心臓日記第1部 その7──退院
4週目半ば、遂に退院。
朝から退院準備。次回外来までの薬をもらって、その後支払いに行く。高いだろうとは思っていたけど、通常の3割負担でも普通ではそう簡単には払えない金額。高額医療費なんとかを使ってかなり減る。
ペンギンが迎えに来てくれて、タクシーで10:30くらいに家に戻り、食料を買いに行く。10分程度だが非常に疲れる。
家に冷凍パスタがあった。塩分2.5gだったのでこれとキャベツを食べる。味が濃くて感動。
眠すぎるので夕方まで寝る。
夕食前にシャワー。湯船はちょっとやめておく。でもタオルでがっつり洗えた。
メモはここから毎日「献立日記」になっている。毎日の食事を書いている。
1日の塩分は6gまでと言われているので、食べるものを買う時に毎回栄養成分表をチェックする。
朝は薬を飲むために野菜・果物・ヨーグルト。昼と夜で合計塩分6g未満になるように計算し、更に夕飯には必ず野菜を食べる。それをもう5カ月ずっと続けている。なので心臓はともかくそこ以外は超健康なはずだ。
退院後初めてコーラを飲んだ時、1カ月以上ぶりだからぜったいおいしいと思って飲んだらぜんぜんそんなことなくて驚いた。薬みたいな味がした。慣れたけど。
そしてオレンジジュースを1日1リットルペースでがぶがぶ飲んでいた。入院中、とにかく甘いものが食べたい飲みたいと思っていた反動だった。それを後から栄養士の先生に言うと「それはそれで駄目です」と言われた。
2月には平日昼間に何人かの友達に家の近くまで来てもらってランチをしたり、お茶を飲んだりした。もう大丈夫だろうと思っていたのだが、まず普通の速度で歩けない。そして1時間話すと体力の限界が来る。買い物に行っても10分歩くと汗が出てきて息が切れる。ぜんぜん駄目だった。
お見舞いで千疋屋の果物をもらったのだが、バナナが大きくて甘くてびっくりした。今食べているバナナはなに? というくらい別物だった。
仕事もまだ傷病休暇のままなので、ひたすら寝る。楽しみは食事だけだった。24時間後のメニューを考えていた。ごはんを食べて、次のごはんまで寝る、という日々だった。映画でも本でもなんでもできる時間は山ほどあるのだが、少なくとも本はまったく読めない。
それから5カ月近く経って今に至る(途中で二回目の手術が入る。「心臓日記第2部」参照)。
そして今日、3回目の手術が決まった。つまり第3部があるということだ(うれしくない)。
第1部終わり
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