紫蘭の一日一本映画生活 【8/8~8/14】
待ちに待った夏休みということで、ついにNetflixに加入しました!
週二徹夜生活から解放されて、時間を気にせず創作物インプットし放題になったので、最近は本に映画に音楽という楽しい生活をしてます!
私の記憶ではNetflixも初月無料だと思っていたのですが、今はやっていないそうで大人しく990円払いました(笑)
最初は初代ガンダムを見ようと思って入ったはずなのに、想像以上の品揃えに感動して見たい作品が増えたので、なんなら一日一本映画生活をしようかなということで、このnoteを書いてます!
当初の予定では、一作品ごとに記事にするつもりだったんですけど、さすがに更新が追い付かなそうなので、一週間ごとに見た作品と一言感想みたいな感じで書こうと思います。
言い忘れてましたが、ネタバレがっつりしてるので、ネタバレNGって方は特にご注意ください!
(日付は日本の標準時間ではなく、私が起きて寝るまでを一日と定義して、日付の基準にしてます!悪しからず!)
それでは始めていきましょう!!
8月8日 『泣きたい私は猫をかぶる』
監督:佐藤順一・柴山智隆
脚本:岡田磨里
制作:スタジオコロリド
公開年月日:2020年6月18日(Netflixでの配信)
・まずはNetflix独占配信の作品を見ようということで、ヨルシカが主題歌と挿入歌を担当した本作から見ました。
・猫をかぶる、という言葉通り、主人公が周りを気にしていつも笑っているというキャラクター造形と猫のお面を付けて(被って)猫に変身するというストーリーがちゃんとマッチしていて、面白かったです。
・中学生らしい真っ直ぐな感じが眩しい!(笑) 誰だって言いたいことをいつも言えてるわけじゃないんだよ、っていうのも多分テーマの一つのようでそれも良かったです。
・ヨルシカの曲も、物語に寄り添う感じがして良かったです。
8月9日 『詩季織々』
監督:イシャオシン(易小星)「陽だまりの朝食」
竹内良貴「小さなファッションショー」
リ・ハオリン(李豪凌)「上海恋」
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
公開年月日:2018年8月4日
・『秒速5センチメートル』のオマージュ作品であり、同様に三篇からなるオムニバス形式の作品でした。衣食住で三つの異なるストーリー(キャラクターとその背景)を繋ぐというのは面白かったです。ただし全体的に起伏はあまりないように思いました。
・中国を舞台にしているので、アニメーションでは中国語の文字を台詞に入れることで、日本人にも分かりやすくする手法はちょっと感動しました。中国の制服ってジャージとセーラーを足して2で割った感じなんだなぁと少し新鮮でした。
・三篇目の『上海恋』は、カセットテープのやり取りの感じがエモいし、時代背景とか空気感が分かって良かったです。
・ラストは秒速とは違って(そう言い切っていいのかは分からないですけど)明るく前を向いて作品が終わるので、そこは監督の解釈なんだろうなと思います。私は、オマージュはオマージュであるべきで、同じにするのはナンセンスだと思ってるので!
・ビッケブランカの主題歌『WALK』めっちゃ良かったです。
特にこの歌詞、
名前などないが長い道を来た
揺れる思いが証なんだ
秒速とは違って、前を向いた終わりを迎えた本作に相応しい歌詞のように思います。
8月10日 『トイレのピエタ』
監督:松永大司
脚本:松永大司
原案:手塚治虫
公開年月日:2015年6月6日
・これは友人に勧めてもらった作品。アニメ以外の邦画をあまり見ずに育ったので新鮮でした。
・プールに金魚を入れて一緒に泳ぐシーンと主人公(野田洋次郎)が田舎の自然の中で鼻歌を歌ってるシーンが特に好きです。
・ヒロイン的な立ち位置の女子高生は(現実問題としては)全く救われないけど、主人公の「俺 生きてますよ今」って言葉が刺さっているといいなと思いました。
・トイレに描いているシーンのカメラワークも良いですよね。無重力。
・それと深読みしすぎかもしれませんが、水着姿でヒロインを追いかける少年や「パンツ見る?」と言ったヒロイン、「いいケツしてる」と言われた主人公、謎にお尻を見せてきた隣のベッドのおじさんなど、お尻とトイレを紐づけてたのかな~と思ったり。
・何はともあれ、浄化と昇天、良い言葉です。
・RADWINPSの主題歌『ピクニック』は何回も聴いたことがあったのですが、この映画を観た後に聴くともっと納得できる部分があって、うわぁってなりました。(もちろん良い意味で、ですよ!)
