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2024年10月27日「メタファー面白すぎ問題」

寒くなったり暑くなったりすることで体温調節にエネルギーを使うことで疲労感を感じてしまうことを寒暖差疲労って言うらしいです。3万8000年前に日本にやってきた人類がいまだに進化することもなく暑いよ寒いよで体調を崩したりしてるんです。どんだけ人類ってザコなんでしょうね。キリンなんて高い木の葉っぱを食うために首を長くしたどころか、首が長くなったことで心臓と脳の距離が遠くなってしまったもんで、動物の中でトップクラスに血圧が高い生き物へと進化を遂げているわけです。キリンなんて元々牛なんですよ。うし。牛以下かよ人間。

かくいう僕も多忙を極める毎日の中で陰鬱とした気持ちで日々を生きているわけなのですが、そんな僕に一筋の光が指しました。メタファー リファンタジオっていうRPGゲームが信じられないほど面白い。僕が大好きなペルソナを作っている会社、制作チームの完全新作ファンタジーなのですけど、久しぶりにゲームしていて超ワクワクしちゃいました。

ロゴデザインは作中の舞台となる王都の様々な人種が行き交う様子を落とし込んだデザインにしたそうです。グッドデザイン。

ストーリー自体はとてもシンプルで「自分の国の王子が呪いにかけられて死にそうだから呪いかけた奴をぶっ殺して呪い解くよ」というものです。正直僕は捻くれてるのでそういうのを聞いても「知らんわそんなの」と思うクチなのですが、今作はどんどんストーリーに引き込まれていくので中盤以降は「早くルイ(呪いかけた奴)殺すぞオラァ!!!」と意気込んでました。久しぶりにどっぷりハマりました。あー楽しかった。

主人公とそのサポートをする妖精ガリカ。妖精はダンジョン捜索時の服装と街探索してるときの見た目が微妙に違うんです。

今回はゲームテンポ、難易度調整、UX、UIどれを取っても最高クラスなのですが特筆すべきは「ニンゲン」と呼ばれる化け物のキモさです。

動いたら余計キモいです。

わー!キモーイ!!最高!!こういうクソキモいキャラデザ大好き!サイレントヒルとか!
これ明らかにヒエロニムス・ボスっていう画家の作品が元ネタになってると思うんですけど、動いたら余計に気持ち悪いんですよね。ヒエロニムス・ボスが生きていた当時は宗教組織の腐敗などが目立ったり世界中で宗教運動が起こったりとカオスな時代で、そのときから宗教に対して批判的な精神を持ち罪や罰をテーマにした人間の薄暗い内面に着眼して気味の悪いモチーフの怪物を描いていたことが多い画家なんです。

たぶん上記の元ネタ。「地上の悦びの園」ってタイトルだったと思います。

ヒエロニムス・ボスを持ってくるセンスすっげぇなぁと感嘆しながらも他のニンゲンの元ネタも恐らく同様で「なんでヒエロニムス・ボスなんだろう?」と思ったのですけども進めていくうちにその理由がわかってくるシナリオ構成も奥行きがあって素晴らしい。

あとアレだ。このキャラがくっそ最高。

声優は中村悠一さん。ハマり役。

ルイ様です。諸悪の根源です。こいつを殺すことがストーリー上の目的なのですが、とにかくこいつが良いキャラしてるんです。この銀河英雄伝説に出てきそうな男が作中でもう元気いっぱいで「こいつ常に変なテンションだな」と思うんですけど、キャラとしての魅力が凄まじい。こいつが動いているだけで面白い。
仲間キャラもみんな良いキャラしていて楽しいんですけど、こいつのキャラの濃さが凄いのなんの。ペルソナ5の明智みたいなキャラの濃さがあります。「やっぱり敵キャラってこれぐらい魅力的じゃないとね!」というお手本を見せられたような気持ちになりました。

戦闘画面。よく見たら後ろの空が印象派の油絵っぽくなってるんです。

戦闘もテンポよくて面白かったですわ。アーキタイプというジョブシステムのような要素もあってそれが賛否両論なんですけど僕はとても楽しませて頂きました。「これもう詰みじゃん……」って思うような敵が出てくることがあるのですが、アーキタイプを変えるだけで戦局がガラッと変わったりする奥深さがあります。ほとんどメガテンとペルソナのシステムを踏襲しており「ペルソナじゃんこれ!」と思ったりもしましたがペルソナでいいんだ。面白ければいいんだ。実際面白かったし。

選ぶアーキタイプで魔法タイプになったり筋肉オバケになったりします。

アーキタイプのデザインもシャーマンキングの天使みたいなデザインで僕の好み。ゴツゴツしていてふくろはぎにゴリッとしたテイストを入れるガンダムみたいな説得力あるデザインも好きですけど、こういう人形の怪物だけどどこか生命力を感じるデザインはいいですね。エヴァンゲリオンみたいな生々しさがあって良い。
画面のデザインもどこかレトロテイストでアーティスティックなものになっており、かすれた昔の文献のような雰囲気を常に醸し出しておりコンセプトの徹底ぶりがお見事。それでいて全体のトンマナが崩れていないデザインバランスの感覚はさすがとしか言いようがありません。

もっとメタファーの魅力を書きたいんですけど、この辺で。こんなハードル上がってペルソナ6は大丈夫かよと心配になりながらもメタファーは今までやったRPGゲームで一番好きかもしれません。何十時間もプレイしたのに「このゲーム終わらないでほしいなぁ」とさえ思えるほどでした。良い栄養を接種できた気がします。仕事の合間を見て2周目もやろうと思います。ルイぶっ殺すぞー!!

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