1930年代の末席王族(架空)が主役|貧乏お嬢様、メイドになる
あらすじ
1930年代の大英帝国。
王族の末端、王位継承順位34位のジョージアナ。
王妃から皇太子のアメリカ人パートナーの身辺調査をしろとの指令をうける。
そんななか、ロンドンのラノクハウス(別宅)の浴室に死体が浮いていてさぁ困った!
簡単な感想
貴族としてのジョージアナ、ロンドンで生計をたてるべく奮闘するジョージアナの対比が面白い。
「働かなくていい身分」と兄であるラノク公爵は言うけれど、ラノク公爵家は見事に借金まみれ。
(パパがギャンブル狂で自殺)
真冬も暖房なし、ご飯はトーストの超貧乏生活。
でも対面を保つためには、パーティは開催しなきゃ行けない、宮殿に行くにはロールスロイス用意しなきゃ行けないし……
貴族の、優雅な生活を維持するための費用捻出が常にネック。
なのに夜は延々とパーティ。
なんのためなんだろう?
上流階級の息苦しさと、アメリカ人の持つ貴族コンプレックスがたくさん描かれていたのもおもしろい!!
当時のイギリス王室メンバーが実名でバンバン登場。
王室は寛容だな〜と思う。
日本は無理な話だよなぁ。
死体見つけてもいたって冷静。
水没させたまま観察して、数日放置。
すごすぎる。
登場人物
ジョージアナ(ジョージー)
21歳。
お父さんはラノク公爵。(故人)
お母さんは女優。(離婚後世界中遊び歩く)
頭がよくて美人なのに婚期逃した。
ルーマニア王子と結婚させられそうなのを察知して、ロンドンのラノクハウスへ単身でやってくる。
貴族は、領地に本宅(だいたい田舎)ロンドンに別宅がある。
貧乏だけど、生粋の貴族だから、一人じゃ何もできない。
火おこし、湯沸かし、服を着る、料理……
でもなんとかマスター!
自分と同じように、田舎から一時的に別宅に来なければならない貴族向けにお部屋の掃除をする会社設立!!
たくましい!!!
一文無しなのに悲壮感、危機感あんまりないのは、何かあったら王妃を頼ればいいから?
いきなりデパートで仕事してみたり……たくましい!!
貴族令嬢にとっては、育ちの良さだけが自分の価値の時代。
ぶつくさ言いつつも最大限活用しているジョージアナ、好き!
ヘイミッシュ(ビンキー)
お兄ちゃん!
現ラノク公爵!
ダメすぎる!
ラノクハウスに死体を発見したくせに、妹に後処理全部をだまって押し付けて自分は本宅に逃げ帰る……
情けないやつ。
1mmも使えないやつ。
立ち回り下手すぎて、容疑者として逮捕される始末。
当時、殺人は絞首刑なのね…
公爵の肩書以外にいいところなし!
なぜ略称がビンキー?
ヒルダ(フィグ)
義理姉。
性格すっっごく悪い!
ジョージアナと常にバチバチ。
お金ないから心の余裕なし。
頭の中は節約でいっぱい。
なぜ、略称がフィグ?
ベリンダ
高校同級生。
現在はロンドンの人気デザイナー。
金払いの悪い貴族にイライラ。
パーティガール。
ダーシー・オマーラ
アイルランド名目貴族の次男だけど、一文無し。
毎週結婚式に忍び込んでタダ飯食ってる。
イケメン。
トリストラム
子供のころ、ジョージアナと遊んだことがある。
ジョージアナの母の次の旦那が面倒を見ている。「r」の発音ができない人。
色々あって、ジョージアナにいく財産を奪うために殺そうとしていた。
メアリ王妃・ディヴィッド王子・ミセスシンプソン
実在の王室メンバー。
おじいちゃん
ジョージアナの母方の祖父。
庶民。
ロンドン下町に住む、元警察官。
この本の中で一番親切で、一番常識人で、一番頼れる人。
ジョージアナがロンドンでやっていけるように優しくアドバイス。
ガストン
ギャンブラー。
前ラノク公爵がラノク城をギャンブルの抵当に入れていた、という証文をもってやってきた。
ジョージアナ、ビンキー大ピンチ!!
と思ったら、ラノクハウスの浴槽に沈んでた。
死んだのはラノク家にとってはいいけど、このまま犯人にされてしまう!
誰がやったの??
というのが今回のメインストーリーでした。
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