語ります。


1. 潜水艦というより可潜艦

潜水艦というと一般的にされるイメージはその名の通り、水中に四六時中潜って作戦を行っていくイメージがあると思います。ただそれは現在において原子力での航行や非大気依存推進の技術が達成されたからであり、WW2時の潜水艦はそれらの技術を持たない通常動力型の潜水艦でした。

通常動力型の潜水艦はディーゼル・エレクトリック方式という航行方式がとられます。水上航行時にエンジンで推進しながらバッテリーに充電していきます。そして水中潜行時には空気供給が絶たれるので、水上航行時に蓄えたバッテリーを用いて水中を航行していきます。

この方式には行動上大きな制限があります。水中を航行するための電力は、水面に上がってエンジンにより充電を行わなければならないということです。簡単に言うと、ずっと水中に潜っていられないということです。いつかバッテリーの充電が切れ、水面に浮上する必要が出てくるのです。

このような制約によりWW2時の潜水艦は、敵前において非常に厳しい局面に立たされることが多々ありました。それについては次項で述べます。
ですがこの制約の厳しさの中で戦ったからこそWW2時の潜水艦には魅力を感じるのです。現在、大国が所有している原子力潜水艦は無尽蔵に電力が取り出せるため、作戦行動上に障壁となることが存在しません。よって乗組員を快適にし、作戦を行いやすくするための装備を多数取り付けることができるのです。

最後に船体の形に関してです。WW2時の潜水艦はあくまで可潜艦であるため水上航行をメインとした線形をしており、通常の水上艦と同じように水上での抵抗を少なくするため、尖った船型をしています。対して現代の潜水艦は水中航行がメインであるため、水中での抵抗を少なくするため丸み帯びた船型をしています。
WW2の潜水艦のほうがシャープで格好良く感じます。

WW2の潜水艦


現代の潜水艦

2. 海のハンターの苦闘

潜水艦はその特性上、戦艦や巡洋艦のような他の水上艦艇とは全く違った働きが求められます。彼らは他の軍艦のように艦隊を組んで、ドンパチと敵と砲を交わすのではありません。

基本的に単独行動をし、敵に見つからないように接近し、強大な威力を誇る魚雷により敵をしとめるのです。さながら海の一匹狼、ハンターのような働きをします。水中に身を隠すことができ、いつどこに忍んでいるかわからない潜水艦は、敵の重大な脅威になりえたでしょう。

しかしそれは身を隠せている状態での話。敵に察知された潜水艦には厳しい状況が待ち受けています。潜水艦が察知され場合、潜水艦を撃沈させるために多くの場合、駆逐艦という小型で小回りの利く対潜を得意とする艦艇が仕向けられます。駆逐艦は潜水艦にとって天敵のようなものです。ソナーという音響探知を手掛かりに爆雷という、ある一定の深度に到達すると爆発する爆弾を海に投下し、潜水艦を狩ろうとします。

潜水艦の天敵 駆逐艦

残念ながらこの状態で潜水艦が駆逐艦に対抗できることはありません。彼らは水中に潜り、ひたすら攻撃をかわし、逃げることしかできないのです。さらにこの場面では前項で述べたバッテリー残量の制約が重くのしかかります。エンジンの使えない水中ではバッテリー航行を行うしかありません。敵に追われている最中では浮上できないので、バッテリー残量を減らしながら逃避をすることになります。また全速力で逃げることはできません。それをしたら瞬く間にバッテリー残量が減ってしまうからです。よってバッテリーを温存しながら、逃げるとなるとせいぜい人が歩く程度の速度しか出せなくなります。その状況で水上を走る高速の駆逐艦に対して逃げるしかないのです。

逃避中にバッテリーの残量が切れることは、潜水艦にとって終わりを意味します。そのようになってしまったら残された道は2つ、浮上して降伏するか、駆逐艦に対し勝ち目の無い砲戦を挑むかです。

厳しいのはバッテリー残量のような技術的な問題だけではありません。
その中に乗っている人間が最も厳しいのです。
敵の駆逐艦に狙われ何時間も浮上できない状況が続くと、温度、湿度、二酸化炭素濃度の上昇が起こります。乗組員はじりじりと悪化する艦内環境の中で、爆雷の衝撃を感じながら、いつ終わるかわからない敵の攻撃に耐えます。

この項をまとめると、海のハンターとして単独で戦局を切り開き、時として困難な状況に耐えながら生き抜いていく。
これがWW2時の潜水艦の魅力だと思います。

3. 終わりは誰にもわからない

この項では潜水艦の儚さについて語りたいと思います。
WW2時、世界の主要海軍ではどの国も多数の潜水艦の消耗が発生しました。
海軍の中で潜水艦乗組員は戦死率が高かったのです。特に日本とドイツでは、潜水艦は作戦の中で駆逐艦や航空攻撃によってその多くが撃沈させられました。

潜水艦は水中で撃沈された場合、その最期がどのようなものだったかがわかりません。潜行中の潜水艦を撃沈したのかを判断する手段は、水中の爆発音を聞くことや、水面に浮かんできた油や艦内用品を採取するという間接的な方法しかありません。艦種や名前すらもわかりません。

そして沈みゆく艦内の様子はどうだったかも知られていません。なぜなら潜水艦は撃沈されたら乗組員は全員死ぬからです。潜水艦には他の水上艦と違い途中で脱出することができません。水上艦ならば撃沈されても、乗組員の半分は生き残ることもあるでしょう。しかし潜水艦には中途半端なことは起きません。撃沈されれば皆の運命は同じであるのです。


どうでしたか?
WW2時の潜水艦について、少しでも皆さんに魅力が伝わっていたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

WW2の潜水艦についてもっと詳しく知りたい方はこちら


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