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ASUS Zephyrus G15のWiFiカード交換

0. ASUS Zephyrus G15調達

標準搭載されているWindows OSを使う場合については特に何も問題ありません。専用のドライバーで自動的にセットアップされますので。
今はWSL2(Windows Subsystem for Linux)があるので、Windows上でUbuntuを使うことも容易になっています。

「それで構わないじゃないか!」
まぁ、普通はそうなんですよね。でも、それってロマンが無いじゃないと思いませんか?
ロマンを追求してなんぼってことで、敢えて人柱になるのも楽しいんです。
とはいえ、分解すると無保証が消えますので1年以上経過するのが一般的なのですが、ASUSがゴールデンウィークセールと称し2022モデルのZephyrus G15モデルが本体価格を8万値引きという太っ腹で販売していましたので、購入しちゃいました。

昨年、Zephyrus G15は購入候補ではあったものの、機械学習専用の自作PCに化けてしまったのです。
元々、Zephyrus G15はAMD製のCPU搭載したモデルであり、Ryzen 6000系が搭載されています。Laptop CPUであるRyzen 7 6800HSにはiGPU(内蔵GPU)が搭載されていますが、dGPU(別途GPUチップ搭載)としてRTX 3060が搭載されています。
Zephyrus G14(2020モデル)はRyzen 9 4900HS搭載したモデルだったので、少しは速くなっているものの大差は無いとも言えます。ただ、14インチWQHDから15.6インチのWQHDになるので、全体の字が大きくなるのが好ましいかなぁ・・・と
#老眼が入っているので・・・でも100%で表示することは曲げられない。

G14は、Ubuntu22.04化しDDR4 32GBメモリに交換し合計40GB、SSDは2TBに換装して開発専用機にしています。(Bloutoothは不可)
G15は、この後継機と考えていましたので、Windwosで初期不良のチェック完了した後に、DDR5 32GBメモリに交換し合計40GB、SSDは2TBを2つ搭載可能なため、SAMUSON 980 2TBを2つ搭載した4TBにしています。
OSもUbuntu 22.04化済です。

このG15、Mediatek製のWiFi6を謳うネットワークカードが搭載されているのです。そのため、WiFiは繋がるもののBluetoothは接続不可。
G14はIntel AX100搭載モデルですが、同様の問題でBluetoothが接続出来ません。

なお、G15ですがちょっと不穏な動きを見せています。
Windowsもそうだったのですが、WiFiがレジューム復帰直後にネットワーク一覧から接続したアクセスポイントだけ見えなくなる。
マウスが時々停止(Logicool M705 USB接続)してしまう(但し、キーボードはそのまま動作)
稀にUbuntuが落ちてしまい、ディスプレイがブラックアウト。キーボード証明のみ定期的に明滅。(電源ボタン長押しで停止する必要有り)
ちょっと意味不明なので何が原因かは不明です。Windowsセットアップ直後にasus armoury crateのアップデートをしても、再起動後にasus armoury crateにアップデートがあると4回程度表示され途中で諦めた。
これがBIOSアップデートした後だったような気がするので、最新版に問題があるのか不明。

G14では全くそんなことが無かったので、気にはなっているのです。
が、UbuntuではWindowsの時より症状発生頻度が少ない気がするが、Zeroじゃない点が気になる。

1. ASUS Zephyrus G15のWiFi/Bluetoothカードについて

1.1. 無線ネットワークカードを調達

Amazonで普通に調達するとして、どんなカードを購入するべきか?という話はあります。
Ubuntu 系で良くサポートされているのはカニチップでお馴染みのRealtek製チップを選択します。サポートされているかって未調査で購入しちゃいました。本来は事前にちゃんと調べて購入するべきです。
(下に書いていますが注文後調べたら大丈夫だった)

Realtek社のチップにカニマークがあるためカニチップと呼ばれます(ASCII引用)

Laptop PCに搭載されている無線ネットワークカードは、PCI Express系である場合が多いのですが、基板に接着タイプだと交換は不可能です。
ただ、最近はM.2 NGFFのWiFi/Bluetoothチップか、mini PCI-eカードの2種類があります。
自分のPCがどっちなのかを事前に調べておくと良いはずです。

M.2 NGFF一覧で、左端がWiFiモジュール(Wikipedia引用)

Ubuntu 20.04からサポートされているRTL8822CEが良さそうです。
M.2系をASUSは多く採用しているように見えたのでM.2 NGFF RTL8822CEをAmazonにて発注。(分解動画などで予習しておきましょう)
Amazon発送を購入すれば良かったのですが、よく見ずに購入したら2週間から1ヶ月後までに到着予定になり、やや驚きます。
まぁ騙されてもいいやって放置したら、1週間で到着しました。(ビックリ