8月11日 『アデル、ブルーは熱い色』
監督:عبد اللطيف كشيش(Abdellatif Kechiche)
脚本:عبد اللطيف كشيش(Abdellatif Kechiche)
原作:Julie Maroh
公開年月日: 2013年5月23日(第66回カンヌ国際映画にて)
・LGBTQを取り扱ったフランス映画。仏題は『La vie d'Adele』で直訳はアデルの人生。(邦題は英題の 『Blue Is the Warmest Color』から取った模様)
・夕陽を背にアデルとエマがキスをするシーンが良かったです。初めはエマに絵を描いてもらっているだけだったのが、キスをする仲になり、破局してアデルがひとり泣いているシーンが全て同じベンチで展開されているのが時間の経過を見せつけられたようで、苦しかったです。
・フランス語の喧嘩は日本語や英語とはまた違った迫力があってすごかったです。フランス語の発音の影響なのか、怒っている感じがビシビシ伝わってきて痛いくらいでした。
・ベッドシーンが濃厚なのは噂通りでしたが、割合が多すぎるというのも納得でした。でも多分あれくらいの量が合ってるんだとも思います。
・デモのシーンが何度かあります。主張を込めた歌をみんなで大声で怒鳴ったり、思い思いに踊ったり、自由を叫んだりしています。高校のクラスメイトたちとデモに出掛ける、というシチュエーションがあまり想像できなかったのですごく印象的でした。
・別れて数年が経ってからアデルがエマに復縁を迫るシーン。エマはアデルと同じように浮気することをエマ自身がすることを許せなかったから、別れを告げたと思うとやるせないです。
・「旅は心の解放だよ」という台詞が終盤にあります。名言です。でもきっと、アデルはニューヨークには行かないんだろうなぁ。
8月12日 『サイダーのように言葉が湧き上がる』
監督:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤大
原作:フライングドッグ
公開年月日:2021年7月22日
・ビビットな色調で、地方都市のショッピングモールを中心にコンプレックスを抱えたふたりの青春が描かれている作品です。この作品は劇場で見てきました!
・SNSの感じがとても今っぽかったです。ちょっと気になっている人からのいいねとかフォローって内心嬉しいけど、フォロバしてもいいのかな!?みたいなあれです。ひょえー甘酸っぱいなぁ。
・キャラクターたちの名前がほとんど本名以外のあだ名で呼び呼ばれているのもちょっと今っぽいですよね。ハンドルネーム的な感じで。
・かつてここまで忠実にショッピングモールを描いていたアニメがあっただろうか、というくらい細部まで描かれているのが印象的でした。屋上に自由に出入りしていいのはアニメではよくある話なので、気にはならなかったです。
・タイトルも俳句になっていますが、作中に登場する俳句もすごく良かったです。私が一番好きなのはタイトルの「サイダーのように言葉が湧き上がる」ですが、「やまざくら~」の俳句も好きです。キャラクター設定やレコード探しの話が繋がるのいいですよね!
・作中の大事な要素としてタギング(落書き)があると思うのですが、やんちゃ少年(ビーバー)が日本語の書きをタギングで勉強している、という設定と漢字がちょっと怪しいのが上手く伏線になっていてよかったです。俳句や日本語の特徴を生かした伏線で、鮮やかでした。
8月13日 『ハドソン川の奇跡』
監督:Clinton Eastwood Jr.
