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FIM世界耐久選手権(EWC)の魅力

こんにちは。
私は趣味としてモータースポーツ観戦があります。
もともと昔から車のレースは見ていたのですが、ここ数年バイクのレースにも興味を持つようになり、それに伴って二輪の免許も取得しました。

皆さんバイクのレースとして何か思い浮かべるものはありますか?
レース専用マシンを使った最高峰のMotoGP。市販車を改造したマシンで競うスーパーバイク世界選手権。少しバイクに興味のある方だったら聞いたことのある大会かもしれません。

実はバイクレースの世界選手権はもう一つあります。それが今回紹介したい世界耐久選手権(EWC)です。前に述べた二つの大会がスプリントレースなのに対し、EWCは8~24時間レースによって競われる耐久レースになっています。知名度や人気は他の二つの大会に及ばない点がありますが、EWCは他のレースにない独特な魅力があります。
今回はその魅力をいくつかの点において紹介していきます。


1. 参戦チームを覚えるのが簡単

レースを見るうえで大変なのが、レースの参戦者を覚えることです。
どのレーサーが参戦しているのかな?
誰が速いのかな?
どんなチームが強いのかな?
各チームの力関係は?
これらの事はレースを何戦か見ながら、徐々に覚えていくことになります。
このことは初めて見るには障壁が高いことです。

しかしEWCにおいてはその心配はいりません!
5チーム!たった5チーム覚えればよいのです。

まず初めに耐久レースはチーム戦です。一つのチームは2~3人のライダーで構成されています。最初は個々のライダーについて覚える必要はありません。チームだけに注目すれば良いのです。

そしてEWCは現状、主要参戦5メーカー(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、BMW)の中の代表的な1チームが突き抜けて強く、事実上この5チームの中で優勝争いが展開されることになります。
他にも参戦チームはいますが、まずはこの5チームに注目をしていればEWCは十分に楽しむことができます。

F.C.C TSR HONDA
YART YAMAHA
Yoshimura SERT Motul
KAWASAKI Webike Trickstar
BMW Motorrad World Endurance Team

2. のんびり見られる

MotoGPのようなスプリントレースだとレース時間は約40分ほど。その中で、始まりから終わりまで目が離せない展開が続くことになります。対して耐久レースはもっとのんびり見られます。集中して見てもよし、何かしながら見てもよし。順位がスプリントレースほどダイナミックに変動しないので、一時間に一回順位変動を見ていれば大丈夫です。肩肘張らずに、ただバイクが猛スピードで駆け抜けるところを見ていてもOKです。耐久レースは自由なスタイルで見ることができるのです。


3. 耐久レースならではの光景

EWCでは特徴的な光景があります。それがル・マン式スタートです。ル・マン式スタートとはスタート前に車両をコースの片側に並べ、スタート時に、もう片側にいるライダーが車両のもとに駆け寄りスタートする方法です。もともとは4輪のル・マン24時間レースで使用されていた方法でした(安全上の理由で現在では行われない)。国旗が振られると同時に、ライダーが一斉にバイクのもとに駆け寄りスタートしていく様は迫力満点で、私自身もEWCの中で好きな光景です。

開始の合図とともにライダーがバイクへ全速力で走る

もう一つは夜間走行です。EWCは耐久レースであるが故、走行が夜間に及ぶことがあります。真っ暗な闇をバイクが時速300kmで駆け抜ける姿は、ライダーの度胸と凄さを感じることができます。そして24時間レースの場合は深夜も明け方も走行することになります。そんな時間までバイクがレースしているところを見られるとは、なんと贅沢でしょうか。

4. 真夏の祭典 鈴鹿8耐

EWCは日本でも有名な鈴鹿8耐を擁しています。
1978年から続く二輪の祭典のようなレースです。

えっ?鈴鹿8耐って世界選手権の中の1レースだったの?
単独のイベントだと思っていた。
そう思った方もいるのではないでしょうか。

それも無理はありません。実は鈴鹿8耐は1980年からEWCの一戦なのですが、この大会はシーズンの中でもある意味異質な大会なのです。ここ数年ではほとんどの年で唯一のアジアラウンドです。よってEWCに参戦するチームの中で、中下位層のチームはコスト面から参戦を控え、シリーズチャンピオンを狙う上位層のチームだけが来日し戦います。鈴鹿8耐の主役になるのは、8耐のためだけに結成された国内のスペシャルチームです。

2024年の8耐
EWC参戦組のBMWがレース開始直後の
1コーナーに真っ先に飛び込む

以前はEWCにフル参戦したチームは、そのような8耐スペシャルなチームに対し勝ち目は無いと判断し、あくまでもシーズンの中の一戦と捉え、完走目標でフィニッシュし着実にポイントを稼いでいました。

しかし近年ではEWCのトップチームの競争力が向上し8耐での優勝を狙えるようになってきました。EWC参戦組が8耐で優勝する年も、そう遠くはないかもしれません。国内の8耐特化スペシャルチームと世界を戦うEWCチームの激突に注目です。


どうだったでしょうか?
少しはEWCに興味を持って貰えましたか?
EWCはJ SPORTSのモータースポーツパックで見ることができます。
全戦生中継でハイライト番組まで見られます。

皆さん一緒にバイクの耐久レース、EWCを楽しんでいきましょう!
最後まで読んでくださりありがとうございました。

※画像はEWC公式サイト(https://www.fimewc.jp/ja)から引用。






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