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#2|始まりは妄想性障害


家に知らないおじさんが住んでいる

 ある日突然遠方に住む叔母から電話があり、
 母が「自宅の2階の屋根裏におじさんがいると言って、夜中に110番したらしいので、一度見に行ってほしい。」とのことだった。

 私は仕事だと思い、叔母に電話したとのこと。

 詳しいことが全く分からなかったため、すぐに所轄の警察署に電話して確認したところ、
「確かに夜中の2時ごろ警察官数人で伺いましたが、誰もいませんでした。」
と言われ、高齢ということもあり認知症が頭に浮かんだ。

 とりあえずその日は仕事を休んですぐに駆けつけることに。

 母はこのおじさんが
 ・お菓子を食べている
 ・お金を取っている
 ・下着を盗んでいる
 ・勝手に物を捨てる
 ・電話している話を全部聞いている

 などと言い、なんと数万円もする防犯カメラを取り付ける一歩手前…

 しかし、おじさん自体を見たことは一度もない、と。

病院受診まで

 状況を重く見た私は、とりあえず病院受診を考えた。
 しかし、本人は正常で自分はしっかりしていると思い込んでいるため、病院に連れて行くのは至難の業である。

 飛行機で叔母にも来てもらい、病気云々よりも高齢だということで今後のために一旦市役所の地域包括支援センターに相談しに連れて行こうとなった。

 地域包括支援センターは、地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置しています。

厚生労働省ホームページ


 そこで、隣の市にある精神病院の受診を勧められ、一週間後に予約を取った。

 その時にはとても自宅は荒れてとても住める状態でなかったので、その日から病院を受診するまでの間、叔母と母は近くのビジネスホテルで暮らすことになった。宿泊代は一週間で七万円ぐらいかかったように思う。

 母と叔母は日中は自宅へ荷物の整理整頓に帰り、夜にはホテルに戻ってくるという生活を送り、私も平日に仕事を休んだり、土日にも片付けに行った。

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