立つ鳥跡を濁しちゃダメよね
日本語学校に勤務しているが、多くの人が職場を去った。
その辞め方の非常識さが目に付くように思えてならない。漆黒の業界だから、大目に見て…はいけないと思う。
社会人としての躾の問題だから。
最近も。
昨年度末まで非常勤講師として勤務していた小さな学校のこと。
二人の専任講師がいた。
ある日、その主任にあたる専任が、2年目の後輩を一人残して突然辞めた。辞めた当日に会社に電話をして、その日の夕方「今日で辞める」と言い、翌日荷物をかたずけ「さようなら」と言って出て行ったそうだ。
話を聞いて、口あんぐりになったのは、私だけではない。
残された専任、その後、良く言えば孤軍奮闘、ありていに言えば、めちゃくちゃになりながらなんとか、という状態になった。
桜が咲いた。
残された専任からグループLINEで、学校近くの桜の写真が届いた。
後から聞いた話、辞めてしまった専任がどう出てくるか、試したのだそう。非常勤講師たちからの「きれい」「ありがとう」などの言葉が並んだが、その中に、辞めた専任のスタンプが一つ。
自分の行動を恥じている様子はなかった。見てはいけないものを見た気分になった。
勤務先を退職するときは、一か月前までに文書で通知しなければならないと決めている所が多い。
でも普通はそんな最低限の行動はとらない。数か月前に上司に話し、周囲にも話し、時には人事異動もあって、引継ぎをしてから辞めるのが常識だ。
それが、電話一本で退職を許した会社も会社である。
常識的な行動ができない人がいて、その行動を普通だと思っている業界がある…。
実は、この学校の経営側の会社は、とんでもない言動をする。
(私自身もとんでもない扱いを受けた。その話は後日書こうと思う)
辞めた専任は、学生のためのみならず、非常勤のためにも、会社側と対峙して、頑張ってくれていたことには感謝をしている。
会社をあまりにも憎んだ結果なのかもしれないが「迷惑をかけてやる」という行動により、私たち周囲の人間が「袈裟」扱いにされた。四十路を過ぎた人のやることではない。
占いで「敵が多い」と出たと聞いたが、納得である。このジケンで間違いなく、数人の敵を新たに作った。
後日譚。
残された専任が、メールで質問をした。引継ぎもせず出ていったのだから当然だ。ところが「そんなことも出来ないなんて…」などという厳しい非難の言葉を並べた返信が来て、質問への回答はなかったそうだ。
かの鳥は、水底の泥もぶっ掻いている。