脚本:Todd Komarnicki
公開年月日:2016年9月2日(テルライド映画祭にて)
・原題の『Sully』は機長の愛称のようです。多分、アメリカではよく知られてるのかなと思います。
・実話を元にした映画。これまで見たことがなかったので前から見ようと思ってた作品。
・パイロットたちが墜落を回避して英雄になるまでを描くのではなく、英雄になった後の苦悩と判断の正当性を問われる一連の出来事を描くというのが面白かったです。
・最後の副操縦士の発言も好きだし、それを聞いて笑える人たちも好き。
・余談として、以前NYを訪れた際にイントレピッド海上航空宇宙博物館という空母イントレピッドを再利用した博物館に行ったのですが、ハドソン川に面していることを知って少し嬉しくなりました。(ちなみに作中でも、1549便の位置を伝えるヘリの搭乗員が「イントレピッドを通過した」と言っていて、そこで気付きましたw)
8月14日 『ミッドナイト・イン・パリ』
監督:Woody Allen
脚本:Woody Allen
公開年月日:2011年5月13日
・これはフォロワーさんにオススメしてもらった作品です!
・まず自分の黄金時代にタイムスリップするという設定が良いです!主人公にとっての黄金時代は1920年代。この時代はヘミングウェイやフィッツジェラルド夫妻の小説家だけでなく、ピカソやダリなどの画家も生きていた時代らしく、知っている名前がたくさん出てきてびっくりでした。名前を聞いたことはあっても、どの時代に生きてた人なのかは知らなかったので新鮮でした。
・主人公が初めてヘミングウェイに会ったときの顔が忘れられません(笑)
最高です。
・主人公はアメリカで映画の脚本家として成功していますが、小説を書きたいと言って夢に生きようとする、という設定が好きです。パリに住みたかったけど、前に来たときにはアメリカに戻った、というある種の理性的な部分を持ちながらも、婚約者やその家族と夢との間でも葛藤する姿がより観客を主人公に感情移入させると思います。
・序盤で、主人公がヘミングウェイに自分の小説を読んで欲しいと言うのですが、ヘミングウェイはそれに「作家の意見など聞くな」と一喝します。その後、作家同士はライバルであり、男らしく我こそ一番であると胸を張れ、と言うのですが、大事な精神とは思いつつも多分そうは思えない自分を想像しました(笑)
・終盤で主人公は想いを通わせた元ピカソの愛人(アドリアナ)と彼女の思う黄金時代、1890年代にタイムスリップします。自らの黄金時代に魅せられたアドリアナはタイムスリップした先に残ることを選び、主人公だけが1920年代で小説のアドバイスをもらった後に、元の2010年代に戻りました。
・どの時代の人もどんな人も過去に憧れているあるいは囚われている、というのがこの映画のテーマの一つであるように思います。主人公の黄金時代である1920年代を生きる元ピカソの愛人(アドリアナ)も、アドリアナの黄金時代である1890年代を生きるゴーギャンも、みんな「昔の方が良かった」と言うんです。ここで主人公はどこの時代に戻っても、そこの時代の人々はさらに昔が良かったと言うのだということに気付いたんだと思います。
台詞にもあるように、主人公は過去への憧れという一種の幻想を捨て去り、物書きであることを選びました。はじめは一番過去に縋っていた主人公が過去への憧れを捨て、自身の小説と向き合っていく様がとてもいいなと思いました。
・ラストシーンの雨がよかったです。作中では何度も雨のパリが素晴らしいと言われていたので、最後に雨の降るパリを主人公が今度は話の合う女性と歩くというのが良い幕引きでした。
これにて一週目の感想は終わりになります!
最後までお読みいただきありがとうございました!
【追記】
初代ガンダム全43話、無事に見終わったので、次はZガンダムを見ようと思います!一日一本映画と合わせて、どこまでこのペースを続けられるかが鍵だなぁと個人的に思ってます!(笑)