RTL8822CE

1.2. ASUSのゲーム系Laptop PCの特徴

少々脱線気味になるのだけれど、ASUSと言えば自作PCユーザからすると有名なPCパーツメーカーですね。
それが要因なんだと思うのだけれど、基本的に分解(英語:teardown)することを見越した設計になっていることが多い気がします。
ROG Strix系は、メモリが本体に直付は無くsodimmが2スロットあります。また、M.2 NVMeスロットも2つ存在しBIOSの設定でRAID 0を選択することも可能だったりします。(RAID 0だと2台のSSDを交互にデータを格納するため、見掛けの速度が2倍になる。但し、1台が壊れたら復旧不可能)
TUF A14(2020モデル)では、当時のTUFはM.2スロットが1台だった代わり2.5インチHDDスロットベイがあって、付属品にHDD接続ケーブルが付属していました。しかし、分解したら保証が効きません。
ASUSのLaptop PCは玄人向けなPCになっているものと思っています。

改造してくれってPCが俺を呼ぶので仕方がありません。

14インチ系のLaptop系では、LenovoなどからはASUSに負けず劣らずで分解可能な設計になっています。そもそも、IBMのThinkpadはCE向け分解マニュアルが一般公開されていて、液晶パネル交換まで可能です。
Lenovoが買収してもThinkpadはその辺りは変化はなかったような記憶があります。(最近は買っていないので詳細不明)
持ち運びを重視した設計では、メイン基板にメモリが直付になっているため、重量は嵩んでも交換可能な設計のPCに憧れます。

2. UbuntuでのBluetooth接続の問題点

まず、Bluetoothなどは、Ubuntuではカーネル開発時にIntelとかはドライバーを提供するようです。(IntelのWiFi/Bluetoothカードサポートが語っていました)
カーネル部はリリースまでにかなり時間が掛かる(それは当然ですね)ため、LTS系列に取り込まれるとするとかなり昔に提供完了していなければ無理そうです。

Ubuntu 21.04をLenovo Flex5にインストールした記事を以下に置きます。

Ubuntuのインストール後にBluetoothがちゃんと動作すれば、マウスはOS標準のままで動作します。しかし、音声(ヘッドホン等)はそのままでは動作しません。(この記事は次回にします)

最新規格はWiFi6とか6eとかあるようで、そのためPCメーカーもUbuntuで確実動作するしない関係なく、採用することも仕方がありません。(Ubuntu民の冬ですね)

3. 無線カードの交換手順と注意点

Teardown方法については、Youtube等で探して確認しておいてください。
G15 2022版は以下の通り

無線カードは、このサムネイルで左の中段にシルバーシートの下にあります。

G15 分解

私のPCでは、DDR5 32GB SODIMMが付いていますし、980が2本入っています。左中段部分の放熱用シルバーシートを取り外し、アンテナケーブルも取り外しています。

G15標準のMediatekチップ
左がRealtek RTL8822CEと右がMediatek MT7922Aの表
左がRealtek RTL8822CEと右がMediatek MT7922Aの裏

ちゃんと技適マークも付いているためRTL8822CEは安心ですね。
ピンはMediatekと同じ配置2番がMain(黒ケーブル)でした。

交換済の図

放熱用シルバーシートを元通り貼り付けて終了です。

4. Ubuntu22.04でBluetooth接続を実現するための設定方法

電源を入れるだけでOKです。
特になんら設定していませんが、ちゃんと認識しています。

起動直後のBluetooth設定画面

補足1(2023/10/21)

ASUS Zephyrus G14 (2020年製)を持っているのですが、半年前ぐらいから内蔵しているIntel AX200でBluetoothが動作するようになりました。

マウスは問題ありません。ならばということで、Sony WF-1000XM3を接続するには追加ドライバーをインストールしなければなりません。

$ sudo apt install bluez bluez-tools
$ sudo apt install blueman
$ sudo systemctl status bluetooth.service
$ sudo add-apt-repository ppa:berglh/pulseaudio-a2dp
$ sudo add-apt-repository ppa:berglh/pulseaudio-a2dp
$ sudo apt update
$ sudo systemctl status bluetooth.service
$ pacmd list-cards
$ sudo apt search pulseaudio
$ dpkg -l | grep libldac
$ sudo apt install libldacbt-abr2 libldacbt-enc2
$ pulseaudio -k
$ pulseaudio --start

上記コマンドをRTL8822CE同様にインストール。残念ですが接続出来ませんでした。ASUS Zephyrus G15では動作しました。
しかたないので、Zephyrus G14にもRTL8822CEカードを先日追加購入し、入れ替えたら、ちゃんと動作しました。
bluezが対応していないのか、根本的なドライバーに問題があるのかは分かっていません。

LinuxでBluetoothを運用するなら、Realtek RTL8822CEを購入し入れ替えしましょうってことで。
とはいえ、WF-1000XM3は接続できるのですが、全てが接続できる訳では無かった気がしますのでご注意ください。

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