死はすぐそばに|シリーズ5作目で斬新な書き方に動揺
ホロヴィッツ✖️ホーソーンシリーズ5作目です。
あらすじ
高級住宅街「リヴァービュー・クロース」で起きた殺人事件。
迷惑行為ばかりで、他の住人に嫌われていた人物が、クロスボウで殺害された!
容疑者は6件の住宅の住人全員。
事件発生当時、ホーソーンが事件解決に乗り出すも、その結末はうやむやに……
時は流れて、ホーソーンとホロヴィッツが出会う前のこの事件を書籍にしないか、という話が持ち上がる。
ホロヴィッツは事件資料から真相を探り出していく。
作品についての感想
リアクションに困る!
まず、「第一部 リヴァービュー・クロース」は、ただただプロフィールや家の位置関係、今明かせるそれぞれの過去が延々と書かれている。
状況説明だけで続くこの章は、ちょっと丁寧すぎて読み進めていてもあまり面白くない。
あれ?こんなテンポが悪い作家だったっけ?
と困惑してしまいました。
作中、ホーソーンからも指摘されていたから、この丁寧すぎる描写はわざとだった?と作者の手のひらの上だったことを知りました。
何を追っている??
にしても…複雑な構成で、一度に
①リヴァービュー・クロースの殺人事件(過去の捜査)
②リヴァービュー・クロースの殺人事件(現在の視点)
③ホーソーンの正体を探る
④ダドリーの行方
と、4つの話が、色々と時間軸を変え、視点を変えて繰り広げられていきます。
なかなか集中しきれないまま、次の話に移るので追いつくのが大変でした。
ただ、全部が綺麗に整うのはお見事でした!
視点
第三者目線で語られる過去の事件調査はおもしろい!
でも現代パートはホロヴィッツ目線。
これがあまり感情移入できないんですよ。
謙遜なのかわからないけれど、自分を卑下するような描写が多い。
もっともっと自信たっぷりげに書いてくれていいのに……