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「藤くん」が結婚した日の話
BUMP OF CHICKENは、私にとって一番大切なバンドだ。
私のBUMPとの出会いは中学1年生の頃、アルバムで言うとCOSMONAUTが発売された頃だ。
BUMPの歴史で言えば後期の分類に入るであろう、遅めの出会いだった。
初めて人間関係で挫折をし、それ以外の部分でも色んな挫折をし、初めての絶望を味わって自暴自棄になっていた時期に、私はBUMPの曲に出会った。
人間を信じないことこそが正義!みたいな感じでかなり斜に構えまくっていた自分に、BUMPの曲は優しく寄り添ってくれて、たまに叱ってくれて、たまに背中を押してくれた。
冗談でなく結構真面目に、BUMP OF CHICKENに今の人格を造ってもらったと思う。
はじめに言っておくとこの記事は、藤くんの結婚がショックだとか、受け入れられないから言語化するとか、そういった類いのものではない。
ただ単純に、自分の人生を造ってくれた人が、その人の人生における大きな選択をした、ということがなんとなく感慨深かったので、文章にしてみている。
話を戻すが、BUMP OF CHICKENは自分にとって本当に特別で不思議なバンドだ。
中学の時に初めて天体観測を聴いて、何故かとてつもなく引き込まれ、土日にしか行けないTSUTAYA (車で1時間かかる) へ行って全てのアルバムを借り、夜通し聴いた。
田舎に住んでいてライブなんかほとんど行けない環境だったが、中3のときには親に頼み込んで隣の県までライブに行った。
GOLD GLIDER TOURの福岡公演、beautiful gliderのイントロのアルペジオを弾きながら藤くんが言った、「もうあと何曲で終わっちゃうよ。寂しいね、2daysだったらよかったのに。このあとこの5000人でカラオケでも行く?」という言葉を私は今でも昨日のことのように思い出せる。
当時の私に一番刺さったアルバムは、「ユグドラシル」だった。
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オンリーロンリーグローリーから始まって、ギルドやレム、fire signなど、生きづらい人に寄り添う楽曲がたくさん収録されている。ロストマンは当時の自分には難しくてよくわからなかったが、今聴くととてつもない名曲だということがわかる。
また、アルバム「COSMONAUT」に収録されている「イノセント」という曲は、BUMPの曲の中でも珍しく私を叱ってくれた曲だ。この曲の歌詞が当時の私にはグサグサと刺さり、変に斜に構えるのをやめようと思った。
ここには書ききれないほどに、BUMP OF CHICKENは色んな側面から私の人格を造り上げてくれた。
そのほとんどの楽曲の作詞を担当する藤くんこと藤原基央は、いわば私にとって絶対的な存在だった。
たぶん、藤くんが「右は左なんだ」と唄えば、「そうだったんだぁ~!!深い~!!」となってしまう気がする。
これはただなんでもすぐに盲信してしまう存在、というわけではなく、そうなってしまいそうな気がするくらいに自分の人生に影響を与えてくれた存在、ということなのだが、伝わるだろうか・・・。
藤くんやBUMPのメンバーの存在は、自分の中で言語化が難しい存在だ。「尊敬する人」とかだと身近すぎるが、「教祖」とかまでいってしまうと盲信的すぎる。自分の今の人生を造ってくれた人たち、といった感覚だ。
そんな藤くんが、「結婚」という人生の中でも大きな選択をして、それを私たちに発表してくれた。
元々BUMPは結婚などプライベートなことは非公開、というスタンスだった。だからてっきりもう何人かは結婚しているものだと思っていた。藤くんもその一人だ。
BUMPのファンもかなり増えて、ファン層も広がってきている今、以前のスタンスを破って結婚を公表することは、怖い部分もあったのではないかと思う。ショックを受けた人も一定数いると思うが、それでも私は藤くんが公式に、藤くんの言葉で発表をしてくれて、おめでたい、嬉しい、という気持ちに一緒になれることがとっても嬉しい。
でも、「結婚」って、私にとって一番怖い人生の選択だ。
みんな普通にしていくし、この歳にもなれば女友達との会話には不可欠のワードになってきているが、私は普通に結婚という選択が出来る人を心底尊敬する。
誰かと人生を共にすることを決めて、法的に関係を結ぶことって、私にとってはすごく怖い。
確実に自分だけの人生ではなくなるのに、依存しすぎるには脆い関係だ。
結婚と引き替えに捨てなければいけないものもきっと沢山ある。
そもそも一生を共にしたい、と思える相手に出会えること自体がとんでもない確率だ。みんな普通に結婚をしていくけど、本当にすごいことだと思う。
そんな自分にとって一番大きく、怖い選択を、藤くんはした。
私の人生を造ってくれた人が、彼のような人にとっては確実に怖さもあるであろう、大きな、でもすごく幸せな決断をしたのだ。
上手く言えないけど、私はとっても心が満たされて、嬉しくて、幸せな気持ちだ。
中学の頃に散々頼らせてもらって、人格を造ってもらって、ようやくBUMPの曲を聴かなくても少しずつ一人でも歩けるようになった今だからこそ、過去にたくさんお世話になった、今でも辛いとき一番のよりどころになってくれる心のふるさとみたいな人の幸せが、より一層幸せに感じる。そして自分が「結婚」を「怖い」と思っているからこそ、その決断をした彼への憧れや尊敬が一層増したような気がするのだ。
私は今はもうほとんど、日常ではBUMPの曲を聴かないが、しんどいときは一番にBUMPに帰ってきてしまう。
これからも、きっとずっとそうだろうと思う。
そしてきっとこれから自分の人生において勇気のいる選択を迫られるとき、私はまたBUMPの曲に背中を押されるのだろうと思う。
自分にとってとっても大事な人の結婚発表は、想像以上に私の心を満たしてくれた。
結局うまく言語化はできていないのだが、なんとなく書き残しておかなければと思った。
コロナ禍が明けて、早くライブでBUMP OF CHICKENに会える日を楽しみに、これからの毎日も頑張ろうと思う。
追記:ちなみに私が結婚式で流したいBUMPの曲は、「66号線」です。名曲。
https://music.amazon.co.jp/albums/B07RMY22R9?do=play&trackAsin=B07RP16BXS&ref=dm_sh_rmSOPTkEXRE1NOJUjnTTVhehE