初めてDATEをした日
初恋とか、初めての彼氏とか。
「初めて」というものは、酸くても甘くても、一度きりしかない特別なものだと思う。
岡村靖幸 2022 EARLY SUMMER ツアー 美貌の彼方。
先日、私は岡村ちゃんと初めてのDATEをした。
約2年前、岡村ちゃんに恋に落ち、念願かなっての初DATEだ。
初DATE。
なんて照れ臭くて、心躍る響きなんでしょう。
17時半。
名古屋市公会堂の入り口にどことなく列ができて、実感を持てないぼんやりとした頭のまま、指定された席に着いた。
夢に見た紫色のカーテン。
想像よりも淡い色の紫色は、儚くて凄く綺麗だった。
カーテンを前にしても、火の鳥を耳にしても、やっぱり実感は全然わかなくて、ただひたすらにぼんやりと座っていた。
18時半前。
開演前のアナウンスが流れて、「座っても立っても自由です」なんて優しいなぁ、などと思っていると、あれよと言う間にカーテンが開くその時が来てしまった。
目の前に岡村ちゃん、そして一気に体に流れ込む音。
そんなつもりはなかったのだけど、自然に涙が溢れていて、明るい曲調なのにしばらく涙を流しながら聴き入った。
「聴き入った」と言ったのだけど、「身を委ねた」と言う方がしっくりくるかもしれない。
岡村ちゃんのDATEは、音楽を聴いている、ライブを見ているというよりも、「音楽の中にいる」という感覚だった。
そこにいる一人一人が、岡村ちゃんの音楽に溶け合って、一体になっているみたいだった。
楽しくて体を揺らすとか、伝えたくて手を挙げるとか、讃えたくて手を叩くとか、言葉よりもっと根っこの感情や衝動のやり取りを、岡村ちゃんとベイベの間に凄く感じたからだと思う。
私も素直に気持ちを伝えたいなと思ったし、岡村ちゃんが贈ってくれる気持ちを全身で受け止めたいなと思った。
こんなにも、自然に素直になれたのっていつぶりだろう。
思いがけずそんな自分に出会えたことも、心が動いた訳の一つかもしれない。
「Boys」にある「裸がかっこいい人がかっこいいと思う」という台詞にいつもハッとさせられるのだけど、こんなにも素直な気持ちになれたのは、きっと岡村ちゃんが「裸」になってステージに立ってくれているからなんだと思う。
そしてそんな岡村ちゃんは、目があったとかそういう訳じゃないのだけれど、何故だかとても近くに居てくれたように感じられた。
やっぱりあれは、本当にDATEだったんだなぁと思う。
私は勝手に、ベイベ一人一人の人生と血の繋がった「岡村ちゃん像」が、ベイベの数だけあると思っている。
私たちは一人一人にとってスペシャルな「岡村ちゃん」に会いに来ているし、岡村ちゃんの音楽は、そんな私たち一人一人を抱擁してくれるような懐の深さがあると思う。
やっぱり岡村ちゃんは、ベイベ一人一人の自慢の彼氏なんだなぁと思う。
最後に、美貌の彼方って何なのだろうとふと考えてみる。
美貌の彼方。
初DATEを思い返して曖昧ながらに思い浮かんだのは、「体裁の美しさの向こう側」みたいなことだ。
体裁の美しさを超えた素直な感情や衝動にこそ、真っ直ぐな美しさが在るんじゃないだろうか。
少なくとも私はそう思うし、そこに美しさを見出せる自分でありたい。
言葉にすればするほど、核心から離れていってしまう気がしてもどかしいけれど、きっと岡村ちゃんから贈ってもらったものは、言葉にならない大切なものなんだと思う。
言葉にできる最大限のことは、岡村ちゃんという彼氏が最高でだいすき!!ということだ。
最高の初DATEをありがとう。