日本語学校の避難訓練です
勤務している日本語学校では、定期的に避難訓練をしている。 学生全員を2列に並ばせ、15分ほど歩かせて、地区の避難場所に連れて行く。
これがことのほか大変で、途中、鬼門がいくつもある。
鬼門①道を歩く
2列で黙って足早に……できない。列バラバラ、おしゃべり、だら~っ。
鬼門②スマホ
歩きスマホ。しかも動画を撮りながら、が、ところどころ発生。
行ったり来たりしながら注意するが、ゼロ化しない。
鬼門③交差点
信号なんか、関係ないサの歩行。車ビュンビュン、危ないったらない。横断歩道で、1クラス20人がまとまって渡るか渡らないかにしてほしいが…。
何度叫んだか…
「〇〇クラス、スト―――っプ」
大都会である。しかも駅前。
鬼門④メロンパン
これが最大の鬼門である。途中にメロンパン屋さんの店頭売りがあり、食べたいから買う、の論理なのだ。
私もヤラレタ。
気分が悪くなった学生に付き添っているうちに、クラすの列が長~くなってしまった。やっとメロンパン屋さんあたりに来たら、クラスの学生が買っていたのだ。さっと取り上げて、授業後に返した。
日本語教師が留学生に話すとき、日本人同士が会話するときに比べて、おっかない。外国人は、日本人のように曖昧の文化を持つ人は多くない。
「察して」「空気を読んで」という要求は成り立たない場合が多い。
したがって、指示出しなどは、最後まできっちり言う。
たとえば「スマホはちょっと…」ではなく「スマホはやめなさい」、
「早く早く~」ではなく「早く歩きなさい」
確かに「メロンパンは買ってはいけません」とは言わなかったかも。
まるで子どもだね。
この話をすると、よく言われること。
日本人なら、子どものころから避難訓練はあたりまえであり、真剣に取り組まなければならないことだが、留学生は未体験の場合も多い。
しかも勤務校は、校外にでかけるイベントがない。たとえ避難訓練であっても、日本文化に触れる楽しい体験だと感じる学生もいるのだ。特に来日してからの期間が短い学生に多い。
それが一度でも地震を体験すると、話は変わり、真剣度が増す。
幸い? 何か月かいれば、必ず地震はおこる。悲鳴を上げる学生もいる。
緊急地震速報などが鳴ったら泣き出す人もいる。
災害大国にようこそ!
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